おしゃれ寝室に“立派な”仏壇が鎮座!実家から継承する際の注意点は?
  • この記事を
    シェア

2018.07.07

昔は多くの家に置かれていた「仏壇」。仏壇を置く専用の空間である「仏間」がある家も珍しくありませんでした。
しかし最近は、居住空間の変化によって、仏壇や仏間のない家が増えています。

「その結果、実家の相続や遺品整理をきっかけに思わぬ事態が発生することも」と語るのは、葬儀関連サービス企業でPRを務める高田綾佳さん。

今回は、真由美さんという女性をモデルとして、仏壇に関してありがちなトラブル例について高田さんに語っていただきました。

仏壇
先祖を供養するための大切な仏壇ですが…

義実家の仏壇を気軽に引き継いだら、思わぬトラブルが…

真由美さんは40代の主婦。夫と高校生の娘、中学生の息子と、都内のマンションで暮らしています。

あるとき、北日本にある老人ホームで長いこと過ごしていた夫の母が、大往生で帰らぬ人に。夫の父はすでに死別しており、兄弟のいない夫は故郷に戻る予定もないため、生家を処分することにしました。

故郷に帰って不動産売却や遺品整理の手続きをしていた夫でしたが、何度目かの帰省から戻ってきた際、真由美さんに「仏間に先祖代々の仏壇があったので引き継ぐことにした」と一方的に報告。

夫の生家には何年も訪れておらず、家のなかの様子をあまり思い出せない真由美さん。仏壇のことも記憶が薄れていましたが、深く考えずに「いいんじゃない」と答えました。ところが…。

●夫の実家の仏壇が届き、その大きさにびっくり!

その1週間後、家に届いた仏壇を見て真由美さんはびっくり。仏間に置かれることを前提につくられた、黒檀製のかなり大きく立派なものが来たのです。
思春期の子ども2人を含む家族4人で住んでいる3LDKのマンションに置くには、あまりにも大きすぎる存在感。

いったんリビングに置きましたが、当然仏壇を置く前提で室内をコーディネートしていないので、インテリアになじまず、ひときわ目立ってしまっています。

思わず夫に「どこに置くつもりで引き取ってきたの?」と尋ねると、夫は「夫婦の寝室に置けばいいんじゃない?」とのこと。
しかし真由美さんからしてみれば、インテリアにこだわっている寝室と仏壇の雰囲気が合いませんし、無防備な就寝の際にも気が抜けなくなる感じがして、置きたくないのが正直なところです。

仏壇をどう扱うべきなのか気持ちを率直に説明して「なんとかできないか」とやんわり夫に伝えてみましたが、先祖代々の位牌をずっと飾っているので置かないわけにいかないと考えているよう。
真由美さん自身も、夫の実家が代々大切にしてきたであろう立派な仏壇やたくさんの位牌を処分してしまうつもりはありません。

仏壇をどう扱うべきなのか、真由美さんは頭を悩ませています。

先祖を供養する気持ちをは大切。事前に家族でしっかり話し合おう

真由美さんのケース、いかがでしょうか。
亡くなった家族やご先祖さまを自宅で偲ぶための貴重な役割を果たす仏壇ですが、居住環境の変化や核家族化などで継承が難しくなっているために、こうしたトラブルが起こりやすくなっています。

今回のトラブルのポイントは3つあります。

A.地方と都心で居住スペースが異なり、仏壇の単純な継承は難しい
B.実家の仏壇の継承を家族に相談なく、夫が勝手に決めてしまった
C.たくさんの位牌がある場合の供養の仕方がよくわからない

仏壇はご先祖様が眠る大切な場所。それゆえ真由美さん夫婦には引き取る以外の選択肢はなかったかもしれません。
しかし事前に、以下のようなことを心がけることで、トラブルが防げた可能性があります。

●仏壇を置く住宅の事情を念頭において考えよう

当たり前のことながら、人によって住宅事情はさまざま。真由美さんのようにマンションで暮らしていると、昔ながらの仏壇は持て余してしまいがち。
仏壇の引き継ぎや購入を検討している方は、置くスペースの確保やスペースの計測にあらかじめ取り組んでみてはいかがでしょうか。

●家族に事前にしっかり相談しておこう

ご先祖様を大事にしたい気持ちはとても大切なもの。迎え入れる家族全員で仏壇の存在を歓迎できるように、置き場所や仏壇を迎えたときのお参りルールについてあらかじめ家族で確認しておくことがおすすめです。

●先祖代々の位牌のご供養の仕方を覚えておこう

長年引き継がれてきた仏壇には、いくつもの位牌が飾られている場合があります。たくさん位牌を置くにはそれなりの大きさの仏壇が必要。
ただ、真由美さんのように大きなスペースを用意するのが難しいと、ご供養の方法に悩む方も。

仏壇はミニ&シンプルに進化!「モダン仏壇」も

最近は、仏壇を置くスペースに悩む方に対応した位牌や仏壇が登場しています。
大きい仏壇から小さい仏壇に移し替える際のポイントをご紹介しましょう。

1.繰り出し位牌で、位牌を飾るスペースをコンパクトに

故人お一人ごとに一柱用意する位牌ですが、たくさんのご先祖様の位牌をまとめる「繰り出し位牌」というものも。

通常の位牌であれば戒名・俗名・没年齢が書いてある板のような部分が、厚みのある箱状になっており、その中に位牌に記す内容が書かれた薄い板が収納できるようになっています。
位牌一基分のスペースに何名分もの位牌をまとめることができるので省スペースが図れます。

2.最近はミニ仏壇・モダン仏壇も登場

最近はミニ仏壇・モダン仏壇も登場大きな仏壇が置きづらいという最近の住宅事情に合わせ、棚などの家具の上に置けるサイズのミニ仏壇や、シンプルなデザインが特徴のモダン仏壇も登場しています。
コンパクトさ・シンプルさが手伝って値段もお手ごろ。

コンパクトさ・シンプルさが手伝って値段もお手ごろお部屋に仏壇が置けるほどスペースがない方、お部屋のインテリアとの調和を考えている方におすすめです。

3.位牌や仏壇をきり替える際は、必ず「魂入れ」「魂抜き」を!

今まで使っていた位牌・仏壇のきり替えは、いわばご先祖様の魂をお引越しするようなもの。
新たに購入した繰り出し位牌や仏壇には魂入れ(=開眼供養)を、残された古い位牌や仏壇は魂抜き(=閉眼供養)をしましょう。

開眼・閉眼供養および残された位牌・仏壇のお焚き上げは、菩提寺のお坊さんや専門業者にお願いするのが一般的。
菩提寺をもたないものの「ご供養だけはきちんとお坊さんにお願いしたい」という場合、お坊さんの手配サービスを活用するのも一手です。

ご先祖様をお参りしたくても、その存在感を思うと置くことを躊躇しがちな「仏壇」。最新の知識ときちんとした手順を知っておくことで、心安らかに故人を偲ぶことができるようになります。

自分のお気に入りの位牌や仏壇を見つけて、家族でご先祖様を迎える準備をしてみませんか?

●教えてくれた人
【高田綾佳さん】

定額のお葬式「よりそうのお葬式」や、お坊さんの手配サービス「お坊さん便」を提供する株式会社よりそうで広報を担当。お葬式やご供養に関することをより身近にする活動を行っている