長年議論されている、「家でおいしいチャーハンをつくる条件」。火力、炒め時間、ご飯の温度など、なにに気をつければ、自宅でお店のようなおいしいチャーハンをつくれるのでしょうか。
そこで暮らし回りの科学を研究する専門機関・FCG総研の監修のもと、さまざまなやり方を比較・検証。いちばんおいしいチャーハンのつくり方を発表します!
【おいしいチャーハンの実験1】ご飯の温度について比べてみた
まず、温かいご飯と冷たいご飯でつくり比べました。
炊きたてのご飯と冷蔵庫に3時間保存したもの、各400gで比較。ご飯以外の材料は、すべて同じです。
つくり方は、ご飯を入れる前に卵を加え、木ベラ2本を使って素早く返します。飯の炒め時間は2分。米はコシヒカリを使用しました。
●チャーハンに冷たいご飯はNG!ほぐれにくくご飯粒がかたまりに
ご飯がなかなかほぐれず、温かいご飯と同じ炒め具合になるまで3分超過。木ベラで押す回数が増えることで、ご飯がちぎれたり、つぶれたりして粘りが出て、ご飯粒がかたまりに。
●温かいご飯を使うとほぐれやすくご飯粒が独立。おいしいチャーハンに!
ご飯がほぐれやすいので、ちぎれたり、つぶれたりすることなく、ご飯粒ひとつひとつが独立。炒まり具合も均一で、ご飯、具材ともに香ばしく、ほどよくパラリとした炒め上がりに。
【おいしいチャーハンの実験2】炒める時間について比べてみた
続いて、具を入れる前のご飯の炒め時間を検証しました。
先に溶き卵を加えて5秒ほど混ぜ、温かいご飯を投入。炒め時間を1分、2分、3分と変えてそれぞれ焼き豚、長ネギ、塩を加え、さらに1分炒めたもので比較します。
フライパンは十分に熱し(200度程度)、火加減は強火という条件のもと、実験スタート!
●炒め時間1分だと、ご飯と具が混ざらず味にムラがある
パラリとしていますが、混ぜご飯のような食感。白いご飯のかたまりが一部残り、ご飯と具材とのからみ、味のなじみが不十分で一体感が不足。チャーハンらしい香ばしさも不足しています。
●3分だと炒めすぎ。香ばしさはあるがやや粘りを感じる
ご飯の弾力は2分炒めたものよりありますが、ちぎれたご飯粒がくっついてかたまりに。木ベラにはネバネバののり状になったご飯がついてしまいます。香ばしいが粘りが出て、食感もよくありません。
●最適な炒め時間は2分!ご飯に弾力があり香ばしく仕上がる
ご飯粒がしっかりと形を残しつつ、ほどよくパラリとして、口に入れると弾力も感じられる。卵や具材の味がバランスよくからみ、香ばしさも食べごたえもよい。
●火力がたりない家庭では、フライパンをあおらないで!
中華料理店でよく見る「フライパンのあおり」。ついマネしたくなりますが、お店のように火力が強くない家庭のガスコンロでは、強火でもフライパンに十分な熱を与えにくいうえ、あおるとフライパンが火から離れてしまうので、温度が下がる原因に。
炒め不足で、ご飯がうまくほぐれず、混ぜすぎるとベチャッとなってしまいます。あおらずにつくるのが正解!
家庭でおいしくチャーハンをつくるなら、「温かいご飯を2分間炒めたチャーハンが最高!」という結論に。ぜひ試してみてください。