幸栄です。パン教室「toiro(トイロ)」を主宰しています。初めてパンを焼いたのは、長女の出産から1か月後のこと。あの日から試行錯誤を重ね、今は卵とバターを使わないパンのレシピをつくっています。パンを焼きながら、2人の娘の母としても、楽しみや大変さをたくさん感じる日々。毎日のなかで見つける、ささやかな幸せや楽しみをつづっていこうと思います。
毎日の食卓に並べる料理。いつものつくり方にほんの少し工夫を加えるだけで、味に変化がついたり、ぐんとおいしくなったりしますよね。今回は、私が実践している「味が引き締まる調味料使い」をご紹介します。
いつもの料理の味が引き締まる、調味料使いのコツ
●サンドイッチのパンには、白と赤を片面ずつ塗ってサンド
まずは、わが家で人気のサンドイッチ。定番の具材は、ハム+キュウリ+スライスチーズです。
具材をはさむとき、食パン1枚にはマヨネーズを塗りのばし、もう1枚にはケチャップを塗りのばします。
私の母がつくってくれるサンドイッチがそうだったので、私もまねしているのですが、これが不思議とおいしいんです。2枚ともにマヨネーズ、がオーソドックスだと思うのですが、片方だけケチャップにすると、サンドイッチの味がキュッと締まります。だいたいの具材に合いますが、とくにシンプルなときほどマッチしますよ。
●濃いめなナポリタンの味つけにトマトピューレをプラス
お昼ご飯にぴったりな、ナポリタン。具材はとくに決め込んでいませんが、お肉+緑の野菜+タマネギというのがわが家の定番。この日はいただいた手づくりベーコンとブロッコリー、そしてタマネギでつくりました。
長女が大好きなのは、ちょっと濃いめなナポリタン。ケチャップの分量を多めにして濃いめにつくるところですが、それだとしょっぱさが強くなってしまいます。
そんなときは、あえてケチャップの分量を通常より少なめに。その分トマトピューレをたして調整するんです。そうすると、濃いめながらもトマトらしいコクが出て味が締まり、食べやすいナポリタンになります。
●おしるこをつくるときの塩加減「ひとつまみ」のコツ
寒い日は、小豆を炊いておしるこにしたりしていただきます。今、長女が矯正中でおもちは食べられないので、カボチャを入れたり、大好きな塩昆布と一緒に食べたりします。そんなおしるこをつくる際にポイントになるのが、塩加減。
小豆を炊くときに入れる、塩。「ひとつまみ」と書いていることがあると思うのですが、私たちが思っているよりも、ひとつまみって案外多くて、だいたい小さじ1/5くらいなんだそう。約1gですね。実際に取ってみると…
ほら、多いですよね?小豆を炊くときの塩は、少し多めの方が甘さが引き締まっておすすめです。ただ、塩加減はやっぱり好みがあると思うので、少なめから増やしていくのが、いちばんいいとは思います。
皆さんが当たり前だと思っている、料理のちょっとしたポイントやコツが、ほかの方にはうんと新鮮だったりすることがあると思います。そんなことを語り合ったりすると、とっても盛り上がりそうですし、いつものメニューをつくるときも楽しくなりますよね。
【幸栄(ゆきえ)】
1979年広島県生まれ。「はな」と「ひな」2人の娘をもつ。モデルとして活躍したのち、長女の出産を機にパンづくりに出合う。ベッカライダブルハウスにて、製造補助をしながらパンについて学び、 2010年から卵とバターを使わないパン教室、
toiroを始める。 著書に『
「ちょっとのイースト」で作る ベーグルとピザの本 (生活シリーズ)』(主婦と生活社刊)、『
パウンド型で焼けるおいしい食パン』(家の光協会刊)、『
あかちゃん、こども、おとなのパン―はじめてのパンづくり』(アノニマスタジオ刊)などがある。