もしかして大人の発達障害?家事や仕事のトラブルを回避するには
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2018.11.05

「発達障害」という言葉が広く知られるようになり、最近は大人の問題としても語られるように。
脳の生まれもった特性であり、症状のある人自体が増えているわけではありませんが、近年の社会状況から、診断を受ける人が増えています。

発達障害の問題に詳しい医師の宮尾益知さんに、発達障害のひとつ「ADHD」について、その特性と、起こりがちなトラブルと対処法について教えてもらいました。

ADHDの人が得意なこと、苦手なこと、起こりがちなトラブルの対処法

●ADHDの特性は「不注意」「多動性」「衝動性」

ADHDの特性
衝動性が強く、あと先を考えられないために起こしがちなトラブル
「ADHDは、『不注意』『多動性』『衝動性』という3つの特性をもつ発達障害です」

とくに女性で問題となりやすいのが「不注意」。仕事上でミスと連発する、家事の段取りがうまく組めない…。本人は十分に気をつけているつもりでも、なかなか改善できないそう。

<ADHDの人が苦手なこと>
・物事の優先順位をつける
・時間を守る
・片づけ
・細かい作業

<ADHDの人が得意なこと・長所>
・いろいろなことに興味をもつ
・細かいことを気にしない
・周囲の反応に気づく
・元気があって活動的
・フットワークが軽い

「思いつくとすぐに行動してしまうので、子どもを叱りすぎたり、人を傷つけるようなことを口に出してしまったり。あと先を考えずに行動しがちなので衝動買いを繰り返してしまうなどの問題が生じることもあります」

起こりがちなトラブルと、対処法を教えてもらいました。

●曜日ごとの家事のスケジュールをつくる

ADHD
カレンダーで予定を都度確認しましょう
炊事・洗濯・掃除などが苦手なら、たとえば曜日ごとの家事のスケジュールをつくります。
「一度にあれこれやろうとするとうまくいかないので、ひとつずつクリアしていくよう心がけましょう」
家族に分担してもらうのも手です。

●大事なことはすべてメモして忘れ物を防ぐ

ADHD
スマホのアラーム機能を活用しましょう
「大事なことはすべてメモに残し、それを一か所にまとめて、いつでも見られるようにしましょう」
多くの人が日常的に持ち歩いているスマートフォンの、アラームつきメモ機能などを利用すると便利です。

●ケアレスミスを減らすには人の力を借りる

ADHD
人に協力してもらいましょう
家族や職場の同僚、上司などに自分の特性を説明しておき、ひとつの作業が終わるごとにチェックしてもらう体制をつくることがおすすめです。
「人の力を借りることを恐れないで」

完璧じゃなくていい!ありのままの自分でいて

「発達障害は治るものではありません」と宮尾さん。人生で長いつき合いとなる発達障害と、気持ちのうえで、上手に向き合う方法はあるのでしょうか?

「あまりがんばりすぎないことが大切です。あなたが『できない』と感じていることは、障害のためかもしれません。かといって、障害がない人が完璧なわけでもありません。だからたとえば、『人間関係を良好にしなければ』などと、必死になる必要などないのです」

友達なんて少なくていい、と気持ちを切り替えるのもあり。

「人間はだれもが不完全な存在です。ありのままの自分を認めて気楽に人生を歩む、くらいの気持ちで生活しましょう」

ESSE12月・1月合併号の特集「もしかして私も!?大人の発達障害」では、大人の発達障害について詳しく紹介しています。ぜひこちらもチェックを。

●教えてくれた人
【宮尾益知さん】

どんぐり発達クリニック院長、医学博士。徳島大学医学部を卒業後、東京大学医学部小児科等を経て、クリニックを開院。発達障害の総合情報サイト「オーク発達アカデミー」主宰。『女性のADHD』(講談社刊)など著書多数

<イラスト/サヲリブラウン 取材・文/ESSE編集部>

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