相手のことを思えば思うほど、言葉選びに悩んでしまうのが「励ましの手紙」。励ますつもりが、実は相手を傷つけていた!なんてことがないように、今回は、ビミョ~な状況の相手に送る、励ましの手紙の書き方をご紹介します。

励ましの手紙の基本ルール

気持ちを伝える手紙のルール
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 落ち込んでいる人の心はとてもデリケート。よかれと思って書いた言葉が相手をへこませる決定打になってしまうこともあり得ます。

 まず、大切なのは「ネガティブワードを避ける」こと。「気づいてあげられずごめんなさい」「お役にたてず」…などの表現も、つい使ってしまいがちですが、マイナスな言葉はなるべく使わない方がいいでしょう。

 また、見落としがちなのが、「プレッシャーを与えない」こと。後述の「I(アイ)メッセージ」を上手に使って、圧迫感を与えずに、応援している気持ちを伝えましょう。それでは、次からはシチュエーションごとに例文を見ていくことにしていきます。

勤め先を解雇された友人に

 強い励ましの言葉より、相手の気持ちを察して、幸せな未来を祈りましょう。野次馬的に相手に質問するのは言語道断ですが、勤め先の批難をしたり、アドバイスしたりすることも、相手のためにしているようで、気持ちを逆なでする言葉になりかねませんので、気をつけましょう。

気持ちを伝える手紙のルール

●ここがポイント!

・「応援しています」

 「がんばって」だと、落ち込んでいる人には、プレッシャーになることも。「応援しています」なら、「私が」という「I(アイ)メッセージ」で気持ちを伝えているので、相手も素直に受け取りやすくなります。

 「陰ながら応援しています」と、「陰ながら」や「いつも」「遠くから」など添えても◎。

●こんな表現も!

・「きっとうまくいくと信じています」

 このほかにも、「きっとよい結果につながります」「○○さんなら大丈夫だと信じています」なども。こう書かれると、本当にそんな気がしてくるから不思議。相手に自信を与えます。

ペットを亡くした人に

 家族同様のペットの死は、とても辛いものです。亡くなったペットとご家族との絆を尊重し、早く元気になってほしい気持ちを、心を込めて書くことがポイントです。

気持ちを伝える手紙のルール

●ここがポイント!

・「どうかお体を大切に」

 気持ちが落ち込んでいるときは、自分の体のことまで気が回らなくなっているものです。相手の健康を気遣うひとことを添えましょう。そのほか、「お体を大事にしてください」「ご自愛ください」なでどもOKです。ちなみに、「お体ご自愛ください」は、重複表現になってしまうので、じつは誤り。

・「また元気な笑顔を見せてください」

「どうぞお気持ちを強く持ってください」「元気を出してくださいね」なども◎。

気持ちを伝える手紙のルール

 最後に、励ましの手紙は、プライベートな内容に触れるもの。なにかに添えたり、サイズが小さい場合でも、封筒に入れることをおススメします。

【青木多香子さん】

(社)手紙文化振興協会認定・手紙の書き方コンサルタント。「人を癒し、励まし、幸せにする」手紙を広めるために雑誌、書籍、セミナーなどで活動。ブログ「

手紙、おくります。