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5歳になったうーちゃん一人で「釣れた!」に成長も<古泉智浩の養子縁組やってみた>

2019.07.15
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50歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した長男・うーちゃん(5歳)、里子の長女・ぽんこちゃん(1歳)という家族5人で暮らしています。
今回は、うーちゃんと釣りに行ったときのお話。

うーちゃんの竿にヒットが!海で感じたうーちゃんの成長

うーちゃんといつも行く漁港のイラストうーちゃんといつも行く漁港に釣りに行きました。これまでずっと棒に釣り糸を結んだだけのシンプルな述べ竿でしたが、先日5歳になったので、「リール」という糸を巻く機械のついた子ども用の投げ竿をプレゼントしました。リールは使いこなせないと糸が絡んでめちゃくちゃになって釣りどころではありません。

ただ、述べ竿のときは竿を水につっ込んでかき回すなど、じっとしていられなかったので成長してほしいと期待を込めて投げ竿にしました。うーちゃんの大好きな緑色の竿です。

もう少し大きくなれば、自分でエサをつけて仕掛けを海に落とし、魚がかかるように竿をちょっとずつ揺らすという釣りの醍醐味を味わってほしいのですが、そこはまだ5歳なので、針が指に刺さっても困ります。海に落とすところまではぼくがやりました。

投げ竿とエサのイラストこの季節、豆アジが大量に釣れることを期待して海に出かけました。「アミコマセ」という、小さいエビをブロック状に凍らせたエサを仕掛けの下にぶら下げたカゴに入れて水中に落とすと、小さいエビが散らばります。そうして魚をおびき寄せて、「サビキ」というエビのにせものがついた針に食いつかせる仕組みです。

うーちゃんの準備を終えて、ぼくも自分の竿を用意します。そうこうしているうちにうーちゃんの仕掛けにエサがなくなってきたのでエサをカゴに詰めて、ぼくの竿にまた餌を補充して…とかなり忙しい。

水面近くには小さいメダカのような魚がたくさん泳いでいて、コマセが水に散らばると集まって食べているのが見えます。しかし、豆アジの群れは来ていないようで、針にはなにもかかりません。

サビキ釣りは周りに同じ釣りをしている人がいればいるほど、水中に餌が散らばるので、群れが寄ってきやすいのですが、ぼくは人ごみが苦手なので、いつもほんの数人しか釣り人がいないスポットを選んでいました。

この日も日曜日の午後なのに釣りをしているのはぼくらだけでした。それだけ不人気な釣り場であるということはあまり魚がいないのかもしれません。たしかに、いままでのことを思い返してみてもあまりたくさん釣れた記憶がありません。

ちなみに、一人で行く釣るときは沖に向かって伸びる堤防の方に出るのですが、堤防は高いので幼児を連れて行くわけにはいきません。

魚を釣り上げた様子のイラストそんなことをぼんやり考えていると、突然「釣れた!」と言ってうーちゃんが竿を持ち上げました。仕掛けの先には15センチくらいの魚が身を躍らせていました。これまでママと一緒に竿を持ってハゼを釣ったことがありましたが、完全に一人で水中の魚を針にかけて、釣り上げたのは初めてです。

「わっ! わっ! すごいっ! すごいっ!」

うーちゃんは初めてのことで興奮していて、ぼくもかなり興奮しました。魚を針から外すと、うーちゃんがトングのような道具で魚をつかんでバケツに入れました。そのバケツの水と一緒に魚をクーラーボックスに入れました。

ボラのような形の魚で、はっきりとした魚種は分かりません。ボラはあまり食べないのですが、うーちゃんが初めて釣った魚だから絶対に持ち帰って食べようと思いました。

しばらくしたら、ぼくの竿にも2匹小さいサバがかかりました。「ついに群れが来たぞ!」と思って慌てて次の準備をしました。

「あと1匹釣りたいね」うーちゃんがそう言うのですが、それでは合計4匹です。家族は、ぼく、妻、おばあちゃん、うーちゃん、ぽんこちゃんの5人です。

ぼく「ぽんこちゃんの分は?」
うーちゃん「赤ん坊はおさかな食べない」

たしかに食べないかもしれないし、小魚は骨を取りにくいので食べさせられないかもしれません。でも、食べないとしても人数分はそろえたいものです。しかし、それっきりなにもかからず、エサがなくなって帰ることにしました。

自販機の横に猫をみつけたときの様子のイラスト漁港の集会所には自販機が2台あって、道具置き場に猫が4匹住みついています。自販機でうーちゃんの麦茶を買っていると、いつもいる4匹のうちの1匹がいました。やせた三毛猫です。

「おさかな食べたいのかな」とうーちゃんが言いました。思いがけず、うーちゃんの動物愛護の精神がかいま見えた瞬間です。

今日は一人で魚を釣り上げたこともありましたし、うーちゃんの成長を感じられた一日となりました。

【古泉智浩さん】

漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69)をチェック!

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