「そばめしロール」は3種類の炭水化物で満腹!<甲斐みのりの地元パンめぐり>
2018.08.23

今、“地元パン”がブームです。全国各地のその土地・その店ならではパンを遠くから買い求める人も。

「大きくは、食パン、菓子パン、総菜パンと分類できる地元パン。とくに総菜パンは、地元の名物を取り入れたものが多く個性派ぞろいでユニークです」と語るのは、地元パンの名づけ親でもある、エッセイストの甲斐みのりさん。

今回は、兵庫県神戸市長田区の「麦酵舎はらだ」を紹介していただきました。そばめしや牛すじを使った名物パンも!

そばめしロール
3種類の炭水化物が一体化!「そばめしロール」

じつはパン大国の日本。手軽においしいパンが食べられるのはありがたいこと

海外暮らしが長い友人と話していたところ、こんな話題になりました。

「海外向けに日本を紹介する本では、和菓子の芸術性を語るものが多いけれど、帰国するたび、日本はパン屋が見事だなと思うんだよね。しかも、どの店もおいしいというのは、本当に誇れることだと思う。海外では、入る店ごと味にバラつきがあるのは当たり前だから」と友人。

「まさにそう! 日本のパン屋さんは、総菜パン・菓子パンを合わせると100種類近く扱う店も多いし、総菜パンの具になるタマゴサラダやコロッケも自家製が基本。さらにはプリンやケーキ、おまんじゅうのような和菓子まで扱う店もあって、技術やレパートリーの多さ、それからだれでも求めやすい価格設定は尊敬に値する!」と私。

牛すじぼっかけパン
正真正銘のオリジナル!「牛すじぼっかけパン」
日常でも旅先でも、空腹を感じたらその街のパン屋で、手軽においしいパンが食べられるのは、じつはとてもありがたいこと。日本各地のパン屋を訪ねると、その土地の名物がパンに織り込まれていたりして、パンを味わうことで土地柄を感じることもできます。

神戸市長田区「麦酵舎はらだ」にも、神戸を感じられる名物「そばめし」や「牛すじ」がパンの中に。そんな名物パンを食べてみました。

気になる「そばめしロール」や「牛すじぼっかけパン」のお味は?

●3種類の炭水化物が一体化!「そばめしロール」

そばめしロール焼きそばとご飯をソースで炒めたそばめしは、神戸市長田区の地元料理。ハラダのパンの周辺にも、メニューにそばめしがあるお好み焼き店がたくさんあります。

そんな地元料理をコッペパンではさんだパン。パン・麺・ご飯と、3種類の炭水化物が一体化。焼きそばパン自体、日本ならではのパンですが、そこにご飯が加わることで、さらなる食感がプラスされ、1つのパンで高い満足感を得られます。

●神戸ならではの個性派パン「牛すじぼっかけパン」

牛すじぼっかけパンビールとも好相性のおかずパン。
牛すじぼっかけとは、神戸の下町に根づく家庭料理。こちらのパンは2時間煮込んだ牛すじとこんにゃくを甘辛く味つけし、パンの中に入れて、サクッと油で揚げています。

牛すじぼっかけパンおかずとパンが一体になっているので、お昼ごはんとしても食べ応えがありますが、ひそかにビールのお供としても人気。

●1枚食べれば力がわく、忙しい朝にうれしい厚切りパン「上食」&「特食」

食パン東京では、8枚切りの食パンをカリカリのトーストにしたりしますが、関西では6枚切りや5枚切りの厚切りが圧倒的に人気で、4枚切りもあるほど。

ハラダのパンでも、4枚切りの「上食」や、5枚切りの「特食」がメイン商品です。

4枚切り横から見ると、4枚切りの厚さは圧倒的!

4枚切り西と東の、食パンの厚みの好みの違いも諸説あります。

1つには、港町・神戸があることで、昔からパン食が根づいていた関西には、忙しく働く商売人や職人も多く、朝食で素早く食べられボリュームもある厚切り食パンが重宝されてきたこと。

もう1つには、東がせんべいやそば文化なのに対し、関西はうどんやお好み焼きなど、やんわりとした歯ごたえを好む傾向にあり、厚みのあるパンが愛されること。

地元パンは、民俗学にも通じる奥行きがあって、だからこそおもしろいのです。

●パン好きならぜひほしい!オリジナルのトートバッグも

トートバッグのイラストは、パンやお菓子を持った男の子と女の子。パン袋と同じデザインです。パンのおつかいや、学校・職場にも持って行きたいかわいさ!

オリジナルのトートバッグパン好きの私は、このバッグを肩からさげて、神戸のパン屋めぐりをするのが夢です。もちろん最初の1軒目は、ハラダのパンから。

●今回の地元パン

・店名 麦酵舎(ばくこうしゃ)はらだ(ハラダのパン、原田パン)
・住所 兵庫県神戸市長田区六番町7丁目2
・電話 078-577-2255
・営業時間 7:30~20:00
・定休日 1月3日のみ
・web ハラダのパン

【甲斐みのり】
静岡生まれのエッセイスト。大阪、京都と移り住み、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。まち歩きや手みやげ講座など、カルチャースクールの講師もつとめる。著書は『地元パン手帖』(グラフィック社刊)、『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)、『全国かわいいおみやげ』(サンマーク出版)など40冊以上。ホームページ「loule」とインスタグラム@minori_louleで情報発信中

<撮影/三浦まきこ(ロル)>

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