はじめまして。兵庫県で子どものための教室「ひづきの森」を運営している、藤原愉美です。教室では、"子どもが自分でできるような環境を整える"ことで、子どもの自発性を促す子育てや取り組みをしています。難しく聞こえるかもしれませんが、じつは簡単。子どもの生活空間に少しの工夫をするだけで、子どもが片づけやすくなり、楽しんでお手伝いもできるようになるんです。
すべての画像を見る(全4枚)ブックエンドがあるだけで、子どもが自分で本を片づけてくれる
棚を例にとってみましょう。絵本を棚に戻すとき、ギュウギュウに詰まった状態では、絵本の重みのため、子どもがひとりで片づけるのは大変です。子どもはほかのことにすぐに興味が移るものなので、大変な作業は雑にしてしまいがち。結果、本の上に積み重ねたりして、きちんと片づきません。
そこで簡単にできる、ある物を利用した片づけのコツを紹介します。
私が教室で使っているのが、無印良品のブックエンド「仕切板Lサイズ」。適度な重みがあり、大きめの絵本や図鑑もしっかり支えてくれる優れものです。これを、棚の仕切りからから5cmほどあきスペースができるように設置します!
子どもには、本をこの5㎝ほどのスペースに戻してもらうルールに。両手を使って本を支えなくてもいいので、「本を元に戻そうね」と声をかけるだけで自然に片づけてくれます。じつはこの5cmがポイント!隙間が大きすぎると、ぬいぐるみやおもちゃなど、本以外の物を入れてしまうこともあるからです。
5cmのスペースに本がたまってきたら、掃除のついでに大人が本を動かして元のスペースに戻します。5cmのスペースもまた、空っぽに。この習慣だけで、整った状態が長続きするんです!
もちろん、絵本棚だけでなく学習机周りの整頓にもぴったり。本棚がぎゅうぎゅうだと、机の上が片づかないだけでなく、忘れ物の原因にも。ランドセルに出し入れする教科書や、よく読むお気に入りの本なども、すっきり整頓できます。
小学生にもなると、あれこれ言われるのが嫌で反発しますが、こうしてそっと隙間をつくってあげるだけで上手く片づけてくれます。
どんな棚やブックエンドでも実践できるので、ぜひお試しください!
【藤原愉美さん】
兵庫県在住。小学校3年生の息子、3歳の娘を育てる二児の母。2015年の収納インテリアグランプリではESSE賞を受賞。'11年より、自宅でモンテッソーリ教育にもとづいた、子どもとお母さんのための教室「ひづきの森」を開校。子どもと暮らす空間づくりを得意としている。
ひづきの森