くるくると流行の変わるファッション。でも、そもそもおしゃれとは時代を追うことではなくて、自分のもつテイストにピッタリのものを身につけること。だから、新しいものではなく、自分のお気に入りを長く大切に使ってもいいのです。
自分のなかにしっかりとした基準をもてば、結果的に衝動買いやムダ買いが減ることにつながります。セールの安値に惑わされて、自分にとって本当は必要のないものを購入するという誤りを繰り返すことがなくなるのです。これこそが、暮らしを豊かにする節約術。安上がりにすませることだけを目標とする節約とは一線を画す、賢い節約術なのです。
スタイリストとして活躍する池水陽子さんも「気づけば、好きなものを延々と使っているタイプ」だといいます。お金をかけずとも毎日に彩りを与えてくれる、池水さんの流のおしゃれ術。その秘訣について、お話を伺いました。
お気に入りをとことん使う。好きなものを長く、大切に身につけます
●トレンドは小物で上手に取り入れる
すべての画像を見る(全5枚)「好きな服の傾向は10年、15年と変わらないので、今っぽさを出すのは小物だけを使って。これだけでも、十分に変化を楽しめますよ」と池水さん。たとえば、グレーの中折れ帽を取り入れる、マニッシュさをプラスして、大判ストールを合わせるなど。頭の先からつま先まで流行に自分を合わせるのではなく、ポイントでさりげなく新しさを取り込んでいます
●直して、手入れして。愛着のあるものを長く使う
直しながら15年は使っているという革のバッグを見せてもらいました。「こういう形の自立する革のトートバッグが欲しくて、出合ったときには『これだ!』と大感激したものです」。仕事を始めた頃に買った手帳や、ペンケースとして愛用するメガネケースも、定期的に専用のクリームをぬって、お手入れしながら持ち続けている、池水さんの相棒です
●高いものこそどんどん使う
カジュアルな服に、あえてちょっといいアクセサリーを合わせて大人らしさを演出するという池水さん。「淡水パールのネックレスは、どんな服にも合わせやすく、つけるとテンションが上がります」。確かに、高いからとしまい込んでいては、結果的に、払ったお金の分だけものが働いていないということに。使えば使うほど、ものには価値が出てくるのかもしれません
●ベーシックアイテムは、サイズ違いで持つとどんな服装にも合わせられる
グレーのパーカなどよく着るベーシックアイテムは、サイズ違いで2枚購入することもあるそう。「コートの下に着るならピタッとMサイズがいいし、逆にアウターとして使うならLサイズと、シーンで使い分けできると便利です」
●気に入ったものは色、柄違いでそろえる
コンバースのハイカットスニーカーも池水さんのお気に入りで、これまで何足履きつぶしてきたかわからないほど。「スカートにも合わせやすく服を選ばないし、履いていてラク。色や柄違いで常時何足かそろえています」
●娘と共有できるものを選ぶ
かわいらしい手編みのカゴは、小ぶりで持ちやすいので、長女も一緒に使っているそう。「ほかにマフラーやストールなども共有しているかな。色みがきれいでシンプルなものなら娘と私で使えるから、最近、そういう視点で選ぶことも増えました」