投資というと、「ギャンブルのようなもの」「元手がないとできない」などと思ってしまいがちです。しかし、家計再生でもおなじみのファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは、月3000円ほどの投資でも始める意味はあると語っています。制度やサービスが整い、投資へのハードルがますます下がっている現在、初心者はどのように向き合えばいいのでしょうか?
かつて、投資ビギナーだったハピコさんが、自身の過去を振り返ってくれました。雑誌などでも活躍する節約ブロガーで、家計術にまつわる著作もあるハピコさんが経験から学んだ、投資をするうえで大切にしたい3つの心得を語ります。
初心者が投資を始めるときに、大切にしておきたい3つの心得とは?
「投資をしよう」と考えたとき、まず真っ先に考えてしまいがちなのは、「自分がトクするのか?」ということではないでしょうか。
「ソンをしたくない」「できるだけリスクを減らし、多くのリターンが欲しい」…そういった自己中心的な考え方が、心の大部分を占めてしまいます。
もちろん、これは本人にとってとても大切なことです。ただし、そういう気持ちでだけ投資をすると楽しくありません。投資の本質とは違う方向へ心が動いている状態だからです。
私の考える投資の本質とは、「新規で事業を始めたいけれど、手元にお金がないという人に、お金に余裕がある人がお金を貸す」ということ。これが、決して忘れてはいけない、投資のシンプルな姿だと思うのです。つまり本来の投資とは、「やる気はあるのに、お金がない人」を応援することなのではないでしょうか。
そういうふうに考えると、投資って本来、とってもすてきなことなんだな、と思えませんか?
この考え方をベースに、なかでも大切にしたい3つの心得をご紹介しましょう。これらは私が投資を通じてたどり着いたものです。
●1.なにを応援したいのかをハッキリさせる
「この株を買っておけば、将来上がるだろう」と、数字だけを見て投資をするのが一般的かと思うのですが、そこに、なにかを「応援したい」という気持ちはあるでしょうか?
投資したお金の先には、それを受け取る人がいるのです。「その人にがんばってもらいたい!」という気持ちが大切です。
確かに、投資をした時点では目には見えないかもしれません。でも、その会社で働く人たちにがんばってもらいたい! と願う気持ちが、投資の基本的な考え方なのです。
●2.下がっても応援したいのかを判断する
大好きなスポーツの応援では損得勘定なしに「がんばれー!」と思うのに、いざ投資となると「ソンかトクか」で見てしまいがちです。
スポーツの場合、ちょっと試合の結果が悪かっただけで、ファンをやめてしまうでしょうか? ファンをやめてしまっては、そのスポーツ選手はがっかりしてしまうもの。調子が悪いときに応援してあげてこそ、人は、元気をもらってがんばれます。
さて先ほど、投資には応援の気持ちが大切とお伝えしました。これを投資に当てはめて考えてみましょう。
もちろん、いくら応援しても、これはやる気がないなと感じたら、ファンをやめるという判断をしてもいいでしょう。
●3.自分のお金で社会が豊かになっていると知っておく
最後に、いちばん大切なのは、「自分の手元にあるだけではなにも生み出さないお金を、投資という形で世の中に回せば、社会を豊かにできる」ことを覚えておくこと。
投資はギャンブルみたいなものと思っている人が多いのですが、本来の投資の姿は、世の中の会社を応援しよう! というものなのです。
今の時代、預金口座にお金を預金しておいても、利子はほとんどつきません。ですから、自分の生活費半年分くらいは、預金口座に残していることを前提として、余剰資金としてあるお金を投資するのは、自分自身も豊かにすることだし、社会全体を豊かにすることにもつながります。
投資することで分配金があったり、評価額が上昇したりすれ自分自身も豊かに。投資した企業や社会全体も、お金が回ることで豊かになります。
投資とは本来、社会を豊かにする、とてもすてきなこと。そういう気持ちでいることが、投資を始めるうえでいちばん大切なことだと、私は考えています。