家事に苦手意識をもってしまうのは、もしかしたら効率の悪い作業を繰り返しているせいかもしれません。家事がラクになるコツを知って時短につなげてみませんか?

知的家事プロデューサーの本間朝子さんは、「この作業は省ける」「こんな手順はいらない」という余地が残る部分を「ムダ家事」と名づけ、それを省く工夫をしています。今回は、事前に準備をすることで、掃除や洗濯のムダを減らすワザについて詳しく伺いました。

ひと手間を先取りすることで、洗濯物が絡まったり、シワになったりするのを防げます

洗濯では、洗濯物が絡まる、ジャケットがシワになってしまうといった、ちょっとした「いやなことをなくす」ことが大切です。隙間時間に手間を先取りして、洗濯やアイロンへの苦手意識をなくしましょう。

またなにかの「ついでに掃除する」習慣も効果的です。これを実践すれば、キッチンまわりがいつもきれいで、汚れをためなくなるというメリットも。

●(1)シャツの袖口と前身ごろのボタンを留めて洗濯すると、洗濯物が絡まない!

シャツの袖口と前身ごろのボタンを留めて洗濯する
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干す際に洗濯物が絡まっているとイライラしますよね。絡まる原因は、袖。男性のシャツの場合、袖の長さは両腕合わせると約150cm。これが洗濯機の中で四方八方に広がるため、いろいろなものと絡まり合うわけです。

ポイントは脇を締めること。袖口のボタンを前身ごろのボタン穴に留め、洗濯中に袖がヒラヒラしないようにすれば、絡まりを防げます。洗濯物はまとめてドンッと入れると絡まりやすくなるので、ひとつずつ洗濯槽に入れるようにしましょう。

また、衣類が多いと絡まりやすくなるので、入れる量は洗濯槽のサイズに対して7割以下に。さらに柔軟剤を入れると、絡まるのを軽減する効果があります。

●(2)シワがついた衣類は、入浴後の浴室につるすとアイロンいらずに!

シワがついてしまった服は、入浴後、湿気のあるうちに浴室にかけてみましょう。ジャケットやスカートなど、30分〜1時間程度でシワがなくなります。シワの気になる部分に軽く霧吹きをしておくとさらに効果的です。その間、換気扇は回さずに。浴室から出したら風通しのよい場所で陰干ししましょう。

浴室で干せない場合は、市販のシワ取りスプレーを使ってもいいですね。

ジャケットやスーツを連続で着用したり、脱ぎっぱなしにしたりするのはNG。シワが寄り、型くずれの原因になります。一日着用したらサイズに合ったハンガーにかけて霧吹きをします。それから陰干ししてシワを取りましょう。これも、面倒なアイロンがけを減らすための工夫です。

「掃除しやすい環境」を整えて、どかせる、避ける手間を省く!

掃除が苦手な方は、「面倒だな」と思う部分を減らすための工夫をしておきましょう。事前に「掃除がしやすい」状態にしておくと、掃除すること自体が苦痛でなくなります。

●(3)調理中は濡れた布巾を持って冷蔵庫の開閉をすると、取っ手がピカピカ!

濡れた布巾を持って冷蔵庫の開閉

濡れた手で冷蔵庫を開けたり、油でベタベタな手で食器棚を開けたりして、台所回りの取っ手は意外と汚れています。だからといって、いちいち拭き掃除するのも面倒です。

調理中に濡れたふきんやタオルを持った手で開閉してみましょう。手が直接触れず、汚れがつきません。ついでにサッと拭くこともできます。

食器棚の開閉やコンロの火加減の調節をするときなども、ふきんを持ったまま行うと、台所回りのベタつきや汚れが減らせます。

●(4)キャスター台で観葉植物やゴミ箱の移動がラクラク!

掃除のたびに床に置いた観葉植物やゴミ箱を移動させて、もとの位置に戻すのは大変です。そのつど作業の流れがストップして、モチベーションも下がります。

キャスターのついた台の上にそれらをのせておけば、片手で移動させられるのでとってもラク。新たにゴミ箱や収納ボックスを購入する際には、キャスターつきかどうかをポイントにするのもおすすめです。キャスター単体だけでも販売されています。

すでに愛用しているゴミ箱や収納ボックスの底に、市販のキャスターを強力な両面テープではりつけてもいいでしょう。

●(5)コンセントのコード類は宙に浮かせると、ストレスが減ります!

コードやケーブルの整理に手を焼いている人は多いはずです。床にはわせてしまうと、それらをよけて掃除するのが面倒になり、大掃除で苦労するハメになります。そうならないように日ごろの延長で掃除できるようにしておきましょう。

ポイントは「電源タップ」。床に置かず、家電を置いた家具に取りつけ、コードは丸めてケーブルタイでまとめて。浮いた状態になり、グッと掃除しやすくなります。

コード類を宙に浮かせたら、家具と壁のすき間を掃除機やフロアワイパーが入る幅にあけておきましょう。コードがないので掃除しやすく、ホコリが溜まりがちなテレビ台の裏もいつもきれいにしておけます。

本間さんの書籍

『ムダ家事が消える生活』

(サンクチュアリ出版)には、このほかにも家事のムダをなくすためのヒントが集められています。家事がつらいと感じている人、家族との時間を増やしたい人はチェックしてみては?