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全米最速でワクチン接種が進むシアトル。現地での接種レポート

2021.07.20

日本でもようやく進み始めた新型コロナウイルスのワクチン接種。先んじていたアメリカでも、とくに接種スピードの速かった都市がシアトルです。
家族でシアトルに暮らすライターのNorikoさんに、現地のワクチン接種についてレポートしてもらいました。

コロナの看板
シアトルのワクチン接種の現状

新型コロナワクチン接種が進むシアトルからレポート

アメリカで一般に接種対象が拡大してから約2か月がたとうとしていた6月9日、シアトルは全米主要都市でいち早く、対象となる12歳以上の新型コロナワクチン接種率70%達成となりました。同時点で日本の新型コロナワクチン接種率が5%にとどまることを考えれば、かなりのスピード感をもって接種が進んだことがわかります。

●ワクチン接種の予約はすぐできた!

昨年末から本格的に始まった新型コロナワクチン接種はフェーズに分けられ、医療・介護従事者、65歳以上の高齢者、その50歳以上の同居者、教職員、基礎疾患や障害のある方、妊婦、密集する場所での生活者、公共交通機関や飲食店など高いリスクのある職場で働く人などと徐々に対象を拡大していき、4月15日から16歳以上ならだれでも受けられるようになりました。5月10日からは12歳以上の子どもへの接種も許可されています。

接種の予約は近所のクリニックや薬局で受け付けているほか、州や郡、市などでそれぞれ大規模な接種会場が設けられ、マイクロソフトやアマゾンなど、地元企業の使っていないスペースが接種会場として提供されていました。
また、マリナーズの球場など、各スポーツ・スタジアムでも観戦客にワクチン接種を提供しており、コストコなどの大型スーパーマーケットでも受けられます。私の場合、かかりつけの病院を通じて予約用サイトのリンクがメールで送られてきたので、そこからオンラインで予約ができ、希望する日にちや時間帯も選べました。

●ファイザー社のワクチンを2回接種

建物の入り口接種した新型コロナワクチンはファイザーのものでした。現在のアメリカは、モデルナやジョンソンエンドジョンソン含め、希望するワクチンを打てる会場を自由に選択して個々に予約できる状況にあります。予約なしで打てる会場も増えています。

広大なアマゾン社屋の一角に設けられた接種会場は駐車場も無料。各所に立つ笑顔のボランティアスタッフのフレンドリーな誘導のままに進んでいき、会場入り口にて検温カメラシステムの前で体温測定をすませると、受付ブースで送られてきた予約QRコードをスマートフォン画面から読み取ります。そして、紙製のリストバンドをつけられ、いよいよ接種テーブルがずらりと並ぶエリアへ。ここまで列に並ぶこともなく、ものの5分で通過。

接種会場では流行の音楽がガンガンに流れ、風船などでデコレーションもされ、ちょっとした楽しいイベントのようなムードづくりがなされていました。しかし、実際にやることは注射です。そんなに得意な方ではない私は緊張しつつも、あいた接種テーブルに呼ばれるがまま着席。初回は日系人らしき女性ナースに「ダイジョウブ!」と声をかけられました(笑)。ワクチン接種自体はあっという間に終了。痛くもかゆくもありません。

ワクチン接種カードをもらい、そのあとは隣接する待機スペースで15分、指定時刻までイスに座って待ちます。目の前の大スクリーンにはデジタル時計が映像とともに表示されています。初回接種の場合、次回分の予約サイトのリンクが早速メールで送られてくるので、待機中にその場でスマートフォンから3週間後の接種予約を入れられます。
副反応らしき違和感はまったくありませんでした。指定時刻が過ぎれば、すぐにでも会場を出られます。手にポンポンを持ったボランティアスタッフが「おめでとう!」とお見送り。

全行程で30分もかからないくらい。無事、自分で車を運転して家に帰りました。ちなみに夫は2回とも別のドライブスルー会場で接種。順番待ちも接種も接種後の待機も、すべてクルマの中ですんだそうです。

●新型コロナワクチンを接種してその後

店の外にたくさんの人新型コロナワクチン接種といえば、副反応の心配があるかと思います。私の場合、1回目は接種当日夜に少し倦怠感を覚える程度。2回目は接種当日夜から翌々日の朝まで同じく倦怠感、そして頭痛、吐き気、熱っぽさがあるとともに、筋肉の痛みも腕だけでなく体のあちこちで感じました。夫は逆に1回目がひどく、2回目はそうでもないとのこと。

周りの声を聞いても、38℃以上の高熱が出たり、起き上がれないほどの気持ち悪さを感じたりと、程度も症状も人それぞれのようです。まったく症状のなかった人もいます。私たち夫婦は土日に接種をしたので仕事への影響はありませんでしたが、平日に接種する場合は人によって支障があるかもしれません。

ビーチ6月30日、シアトルは予定通り一部を除き規制が緩和され、事実上のロックダウン解除に。街中でも経済再開ムードが漂い、レストランにもショッピングモールにも人が戻ってきました。
マスクなしのパーティや飲み会も復活。ビーチは人であふれ、まだまだ国内が主ですが、旅行やレジャーに出かける人も多くなり、ハワイやラスベガスなど州外への旅行を楽しむ人も増えています。

一方で、新型コロナワクチンを接種したい人がほぼ打ち終えた今、接種ペースは鈍化しています。新型コロナワクチン接種者には抽選で賞金が当たったり、ドーナツやビールがもらえたり、スポーツ観戦チケットがもらえたりと、7月現在は日本の新聞勧誘のごとく、すっかり特典合戦の様相に。
アメリカ全体で見ても同様の傾向にあり、とくに共和党支持者や若者、ワクチンについての正しい知識を得にくい低所得者層や地方のコミュニティーで新型コロナワクチン接種への抵抗が根強いようです。

海と人もちろん、ワクチン接種は個人の自由。アレルギーや基礎疾患がある方、宗教的な理由がある方、アスリートなど、事情があってワクチン接種ができない方もいます。12歳未満は接種認可さえありません。ワクチンを打てない人を守るために、接種できる人が接種して感染を広げない。それは、毎年のインフルエンザワクチンと同じなのかな、とも思います。

変異ウイルスのブレイクスルー感染など、ワクチンを接種したからと言ってまだまだ安心はできないのが現状ですが、少なくとも私自身はもとより小学生の息子やそのお友だち、アジア人より重症化しやすいと言われるヨーロッパ系の夫の感染リスクを減らせたことに今はホッとしています。

【Norikoさん】

アメリカ・シアトル在住で現地の日系タウン誌編集長。フリーランス・エディター/ライターとしても、日米のメディアに旅行情報からライフスタイル、子育て事情まで多数の記事を寄稿する。著書に『アメリカ西海岸ママ~日本とは少し違うかもしれない、はじめての妊娠&出産~』(海外書き人クラブ刊)、共著書に『ビックリ!! 世界の小学生』(角川つばさ文庫)

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