「普通のマンションのベランダでも、プランター栽培なら幅広く楽しめますよ」。こう語るのはベランダ菜園を始めて16年のベランダ菜園セラピスト・宮田範子さん。種類にもよりますが、平日なら10分、週末は1時間ほど手をかけるだけでとれたて野菜を味わえます。
「なかでもニラは一度植えると数年間にわたり、何度でも収穫できる、お得な野菜。ウチでは収穫期になると、3週~4週おきに何度も収穫しています」。家計も助かるベランダ栽培、チャレンジしてみませんか?
株分けして植えれば何度でも収穫できる「ニラ」
すべての画像を見る(全5枚)宮田家のお助け野菜として長く栽培されているニラ。「冬越しした株は、1本ずつ根をバラし、5本1束としてまた植え直せば何度でも収穫可能。植えなきゃソン、ですよ」
[ニラについて]
・科目:ユリ科
・なにから育てる?:種から
・栽培開始時期:3月、9月
・収穫までの期間:約1年
・水やり:朝1回、夏季のみ朝夕2回
・置き場所:半日陰。夏は日当たりのよい場所だと枯れやすいので注意
[必要なもの]
・8号以上の鉢または深さ15cm以上のプランター
・培養土
・液肥または緩効性化成肥料
[育て方]
(1)種まき
容器に土を入れ、割り箸などを使って深さ1cmのまき溝を10cm間隔で2本つくる。溝にパラパラと種をまいて、親指と人さし指でつまむようにして土をかぶせ、軽く押さえる。そのあと、たっぷり水やりを。
(2)発芽
種まきから4日~1週間ほどで、細い芽が出てくる。
(3)植えつけ&追肥
10~15cmに成長したら、根を切らないよう掘り起こす。新しい土を入れた別の容器に、苗を5本ずつ束ね、5~10cm間隔で植えつける。液肥か緩効性化成肥料の追肥を始める。
(4)収穫
種まきから約1年後から随時収穫。根元から3~4cm上をハサミで切り取る。
<半日陰栽培のポイント>
・夏の強い日差しと高温にはくれぐれも注意!
半日陰栽培に適した野菜は、概して夏の日差しと暑さに弱いもの。「日陰でも、強い照り返しとエアコンの室外機の熱風に当たれば、すぐ枯れてしまいます。熱い床へのじか置きも避け、スノコなどの上に置きましょう」
・空間の2段使いで多品種を賢く栽培
宮田家のベランダには、台を利用して野菜を育てているコーナーも。「直射日光をたくさん当てたいものは上、日陰を好むものは台の陰となる下にと、狭いスペースを有効に使えば、多くの種類が育てられます」
<とれたてニラでつくろう>肉ニラ卵焼き
小口切りにしたニラと炒めた合いびき肉を混ぜ込んだ卵焼き。「卵にニラ、お肉と栄養たっぷり。お弁当のおかずにもよく入れます。料理好きの長男は、おなかがすくと、これを自分でつくって食べることもあるんですよ」