最近話題の「年の差婚」。さまざまなメリット、デメリットがあると言われていますが、今回は老後のお金の問題を中心にみてみたいと思います。 マネー誌には「豊かな老後を迎えるには3000万円の貯金が必要」などと書かれていて、若い世代も気になる老後のお金ですが、ここでは比較的裕福だったゆえに、老後貧乏に陥ってしまったというカップルを紹介しましょう。ちなみに、ムック「
定年後の暮らしとお金の基礎知識2017」でもさまざまなケースを紹介しているので、こちらも参考に!
年の差婚で人生を楽しんでいたはずが、定年後貧乏暮らしに
富田祐次さん(仮名・66歳)は独身生活を謳歌したのち、10歳以上も年の離れた女性と結婚。社会的地位が上がってからの結婚だったので、経済的には余裕があり、比較的裕福な暮らしを楽しんでいました。
そんな富田さんご夫妻は2人の男の子を授かり、教育費もふんだんに使って子どもたちを育ててきましたが、とあるタイミングで経済的危機を迎えることに。
それは富田さんの定年と息子たちの大学進学。このふたつが重なってしまったために、老後の資金計画がすっかりくるってしまいました。
年の近い息子はそろって国立大学の受験に失敗し、学費の高い私立大学へ進学。彼らは奨学金を申請し、授業のあとはアルバイトでがんばって生活費を稼いでいますが、それでも追いつかず、富田さんは再就職、専業主婦だった奥さんも働いて、なんとかしのいでいるそう。
晩婚カップルは教育費のかけすぎに注意!
富田さんの失敗について、1万人以上の赤字家計を再生してきたファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは、「最近は晩婚・晩産が影響して、子どもにお金がかかる時期と収入がなくなる時期が重なることが増えています。こうしたご夫婦は年齢や社会的地位が上がるに従って、子育てについお金をかけてしまい、貯金に手が回らなくなるケースが少なくありません」とコメント。
このような状況に陥らないためには、「子どもの将来と自分たちの老後に必要な金額をできる限り早めに試算しましょう。そして目標をはっきりとさせて、コツコツ蓄えることが大切です」。
年金や退職金など、不確定な要因が多く、全体像を把握しにくい老後のお金ですが、早い時期から知識と情報を備えておけば、定年間際になって慌てることもありません。今回取り上げた富田さん一家のような老後貧乏にならないためにも、早めの準備を心がけたいものです。