丁寧な暮らしを送ろうとする人が増え、なかには食べ物の手づくりを試みる方も。無理なくできる範囲で手仕事を楽しみながら、お財布にも優しい生活。そんな毎日を送る人に注目してみました。今回ESSEが訪ねたのは、千葉にお住いの佐藤若子さん。夫と長女と3人で、築30年以上の一戸建てで暮らしています。佐藤さんのアイデアあふれる食べものづくりに密着してみました。

佐藤さんのアイデアあふれる食べものづくりに密着してみました。
佐藤さんのアイデアあふれる食べものづくりに密着してみました。
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当たり前に買っていた食品を自分でつくれる喜び

 大豆製品やヨーグルト、調味料までも手づくりしている佐藤さん。

「結婚後、ちょこちょこと手づくりはしていたのですが、本格的に始めたのは、娘が保育園に通いだした頃。この先の教育費も考えて家計を小さくしたい、なによりも安全でおいしいものを家族に食べさせたい、と思ったのがきっかけです」

 家計もスリムになり、自家製ならではのおいしさは、家族にも好評。

「それまで当たり前のように買っていたものを自分でつくれたことに感動し、手仕事の楽しさにすっかりはまってしまいました。庭に実った果物を家族総出で収穫したり、今年も梅仕事の時季がやってきた、と気合を入れたり(笑)、季節を感じながら暮らせるのも気に入っています。これもつくれるかも!と世界がどんどん広がっていくのも楽しみです」

●大豆を使いこなせば手づくりの幅が広がる

お手頃価格で、さまざまな食品のもとになる乾燥大豆は、節約の強い味方と佐藤さん。「道具はミキサー1台とキッチンにあるものでOK。ゆでて、煮詰めて、こして。ゆで大豆、豆乳、おからにして余すことなく使いきります」

【佐藤さんのつくり方(つくりやすい分量)】

(1) 乾燥大豆1カップと水800ccをミキサーに入れ、ひと晩つける。戻し終わったら、そのまま粒がなくなるまでかくはんする。

乾燥大豆1カップと水800ccをミキサーに入れ、ひと晩つける。戻し終わったら、そのまま粒がなくなるまでかくはんする。

(2) (1)を鍋に移して中火にかけ、沸騰したら火を弱め、アクを除き、7分ほどかき混ぜながら煮る。

(1)を鍋に移して中火にかけ、沸騰したら火を弱め、アクを除き、7分ほどかき混ぜながら煮る。

(3) ボウルにさらしをかけ、2を注ぐ。

ボウルにさらしをかけ、2を注ぐ。

(4) やけどに注意しながらさらしの両端をねじるようにし、豆乳を搾り出す。

やけどに注意しながらさらしの両端をねじるようにし、豆乳を搾り出す。

●おからでおからパン

おからでおからパン
おからでおからパン

 自家製おからは、パンづくりにも活用しています。「強力粉5:おから2の割合でつくります。粉が節約できるのはもちろん、栄養価もアップ。しっとりもっちりとしたパンになります」。

●ゆで大豆で納豆

ゆで大豆で納豆
ゆで大豆で納豆

 ゆでたての大豆1カップに市販の納豆大さじ1を混ぜて丸1日保温すれば、全部が納豆に!「容器を湯たんぽと一緒に発泡スチロール箱に入れて保温します。空気と触れた方がうまくいくので、容器のフタは軽くのせるだけ」。

●豆乳で豆腐

豆乳で豆腐
豆乳で豆腐

 豆乳ににがりを加えた液を、耐熱の器へ。「湯を沸かした鍋にやけどをしないように入れ、フタをしてごく弱火で10分くらい湯せんします。すぐに豆腐ができますよ」。

 自家製を楽しむ暮らし。もちろん、これが正解!ということはありません。事情があって、出来合いのものに頼らざるを得ないことだってあるものです。どんな形であれ、無理をせず、節約自体も楽しめるように、自分なりの工夫を見つけてみたいですね。