幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。
もう間もなくひな祭り。2人の娘がいるわが家では、立春が過ぎた頃からリビングにおひなさまを飾り、春が恋しいとつぶやきながら、ひな祭りの日を楽しみにしています。
本格的なひな人形もあるのですが、大がかりだとどうしても出すのがおっくうになりがちですよね。そんなとき、数年前にころんとかわいらしいく、インテリアにもなじむひな人形に出合い、今では気軽に桃の節句を楽しんでいます。
土の風合いが素朴でコンパクトなひな人形なら、ひな祭りがもっと身近に
それは、宮崎県の伝統工芸品「佐土原人形」の「立雛(たちひな)」。丸みがあって、優しい風貌の土人形です。その歴史は古く、約400年前からあると言われているそうですよ。佐土原人形の老舗である
ますやさんの「立雛」を知り、すぐに電話して送っていただきました。
小ぶりでかわいくて、暖かみのある色合いもすてきですよね。この「立雛」がわが家のひな祭りの定番になり、窓際に飾って優しい表情を楽しんでいます。お花や植物と一緒に飾っても違和感がなく、ふと眺めてはほっこりできるのがお気に入り。注文するとき、「私の娘はとってもふっくらしているので、ふっくらした表情のおひなさまを選んでもらえるとうれしいです」なんてお願いしたことを覚えています。
●手づくりのひな人形を飾るのも楽しい!
そして今年はなんと、もうひとつ、おひなさまがあるのです。
それは、児童館で2人の娘、はなとひながつくってきたおひなさま。こちらも素朴でカラフルでとってもかわいらしい雰囲気。食器棚の上に飾っています。せっかくの季節の行事ですし、それぞれの家に合った方法で楽しむのもいいですよね。
ひなあられには、香川の伝統和菓子「おいり」がお気に入り!
お菓子が大好きなわが家のもうひとつの楽しみといえば「ひなあられ」。わが家では、ひなあられの代わりに山下おいり本舗の「さぬきのおいり」をいただいています。
「おいり」は香川県の伝統の和菓子で、婚礼時の定番だそうです。あられっぽく見えますが、見た目よりもかなりふわっと軽くて、お口に入れるとふわっと溶けてしまうほどの軽さ。食べ始めると本当に止まらなくて、このくらいの量は1回で食べきってしまいます。
一緒に入っている小判型のおせんべいも、おいりと同じく口のなかでふわっと溶けて優しい甘さ。はなとひな1枚ずつで、もちろん私の分はありません…(涙)。こちらは、ひな祭り限定ではなくいつでも購入できますし、手土産にもぴったりですよ。
春はもうすぐそこ。ひな人形が間に合わなくても、おいしいひなあられを楽しむなどで、3月の節句を楽しんでくださいね。
【幸栄(ゆきえ)】
1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、 2010年から卵とバターを使わないパン教室、
toiroを始める。 著書に『
「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本 (生活シリーズ)』(主婦と生活社刊)、『
パウンド型で焼けるおいしい食パン』(家の光協会刊)、『
あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり』(アノニマスタジオ刊)などがある。