「今日も疲れたなぁ…」が口グセになっていませんか?掃除、洗濯など日々の家事も、体の使い方を工夫するだけでグンとラクになり、軽々こなせるようになります。毎日を快適に過ごすことができるだけでなく、腰痛や肩こりの予防につながりますよ!
体が本来もつ力をうまく引き出せば、ラクに行動できる!
「体は本来、合理的に使えば力を出せ、負担なく動けるようにできています。体がもつ力をうまく引き出せる動きを身につけることで、ラクに動けるようになりますよ」と教えてくれたのは、理学療法士の岡田慎一郎さん。体の力を引き出すコツは、体をバラバラに動かすのではなく、連動させること。
「体を連動させるポイントは3つ。1つ目は、手を動かすときは腕だけでなく背中も使って動かすこと。2つ目は、下半身をひざ中心に動かさず股関節中心に動かすこと。3つ目は、腰を反らしたり曲げたりせず、動くのに適した真っすぐの姿勢をとることです」。これらを意識すると、体全体が連動して大きな力が出せ、ラクに動くことができますよ。
家事が快適になる体の使い方
<食器洗い>シンクに対し足先をT字に開いて洗う
シンクに足先を真っすぐに向けて立つと、股関節の動きが制限されて腰から上半身を曲げがちになり、腰に負担がかかります。そこで、片方のつま先をシンクに対して外側に向け、T字をつくりひざを軽く曲げて。つま先が開くことによって股関節から上半身を前傾させることができるので、腰の負担が軽減します。
<アイロンがけ>アイロンを軽く握り上体が倒れる力でかける
アイロンをぎゅっと握ると、腕だけに力が入って疲れます。アイロンには指を添えるぐらいの気持ちで、小指、薬指、中指を中心に持ちましょう。足元は踏みしめず、上体を傾斜させたり起こしたりすることで腕を動かして。座ってかけるなら片ひざを立て、股関節から上体を傾斜させて動かします。
<掃除機がけ>掃除機と足を一緒に動かしてかける
掃除機の柄は中指、薬指、小指に引っかけ、親指と人さし指は添える程度に。前の足と柄を平行にして同時に動かしながら進みます。階段などで本体を持ち上げるときは、反対の手の中指と薬指を中心にほかの指も添えて持ち、腰に沿わせるように。ハンディータイプなら、掃除機のいちばん重たい部分の位置を腰まで下げ、体に沿わせます。
いかがでしたか?すぐには慣れないかもしれませんが、意識して続けることで体全体がスムーズに連動して、毎日がラクになりますよ!
ESSE11月号「疲れない体の使い方」では、ほかにも、さまざまなコツをご紹介しているので、こちらもチェックをしてみてくださいね。
【岡田慎一郎】
理学療法士、介護福祉士、介護支援専門員。武術の動きを参考にした「古武術介護」が反響を呼ぶ。近年は合理的な体の使い方をさまざまな分野に提案。著書に『
体の使い方を変えればこんなに疲れない!』(産業編集センター刊)