メロンパンの正体とは?ビスケット生地があればいいというものではないらしい
2016.11.01

「メロンパンが食べたい!」。そう思ったとき、頭に浮かぶのはどんなメロンパンですか?もちろん、具体的なイメージは浮かんでいるはずです。食感、香り、味…。でも、手近なお店に足を運んでも、イメージどおりのメロンパンにはありつけないかもしれません。なにせ、メロンパンはあまりに多種多様だからです。

 メロンパンマニアであるHARIKENさんは、その種類の豊富さこそ、メロンパンの魅力の源なのだといいます。

HARIKENさん
メロンパンについて熱く語るHARIKENさん

そもそも、メロンパンと呼べるものはどんなもの?

「なにをもって『メロンパン』というのかを考えてみると、パン屋さんが『メロンパン』という名前で売ってるから、としかいえないんですよ(笑)。あんパン、クリームパンといえば、どこで買ってもそんなに違いはありませんよね。素材の質や調味に違いはあっても、あんとパン、クリームとパンという組み合わせは変わらない。あんが入っていないあんパンは考えられないけど、メロンが入っていないメロンパンは普通ですし、一方でメロンが入ってるメロンパンもあります。メロンパンの場合、表面にメロンの皮のような模様が入っているものが多いことと、ビスケット生地とパンの組み合わせに共通点が見られるくらいで、実際はそれすら怪しいものですよ」

メロンパン
ビスケット生地があればいい、というものでもないらしい…
 つまり、メロンパンは容易に定義しえないパンであって、それゆえにたくさんの種類があると?

「そもそもパンかどうかもわからないですよ(笑)。むしろスイーツとしいて分類されるべきものもあります。とにかく、自称”メロンパンハンター”としては、町のパン屋さんなり製パン業者さん(または、製パンメーカー)が、『メロンパン』という名前でどういうものをつくってくるか、どう攻めてくるかに関心があるんですね。『おお、こう来るか!』という驚きこそ、メロンパンのディープな魅力です。メロンパンは味を競ってるだけではないんですね」

 では具体的に、世の中にはどんな種類のメロンパンがあるのでしょうか。HARIKENさん独自の見解によると、それぞれの特徴から、以下の3種に分かれるそう。

マニア曰く。メロンパンは、大きく3つに分類される!

果汁系…フルーツの香りがするもの(緑色のものはほぼメロンそのものの香り)
バター系…バターの香りがするもの(表面がクッキーのようにカリカリしているものに多い)
洋菓子系…ケーキのようなほのかに甘い香りがするもの(見た目には、バター系と区別がつかないものもある。※クリームは入っているものとそうでないものがあり)

●果汁系

果汁系「手に入りやすい代表例では、ファミリーマートの『もちっと北海道メロンパン』(上写真)、木村屋總本店の『こだわりメロンパン』があります。なぜ果汁系の定義が、〈メロンの香り〉ではなく〈フルーツの香り〉といっているかというと、ときには〈レモン風味のメロンパン〉なるものも存在するからです(笑)。果汁系では、新宿高野の『クリーミーメロン』がとても有名ですね。静岡産のマスクメロンを使っています。さすがフルーツ専門店のメロンパンだけあって、生地にもクリームにも実際のメロン果汁を使っていて、メロン感ではダントツですね」

●バター系

バター系「パスコの『サクふわっメロンパン』(上写真)はスーパーなどで比較的手に入りやすい例でしょう。ノルマンディー産(!)発酵バターを使用しているとのことで、袋を開けた瞬間から濃厚なバターの香りが広がります。ガメラの甲羅のようなビスケット生地もおもしろい」

●洋菓子系

洋菓子系「洋菓子系は、いろいろありますが、デンマーク・ベーカリーの『しあわせのメロンパン』(上写真)を例として挙げておきます。自宅のある練馬区で店舗展開しているパン屋さんなのですが(笑)。表面のハート型の模様も、洋菓子(お菓子)っぽくてかわいいですよね。この系統は、どこかショートケーキのような香りがしますね」
 物事は単純に線引きなどできない、というのが世の常。当然、“果汁系+洋菓子系”など、さまざまな交配種の存在が考えられます。この分類を手がかりに、自分なりのメロンパン・マトリクスをつくってみるのも一興かもしれません。メロンパンの世界がより立体的に立ち上がってくることでしょう。

【教えてくれた人/針生謙一さん】
宮城県仙台市出身。食べ物や日用品など、ありとあらゆるものをポップなキャラクターにするのが得意なキャラクターデザイナー。Tシャツデザイン、カプセルトイの商品企画も手がける。食玩からアメリカントイまで収集する駄玩具愛好家でもある。映画や番組にも出演。

<撮影/林紘輝 取材・文/神宮前二郎>