「カバー力があるのに素肌っぽい」「UV効果も保湿効果もある」など、ファンデーションの機能性はどんどん高まっています。しかし、いくら優秀なコスメをもっていても、残念な使い方をしていては宝のもち腐れ。

ファンデーションの使い方について、「がんばって塗ることが、逆効果になってしまうこともあります」と話すのは、雑誌の美容エディターとして活躍する梅野利奈さん。

美容本を出す傍ら、心理学から見た美容に関心をもち、「好感を与える見た目」を研究している梅野さんに、「人に好かれるファンデーションの使い方」について教えてもらいました。

愛されるファンデーションの使い方
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ファンデーションをしっかり塗る=相手に緊張感を与える?

心理学では、相手を好きになる要因のひとつに、「類似性」というキーワードがあげられます。たとえば初対面の相手でも、趣味が同じ、地元が同じなど、共通点があるとわかると話が盛り上がりませんか? 自分と共通点があるというだけで、親近感や安心感をもちやすくなる…それが「類似性」の効果です。

この点から考えると、「人に好かれるメイク」と「完璧なメイク」は、まったく別物となります。愛されるメイクのポイントは、相手と距離を感じさせず、安心感や親しみをもってもらえること。

完璧なメイクをしている人を前にすると、女性の場合「私は手抜きメイクで来ちゃった…」など、余計なプレッシャーを感じることも。近年トレンドの「抜け感メイク」が愛されるのは、多くの人に安心感を与えるからという理由もあると思います。とても些細なことに思えますが、女性にとってこの小さな差が、おつき合いにおいて大きな影響を与えるケースもあるのです。

狙うべきは、「がんばって化粧している感」は出さず、いかに「隙があるけどキレイ」に見せられるか…です!

●凹凸がある「くすみポイント」がお疲れ顔の原因

くすみポイント

ここまで読んで、「じゃあ、ファンデーションは薄く塗ればいいってことね?」と思われるかもしれませんが、それもちょっと違います。年齢とともに、顔全体がくすんで疲れた印象を与えるため、明るくイキイキと見せるためには、やはりファンデーションでカバーすることが大切です。

ポイントは、お疲れ顔に見せてしまう「くすみポイント」を重点的にカバーして、ほかは薄く塗るというメリハリをつけること。

「くすみポイント」は目の回り、頬骨の下、小鼻など、凹凸がある部分です。イラストを見ると、「寝不足のとき、ここに影ができやすい」と思っていただけるのではないでしょうか?

●クマは、目の下だけじゃない!アイホールもぬかりなく

とくに顔の印象を変えるのが、くすみが特に目立つ目元のクマ。クマは、目の下にあると思われていますが、まぶた(アイホール)にも表れます。まぶたのくすみは、あまり気にしていない方が多いのですが、目元は顔のなかでももっとも注目されやすいパーツ。全体的に明るくすることで、印象がかなり変わります。

それでは具体的に、くすみポイントをカバーしながらも抜け感のあるファンデーションの塗り方をご紹介します。

●くすみポイントだけ重点的に!ほかの部分のファンデーションは薄くてOK

アイホール全体をくすみオフ

1.目の下だけではなく、しっかりとアイホール全体にファンデーションやコンシーラーを使って、くすみをオフしましょう。

小鼻回りはしっかりカバー

2.赤みが出やすい小鼻回りはしっかりカバーしないと、ほうれい線が濃く見えてしまうことも。メイク崩れしやすい場所なので、パウダーでしっかりとカバーするのがおすすめです。

3.パウダーファンデーションをお使いの方は、顔全体に薄く塗ったあと、くすみポイントに重ね塗り。
リキッドファンデーションやBBクリームなどをお使いの方は、全体に薄く伸ばした後、気になる部分に重ねづけしてください。

4.仕上げのルースパウダーをお使いの方は、リキッドファンデーションやBBクリームはくすみポイントだけに塗って、顔全体はルースパウダーのみで済ますと、抜け感が出ます。

元々ある血色感やツヤが活きて、親近感のある明るい印象を与えることができます。いつものファンデーションの塗り方をちょっとだけ見直して、愛されベースをつくってみてください!