<養子縁組やってみた>不器用でいい!うーちゃんの自由な画風に父は反省…
古泉智浩
2018.10.01
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漫画家の子どもだからといって、絵がうまいとは限らない…そんな状況に直面した、49歳の漫画家・古泉智浩さん。

里子から養子縁組した長男・うーちゃんは、「やりたいように思いっきりやる」のが流儀。親はそんな姿を見てなにを思うのでしょうか?

ぐるぐるペンを走らせる!ガシガシ色を塗る!無頼派なうーちゃんの絵

うーちゃんは、あまり器用でないというか、けっこう不器用です。
4歳ですが、たとえば絵なら周りの子が人の顔を描いているのに、まだぐるぐるしか描けずにいます。

端くれとはいえ一応漫画家の子なのだから、顔くらい練習すればすぐ描けるはず。

「いいかい、こうして大きな丸を描いて、その中に小さい丸をこうして描けば、ほら、目でしょ。お鼻とお口も描いて、ほら顔だよ」と、ペンを握ったうーちゃんの手を取って、顔を描く練習をさせました。
するとすごくいやがって、悲しそうに「僕はぐるぐるしか描けないんだ」と言ったのです。

そのとき「自分は、なんてひどいことをしてしまったんだ」と強く後悔しました。
感性のおもむくままにぐるぐるとペンを走らせるのが楽しいのであれば、そんな今しか描けないぐるぐるを思いっきり描くべきだ…。うーちゃん3歳のときの出来事です。

壁の絵今は、ぐるぐるというより、ガシガシと紙に色を塗るのが好きみたいで、塗り絵も大好きです。
妻に『烈車戦隊トッキュウジャー』のお面の顔を紙に描くように指示して、それに思いきり色を塗っています。まだ「線からはみ出さず塗る」という意識は少ないようなのですが、ちょっとずつ塗り分けをしています。

あまりにすばらしい塗りなので、僕の部屋のベッドの横の壁にはっていたら、うーちゃんが進んで完成作品を次々にはるようになりました。
画びょうがたりなくなって100円ショップに買いに行くほどで、そろそろはるスペースがなくなってきました。

きれいに塗ると言うより、隙間を塗りつぶすことに力を傾けていて、はみ出すことはいとわないようです。
ロボットほかにも、ブロック遊びもとても好きです。保育園でも家でも何時間もずっとつくっています。

デザインセンスがすばらしく、形も色もきちんと左右対称になるようにロボットを組み立てます。つくっているのは、巨大ロボと小さい飛行機、拳銃など。どれもとてもかっこいい形と色です。
ロボは足の部分を大きくして自立させています。

ブロックをありったけ使って大きなものをつくっていた時期を過ぎて、今は2体の大小のロボットをつくり、互いに戦わせたり共闘したり、小芝居をして遊んでいます。
ブツブツなにか言っているのですが、声が小さくてよく聞き取れません。

どんぐりちなみにこれもうーちゃんの作品。3歳のとき、保育園の文化祭に向けてつくりました。
ほかの子のはドングリがきれいに一直線に並べられていたり、なんらかの意図がくみ取れましたが、うーちゃんのはご覧のように無意識を強く感じさせるものでした。

以上がうーちゃんの作品についてのお話でした。最後におまけのお話をひとつ。

お面保育園の夏祭りに家族で行くと、お面を工作するコーナーがありました。

うーちゃんはルパンレンジャーの顔に色をガシガシと塗って早々に完成。
お友達のりりちゃん(仮名)はプリキュアのお面をつくってかぶっていたのですが、顔が青、目が赤…。どう見ても具合の良くない人みたいな彩色でびっくりしました。

【古泉智浩さん】
漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69)をチェック!

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