仕事に家事に子育て…。日々やるべきことがたくさんある生活では、いかに作業を工夫し、時間をやりくりするかが重要です。

「収納を整えることは、時間をやりくりするうえで、とても有効です」と語るのは、整理収納アドバイザーの甲島慶子さん。そんな甲島さんが重視しているのは、収納に“隙間”をつくること。いったいどういうことなのか、詳しく教えていただきました。

収納に「隙間」をつくることで、作業効率があがり、時短に!

家事に追われるばかりではなく、自分の時間を楽しみたいし、ゆっくり休む時間も欲しい! そう考えた私が、自宅の収納でいちばん重視していることは、ずばり“隙間”です。
というのも、隙間を意識した収納を心がけると、ものを取り出して使うときも、片づけるときも、作業効率がぐっとあがるからです。ストレスなく手間が省け、作業がはかどるようになりました。

●本棚には“ラクに戻せる隙間”

本棚
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書店や図書館で、ビッシリと詰まった棚に本を戻すとき、苦労したことはありませんか? 書店や図書館の本は、自分のものではないので、面倒でもきちんと片づけようとしますが、それが自宅だったらどうでしょうか。

ついつい、面倒だからあとにしよう…とりあえずこの辺に置いておけばいいか…としがちです。片づけはため込むと大変なので、常に使ったものを元の位置に戻しておきたいですね。なので私はいつも、“ラクに戻せる隙間”を意識して本を収納するようにしています。

●バスケット収納には“上の隙間”

バスケット

バスケットやカゴ収納はとても便利な収納ですよね。放り込むだけで片づけを完了できるので、わが家でもとても重宝しています。

そんなバスケットやカゴを使った収納で意識しているのは、バスケットの“上の隙間”。とくに、毎日使うモノには不可欠なんです。上の空間があれば、バスケットを動かさなくても、ものを手に取り、ものを片づけることができます。

わが家の洗面所では、毎日使うドライヤーと洗濯ネットをバスケットに収納していますが、ワンアクションで取り出せるよう、ドライヤーを持った手がラクにとおるような高さのバスケットを使っています。

●食器棚には“手の通る隙間”

食器棚

毎日使うようなお気に入りの食器を収納する際は、“手がとおる隙間”を意識しています。

奥の食器を取り出すときに「ほかの食器にあたらないように…」と、気を使うようならNG。スムーズに取り出せるだけのぜいたくな空間をつくることで、時短化しています。「スペースがあるだけ収納する」のではなく、効率を優先させた方が使い勝手がよくなり、気持ちよく使えます。

とおり道

グラスやマグカップの棚には、手のとおり道を一本つくっています。

あえて隙間をつくることによって、毎日使うものがストレスなく取り出せる…。この仕組みをつくることで動きが止まることなく、心地よいリズムを刻みながら家事をこなせます。さらに心にゆとりという隙間も生まれて、暮らしを楽しめるようになるのだと思います。
ぜひ“隙間”を意識して、整理収納してみてくださいね。