北欧のベジタリアン事情。魚を見て泣く中学生男子も…

ヴィーガン、ベジタリアンという概念が日本でも知られつつありますが、詳しいことはよくわからない、という人も多いのではないでしょうか。

菜食が浸透している北欧の国・フィンランド。ここではフィンランド人の夫と結婚し、国際NPO法人でも活動するルミコ・ハーモニーさんに、ベジタリアン事情をレポートしてもらいました。

ベジタリアン事情
フィンランドのスーパーのベジミート売り場

ベジタリアンやヴィーガンの友人たちと実際に過ごして

外国人と接していると、肉を食べないというシーンに出くわすことが多々あります。ベジタリアンという言葉は耳にしていましたが、実際に食事を共にするとなると、経験や知識がないとなにを選んでいいのか分からず、よく困っていました。

●ベジタリアンは人によってさまざま

ベジタリアンは菜食主義者と訳されます。一概にベジタリアンといっても人によってさまざまで、「肉は食べないけれど魚は食べる」とか、「肉と魚は食べない」とか、「肉・魚・乳製品も食べない」ヴィーガンと呼ばれるタイプの方もいらっしゃいます。

理由もさまざまで、「肉の味が好みではない」とか、「宗教上の理由から」とか、「肉は環境によくないので」などの返答を聞いてきました。

●魚を食べるところを見ることもできない男の子

魚を食べるところを見ることもできない男の子
フィンランドの市場
去年フィンランドに帰省した際に、義理のお姉さん家族の中学生の息子が、突然泣き出したことがあります。
義理のお姉さんは、せっかく日本から来た私たち家族にサーモンを食べさせてくれようと夕飯を準備していたのですが、息子はベジタリアンでした。さまざまなことを学んだうえで、肉はもちろん魚を食べることもやめたうえ、人が魚を食べているところも見ることができない、ということだったのです。

私の親友の、日本在住のポーランド人カップルもヴィーガンで、一緒に出かけるときにレストラン選びに苦慮していました。
実際、彼らも来日して数年はベジタリアンをやめていました。理由は、日本だと選択肢が少なくて、ベジタリアン生活を送るのが困難だったため。また、実際チキンなど食べてみたらおいしかったから、ということでした。

しかし日本に慣れた彼らは、またベジタリアン生活をスタートさせました。一緒にランチへ行くと、じつは東京でもベジタリアンやヴィーガン専門店が増えてきているなと実感します。

●どんな料理があるの?

日本の学校では「米・肉・野菜をバランスよく食べましょう」と教わるのが普通です。突然ベジタリアンメニューつくろうと言われても、私もまったく思いつけませんでした。
しかし誘われてベジタリアンレストランに行くと、その種類の豊富さに驚きました。野菜のピッツア、ソイミートボールパスタ、ベジカレー、サラダボウルなどがあります。

「サラダだけだと腹もちが…」と心配になりがちですが、ブロッコリーやサツマイモ、カボチャに豆、キヌアといったたくさんの食材が入ったサラダは食べごたえ十分。肉や魚がなくてもいいのだという価値観の変化が起こりました。

振り返ってみると、日本にももともと精進料理があり、肉や魚を食べない食生活があります。ベジタリアンの人と出会いが増えてくると、メニューのアイデアも増えてきて、わが家でも週に何回かはベジタリアンメニューということも増えてきました。
子どもたちも、いとこがベジタリアンであることを目撃しているので、食べ物がどのようにやってきてどのように届いているのか、という話を積極的にするようにしています。

ベジタリアンメニュー
フィンランドでフサスグリ取り
フィンランドの学校の給食では、当たり前のようにベジタリアンメニューがあるそうです。それだけ、ベジタリアンは一般的なのですね。

野菜のそぼろそんなフィンランドでは肉の代わりに食べる「HÄRKIS FINLAND(野菜のそぼろ)」が浸透しています。最近、日本でも食べることができるようになりました。
ソイミートというのは大豆を肉のように加工したものですが、こちらの商品はそら豆を肉のように加工したものです。

植物性製品を選ぶ食生活は”自然との共存”、そして”地球環境・生産性を期限なく継続する”持続可能な社会システムづくりり(サステナブル)へとつながります。本質を求めるフィンランドならではの取り組み、皆さんも試してみてください。

●教えてくれた人
【ルミコ・ハーモニーさん】

東京都在住。フィンランド人と結婚し3児の母となり、アーティスト兼親子での国際交流を支援するNPO法人「ザ・グローバル・ファミリーズ」の副理事長としても活躍の幅を広げる。執筆・イラストも手がけるほか、世界のいろいろな事情について語るポッドキャスト番組「LOVE THE WORLD」も更新中

このライターの記事一覧