玄米は精米されていないため、白米よりもビタミンやミネラル、食物繊維などが豊富で、健康だけでなく美容食としても注目されています。その一方で、白米よりもかたく、甘味を感じにくいので、苦手という人も。家族のなかで玄米が好きな人、苦手な人がいると、炊き分けるのは大変です。

玄米がおいしくなるとぎ方があるって本当?

そこで「玄米が苦手な人でもおいしく食べられるとぎ方があります」と教えてくれたのは、こだわり米専門店「スズノブ」を営む西島豊造さん。西島さん監修のもと実験をし、その違いを検証してみました。

玄米が浸るくらいの水を素早く注ぎ込む
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1.ザルに玄米を入れてボウルと重ね、玄米が浸るくらいの水を素早く注ぎ込みます(最初の水をいちばん吸水するので、浄水器をとおした水やミネラルウォーターが好ましい)。

玄米の表面についているホコリや汚れを取り除く

2.力を入れずに軽くかき混ぜて、玄米の表面についているホコリや汚れを取り除きます。

濁った水を素早く捨てる

3.汚れたとぎ汁を玄米が吸う前に、濁った水を素早く捨てます。この間10秒ほど。これを2回繰り返します。

●ここが「おいしいとぎ方」のポイント!

表面に傷をつけるように
表面に傷をつけるように

4.ザルとボウルを重ねたまま、水を入れずに、ザルの網目に玄米をこすりつけるように、強めにゴシゴシと100回ほどとぎます。ボウルに水を注ぎ込み(水道水でよい)、2~3回かき混ぜて、水を捨てます。それを2回繰り返します。炊飯器にセットし、玄米モードで炊飯します(浸水時間は不要)。

●一般的なとぎ方と、おいしいとぎ方の玄米(炊く前)を比較

(左)一般的なとぎ方、(右)おいしいとぎ方
(左)一般的なとぎ方、(右)おいしいとぎ方

一般的なとぎ方に比べ、おいしいとぎ方をすると、玄米の表面がザラザラに! 「表面のヌカ層を傷つけることで、水が浸透しやすくなり、ふっくらした食感に」(西島さん)。

●一般的なとぎ方と、おいしいとぎ方の玄米(炊いた後)を比較

上が一般的なとぎ方で炊いた玄米、下がおいしいとぎ方で炊いた玄米です。色とお米の立ち上がり方に差が!

一般的なとぎ方
一般的なとぎ方

香り:★★☆
ツヤ:★★☆
味:★★☆
食感:ボソボソして少しかため
見た目:粒が全体的に少し茶色っぽい

おいしいとぎ方
おいしいとぎ方

香り:★★★
ツヤ:★★☆
味:★★★
食感:もっちりして甘味が強い
見た目:粒は白色で、やや欠けている

「玄米が苦手」という編集スタッフ4人が試食してみたところ、「皮が口に残る感じもなく、銀シャリのように食べられそうです」、「断然白米派なのですが、これは白米と変わらないもっちり食感!クセがなく、さっぱりしていて、毎日でも食べられそう」、「2つの玄米の食感が明らかに違う!おいしいとぎ方の方は食感がやわらかくて、かむときにストレスを感じません」、「とぎ方を変えただけでヌカ臭さがなくなり、お米自体の風味がアップ。玄米に慣れた人には少しやわらかすぎるかも」、といった感嘆の声があがりました。

ちょっとしたコツでぐんとおいしくなるとぎかたのポイントをご紹介しました。食欲の秋、ぜひ試してみてください。