世界各国を飛び回る旅ライターのSannaさんが、さまざまな国の文化や生活習慣の情報をレポートします。今回は、スイスで見つけた、とろけるチーズ料理「ラクレット」について。最近注目を浴びているアツアツのチーズ料理で、ワインにもぴったりな一品です。ピザ用チーズを使って楽しむラクレットのレシピもあわせてご紹介。
ワインにぴったり!スイスでは定番のチーズ料理「ラクレット」
すべての画像を見る(全9枚)アニメ『アルプスの少女ハイジ』にも登場する、チーズ料理「ラクレット」は、スイス・ヴァレー州の伝統料理。フランス語の“Racler(削りとる)”に由来し、溶かした「ラクレットチーズ」をジャガイモやパンなどにかけていただきます。
ラクレットはハードタイプのチーズで、加熱することでクセが少なくなめらかな食感になります。スイスのレストランでは、大きなラクレットチーズを半分に切り、断面を専用ヒーターで溶かしてトロットロになったところをナイフで削りサーブしますが、お客さん自らが専用の加熱器やミニスキレットでチーズを溶かして食べるタイプもあります。
チーズフォンデュよりも簡単で、シンプルなのにおいしいし、家庭でも手軽に楽しみたい!ということで、家庭版の簡単「ラクレット」をご紹介します。
ピザ用チーズでつくる「ラクレット」レシピ
本来はラクレットチーズを使いますが、以前チーズ専門店の方に聞いたところ、スーパーで手に入るピザ用チーズで十分おいしい「ラクレット」が楽しめるそうなので、今回は、ピザ用チーズ版でお届けします。溶かす際は、卵焼き器やミニスキレットなど小さめのフライパンを使うと、ラクにできます。
[材料](4人分)
・ピザ用チーズ(細切りタイプ) 500g
・ジャガイモ 中4個
・カボチャ 1/4個
・ブロッコリー 1株
・ミニトマト 1パック
[つくり方]
(1)ジャガイモ、カボチャ、ブロッコリーは食べやすい大きさに切ってゆで、ミニトマトはヘタを除いて洗っておきます。
(2)卵焼き器(またはスキレット)を火にかけ温まったら、弱火にして、チーズを入れます。
(3)2~3分温めて溶けたら皿に移し、あとは野菜にからめていただくだけ。
と、これだけで完成!お好みでソーセージやベーコンなど、好きな食材をからめてOKです。食材の上にそのままかけてもよし!チーズがすぐに固まるので、アツアツのうちにいただくとよりおいしく食べられます。
チーズを温める際に、豆乳や牛乳を少量加えるのもおすすめ。こちらのほうが、チーズが固まりにくく、食べる際に野菜にからみやすくなり、ラクレットに近い食感が楽しめます。
いろんなチーズを使ってオリジナル「ラクレット」をお試し!
チーズを溶かすだけなら、いろんなタイプのチーズで食べるのもおいしいのでは!?ということで、本場の「ラクレットチーズ」をはじめ、買いだめておいたさまざまなチーズで試してみました。※感想は個人的な意見ですので、あくまで参考までに。
●ラクレットチーズ
まずは、本来の材料である「ラクレットチーズ」。一般のスーパーマーケットでは、手に入りにくいかもしれませんが、やはりラクレット料理には最適。なめらかで、とろっとしたチーズが野菜によくからまり、マイルドな味わいです。
●カマンベールチーズ
大好きな人も多い「カマンベールチーズ」。外皮がやや固く、中はクリーミー。これはいけるのでは?と思いましたが、おせんべいのような仕上がりに。牛乳を加えればもう少しうまくいきそうですが、パリパリのまま別のおつまみとして楽しんでしまう方がよいかも。
●フォンティーナチーズ
イタリア産の「フォンティーナチーズ」。イタリア版のチーズフォンデュに使われるセミハードタイプのチーズで、香ばしい香りと、ほのかな甘さが魅力です。これもやや固くなってしまったので、牛乳を追加すると、おいしく食べられそうです。
●ブルーチーズ
クセのある味がたまらない「ブルーチーズ」。どんなもんだと火にかけてみたところ…溶けると色がグレーになって、食欲がわかず…。ブルーチーズはこのままでいただくのがいいなと思いました(笑)。
●結論!
というわけで、本来のラクレットチーズ以外でおいしかったのは、やっぱりピザ用チーズ。豆乳や牛乳を少量加えるとより本場の味に近づきます。普段の晩酌でのワインのおつまみにはもちろん、ラクレットでホームパーティなんていうのもいいですね。ワイワイ言いながら、皆でチーズを溶かして楽しんでみてはいかがでしょう。
【Sannaさん】
出版社勤務などを経てフリーのライターに。ムックやガイドブック、雑誌などに、旅や街歩きほか、グルメ、輸入住宅の記事を寄稿。これまで訪れた国は約65か国。著書に『
スウェーデン森に遊び街を歩く』、『
バルト三国 愛しきエストニア、ラトビア、リトアニアへ』(ともに書肆侃侃房)などがある。ブログ『
Sannaの旅ブログ』