子どもの英語習得のコツは、使う環境に身をおくこと
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2018.12.02
所要時間: 1

2020年、小学3年生から英語科目が必須となります。「自分が苦手だから、子どもには英語で苦労させたくない」という親は多いですが、どうすれば子どもが英語に親しむようになるのでしょうか?

フィンランド人と国際結婚をし、多言語を話す子どもを育てているルミコ・ハーモニーさんに、ご自身の経験をもとに「子どもが英語に親しむ方法」を語っていただきました。

子どもの英語習得
子どもが自然に英語に親しむために大事なことは?

子どもが英語に親しむために…海外では一般的なイマジネーション教育

私は国際結婚をして、3人の子どもがいます。
最初の子どもを出産したとき、夫は母国語のフィンランド語を、私は日本語を教えたため、わが子は世界的にはマイノリティ語のバイリンガルの道をまっしぐらに。

ところが、子どもが1歳のときにブラジルに1年移住した際、フィンランド語と日本語に加え、現地ブラジルの公用語であるポルトガル語、週2回授業で習う英語、そして学校が休みのときに少し面倒を見てもらったコロンビア人のスペイン語を、いとも簡単に理解し、コミュニケーションをとっていたのです。

その姿を見て、言語習得に興味がわきました。

●活動のなかで起こっていく言語習得

赤ちゃんが日本語を習得していくステップは、まさにほかの言語習得にも当てはめられます。

たとえば、赤ちゃんが食事をする際に「マンマ」、車を指して「ブーブー」と繰り返していくと、ある日食べ物を「マンマ」、車を「ブーブー」と言い始めます。赤ちゃんが「This is a pen」と言えないからといって、文法が間違っていると怒る大人はだれもいません。

朝起きたら「おはよう」、なにかしてもらったら「ありがとう」、失礼なことをしてしまったら「ごめんなさい」、オモチャを使いたかったら「貸して」…などと、生活のなかで、子どもは自然に言語を習得していきます。

さらに公園などで同じ年齢のほかの子どもたちと一緒に遊ぶことで、言葉を拾って習得していくさまは驚異的です。「止まって!」「こっちだよー」「待って」など、その行動の際に発せられた言葉を1回で習得してしまうことさえあります。

言語習得に大事なのは、インプットと、それを使う環境に身をおいて活動することではないか…と、私は感じるようになりました。

●海外では一般的なイマージョン教育

日本では「まずは母国語をしっかり学んでから、次に英語を!」と主張する人が多いのですが、本当でしょうか?

海外の人と接していると、3言語話者のトリリンガルや、5言語話者のマルチリンガルも多くいます。
たとえば、フィンランドにはスウェーデン語圏というのがあり、フィンランド人でもスウェーデン語を話す人がいるため、フィンランドの看板はフィンランド語とスウェーデン語のダブル表記が多く見られます。カナダも同様で、英語圏の地域とフランス語圏の地域があります。

そのような地域の特性から、海外では「イマージョン教育」といって、母国語以外の言語で教科を学べる学校が公立でも非常に多く、だからこそ多言語の習得がしやすいのです。
日本でのインターナショナルスクールもそれで、英語で教科を学んでいくので、結果的に海外の大学進学率が高くなります。

●もっと身近にイマージョン教育を取り入れてみよう

とはいえ日本でインターナショナルスクールに通わせようとすると、学費も高く、あまり現実的ではないかもしれません。

しかし、日常のなかでイマージョン教育を取り入れることは可能なはずです。
とくに英語を使うシチュエーションが楽しければ楽しいほど、英語は勉強ではなく、娯楽になっていきます。

そんな機会がなかなか日本では見つけられないこともあり、私自身、未就学児を対象とした英語のアートワークショップを主宰しています。
ポイントは、英語を学びたい日本人はもちろんですが、外国人ファミリーも楽しめること。というのも、日本では日本語ができないと、外国人はなかなかイベントにリーチできません。
そんな人たちがお互いに楽しめる機会を、今後も発信していきたいと思っています。

●教えてくれた人
【ルミコ・ハーモニーさん】

東京都在住。フィンランド人と結婚し3児の母に。2016年に、英語で未就学児を対象としたアートワークショップを行う「LITTLE ARTISTS LEAGUE(リトル アーティスト リーグ)」を立ち上げる。執筆、イラスト、ポッドキャスト配信などの活動も行う

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