パンを“リベイク”するっていわれても、ピンとこないかもしれませんね。要するに、「焼き戻す」という意味です。最近はホームベーカリーも普及して手づくりパンが身近になったせいでしょうか。著書『
パンばか食堂』発売以来、「毎日パンを焼かれてるんですか?」とよく聞かれるので、「リベイクしている」と答えるのですが、なかなか伝わりません(汗)。ぜひ浸透してほしい…!というわけで、今回は、冷凍パンでも、パン屋さんでの焼きたて状態に近づけることができる「おいしいリベイク」の方法をご紹介します。
冷凍食パンはトースターで焼く前に、蒸して解凍!
大抵のリベイクにはトースターを使いますが、冷凍しておいたパンは、リベイクする前にセイロで1~2分蒸して解凍します!なかでも試してみてほしいのが、朝ごはんの定番でもっとも冷凍庫に保存されている確率の高いパン、そう「食パン」です。
すべての画像を見る(全4枚)●そのままトースターに…入れる前に、ちょい蒸し!
自然解凍する方も多いかと思いますが、パン屋さんに聞いたところ、パンが最も劣化する温度帯というのがあり、それが、0℃~4℃の間なんだそう。自然解凍するとその温度帯に長い時間パンをさらすことに。それを避けるために、電子レンジで解凍してみたりしましたが、なかなか丁度いいあんばいを見つけられず、水分が失われてしまいパサパサに…。そうしていろいろと試してみた結果、冷凍したパンをリベイクするためにピッタリな解凍方法が、セイロ蒸しだったのです!
●冷凍食パンを蒸したらおいしくなる、そのワケは…
蒸した食パンはトングでつかむとこんなにフワフワグニャグニャに!
もともとパン好きさんの間では、買ってきたベーグルを焼く前にセイロで蒸すという方法が知られていたのですが、冷凍したパンの解凍にこれを応用したきっかけは、大好きなパン屋さんの言葉にあります。
「パンは乾物!!」
まさしく!蒸すことで、失われていた水分がすみずみまで補われ、たった1~2分で蘇るのです。蒸気により、最も劣化すると言われる温度帯も一気に通り過ぎてしまいます。ほかの朝ごはんの準備をしている間に「ながら作業」でパンを蒸し、食卓に出す直前にトースターで「チン♪」とリベイクすれば、表面はサクサク中はしっとりの食パンができ上がります。
セイロがない場合でも大丈夫。鍋さえあれば、100円ショップで売ってる蒸し台の上にパンを並べたお皿を置いてフタをすればいいし、買うのが手間であれば、ザルでもいーんです!
バゲット、ベーグル、カンパーニュも蒸してからリベイクでおいしさアップ!
この方法、冷凍したパンだけでなく、時間が経って固くなったパンにもおすすめ。蒸してから、トースターで少し表面を焼けば、バゲットのようなハード系のパンは中はふっくら外はパリパリに。ベーグルやカンパーニュはしっとりもちもちに!見てください、まるで赤ちゃんのようなツヤ肌のベーグルを(笑)!私はよく、1個だけ余らせたパンやはじっこだけ残ったパンたちを集めて、「蒸してからリベイク」します。これで、立派な主役パンに変身するんです!
冷凍したパンをうまく焼き戻せないと思っている方は多いと思います。もし「蒸し解凍」未体験なら、ぜひ試してみてくださいね!寒くなってきた時期のパン食にはぴったりの方法ですよ♪面倒に思えるかもしれないひと手間ですが、蒸すのは、「ながら」作業で大丈夫!思ったより簡単で、そのおいしさにビックリしますよ!
【ひとみさん】
インスタグラマー、ニューボーンフォトグラファー。夫、2人の娘と岡山で暮らす。インスタグラム(
@amehtm)で公開する料理やインテリア、テーブルコーディネートが人気。フォトグラファーとしても活動中で、ニューボーンフォトの出張撮影を行う「
setouchi photo Mii」を運営。ホームページ「
AMEWORKS」。著書に『
パンばか食堂―毎日食べたくなるおうちパンレシピ70』(ワニブックス刊)がある。