だれしも、いつ病気やケガに見舞われるかわかりません。もし夫が家族で唯一の働き手だった場合、病気やケガで長期入院ともなれば家計は火の車になります。こうしたことは考えたくないことですが、備えておくことで安心でき、対応もスムーズに。ファイナンシャルプランナーの伊達有希子さんに、夫のもしもに備えておくべきことを教えてもらいました。

もしもに備え
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夫にもしも!!そのときにかかる費用にはどんなものがある?

 夫が事故によるケガや病気などに見舞われたときに、一般的な専業主婦がとくに困るお金は、おもに以下のものとなります。

●入院費用

治療費・食事代・差額ベッド代、交通費、衣類、日用品、雑費の費用など

●先進医療の費用

高度な医療技術「先進医療」の診察料、検査料、投薬料、入院料などは公的医療保険が適用されますが、技術料については全額自己負担になります

●入院して仕事ができない期間の生活費

事前に知っておくべきこと、備えておくべきことは?

 上記のような費用は、公的医療保険などだけではまかなえず、たりない分をすべて自己負担するのは厳しいところ。もしもの夫の長期入院に備えておくべきことを、伊達さんに聞きました。

●「傷病手当金」の存在を知っておく

「夫が病気やケガで仕事を休んだ場合、次の4つの条件を満たすと、健康保険から傷病手当金という給付が受けられます。およそ前年のお給料の約3分の2です。最長で1年6か月間受けることができます」

<傷病手当金給付4条件>
1.業務外の病気やケガで療養中
2.療養のための労務不能
3.4日以上連続して休んでいる
4.給与の支払がないこと

●「高額療養費制度」の存在を知っておく

「高額療養費制度は、月の始めから終わりまでに医療機関や薬局で支払った額が、一定額を超えた場合に、その超えた金額を支給する制度です。負担の上限額は所得によって異なりますが、窓口負担3割の方の場合、1か月の負担の上限は「80,100円+(医療費総額-267,000円)×1%」となります。ただし、差額ベッド代、先進医療にかかる費用などは高額療養費の対象とはされていません」

●医療保険・ガン保険で備える

ライフスタイル

「約8割の方が医療保険やガン保険などで医療時の不足分に備えています。最近では先進医療に備える特約もあり、月額約100円程度で付けられるため、貯蓄があまりないという方は“安心を買う”という意味で付加されてもいいですね。少し長めの入院限度日数にしておくという方法もあります」

●所得補償保険を検討する

「所得補償保険とは、病気やケガで仕事ができなくなった収入減を補う保険です。最近では健康保険や医療保険でも対応できないほど長期間の入院・自宅療養の原因になるものの1つとしてストレス性疾患があります。加入する場合は、ストレス性疾患まで保障するものを選ぶと安心です。

 会社員が所得補償保険を検討する場合は、勤務先に団体所得補償保険があるかを確認しましょう。保障が手厚く、保険料が安いのが特徴です」

※「所得補償保険」とは、一般的に損害保険で使われる名称です。生命保険では、通常「就業不能保険」という名称が使われています。

●ライフプランを立てておく

「ライフプランを立てることで、いつ・なにに・どのくらいのお金がかかるのかを把握することができます。夫に万が一のことがあっても、子どもの教育費など、そのほかのライフイベントに影響を与えないように、事前に対策を考えることができるので安心です。保険に関してもご自身のライフプランに合う商品を選択できるといいですね」

一家団欒

 備えあれば憂いなし。あらかじめこれらの保険や手当金の存在を知っておき、ライフプランに応じて計画を立てておくと、いざというときも冷静に対応ができます。ぜひ備えておきましょう。