杭をずらして不法占拠、愛犬にいやがらせ…「困った隣人」の対処法
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2018.07.31
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自分では選べないのが、自宅のすぐ側で暮らす隣人。タバコを吸う人吸わない人、ペットを飼っている人いない人、子どものいる家庭や単身者…。
生活時間も違えば趣味も暮らしぶりも違うことがほとんど。ときには、トラブルに発展してしまうこともあります。

ここではESSE読者が体験した、お隣さんとのトラブル談と、その解決策をご紹介します。

近隣トラブル
お隣さんがわが家の犬に氷を投げつける嫌がらせを。どうしたら…

お隣さんとの困ったトラブル。ときには第三者の中立的な目も必要に

家族構成もライフスタイルも違う他人が隣同士に住めば、生活のズレが生じるのは当たり前。それが、トラブルに発展するのも珍しいことではありません。
それぞれの主張が平行線のまま、解決の糸口が見つからない…という事態もありえます。

そんなときは、「裁判所に調停を申し立てるのもひとつの方法」と話すのは、弁護士の大坪和敏さん。「第三者の中立的な目で見てもらうことで、お互い冷静になって妥協点を見つけやすい利点があります」。

ESSE読者が遭遇したさまざまな事例について、大坪さんのほか、ファイナンシャル・プランナーの山田静江さん、マナーデザイナーの岩下宣子さんからのアドバイスを紹介します。

●ケース1 隣人がベランダでタバコを吸う

マンションの隣の住人がベランダに出てタバコを吸っています。窓をあけていると、においで気持ち悪くなり、注意していいものか悩んでいます(長野県・45歳)。

隣人がベランダでタバコを吸う

・大坪さんのアドバイス
マンションの管理組合に相談を

タバコの煙が体にどんな害を及ぼしているか証明するのは至難のわざで、法律で白黒をつけるのは難しいもの。ベランダの使い方はマンションの管理の問題ですから、管理会社や組合に相談しましょう。隣の住人に注意してもらえますし、場合によってはベランダでのタバコ禁止がルール化される可能性もあります。

・岩下さんのアドバイス
自分を下げながら、いや味にならないように説得を

「私は敏感すぎて、勝手なお願いなんですが」と前置きして、現状を伝えましょう。相手が悪いのではなく、私が悪いと自分を下げて誠心誠意話せば、譲歩してくれるはずです。

●ケース2 お隣さんと境界線で争いに

お隣さんが土地の境界線にある杭を、ずらしていたことが発覚。土地家屋調査士を呼んで修正してもらいました…(44歳・新潟県)。

・大坪さんのアドバイス
不動産侵奪罪という犯罪!測量の費用も請求可

勝手に境界をずらして土地を取り込むのは、れっきとした犯罪。人の不動産を勝手に占有する「不動産侵奪罪」に当たります。訴えて罪が認められれば、測量の費用も請求できます。ただし、もともと境界線が曖昧だと認められにくい場合もあります。

・山田さんのアドバイス
境界を確定していないと土地売買に影響も

境界線がはっきりと確定していないと土地を売ることはできません。専門家に測量を依頼したのは大正解。トラブルになりそうなときは、専門家の立ち会いのもと、境界を決める「境界標」の位置を確認しましょう。お隣さんが動かすかも、と不安なら定期的に確認を。場所がわかるような写真を残しておくと安心です。

●ケース3 隣人がわが家の犬に氷を投げつける!

お隣さんがうちの犬に向かって、氷を投げてきます。氷は溶けてなくなるので、わからないと思っているのでしょうか?(静岡県・30歳)

・大坪さんのアドバイス
犬がケガをしたら、器物損壊の可能性も

単に犬に氷を投げつけられただけでは、訴えても認められません。でも、その氷で犬がケガをしたら話は別。飼い主の財産を壊したという器物損壊にあたり、加害者は犬の治療費を負担する義務があります。場合によっては慰謝料を請求することも可能です。

・岩下さんのアドバイス
話し合って無理そうなら、家の中で飼う

98%の人は話せばわかりますが、残り2%は話してもわからないといわれています。他人の愛犬に氷をぶつけるような人は、2%の可能性が大。ダメもとで話して、理解してもらえなければ諦めましょう。交通事故にあったと思って、犬は家の中で飼って。

●ケース4 マンションで上の階から水漏れした

ある日、突然天井から水がポタポタ…。どう対処したらいいのか困りました(岐阜県・42歳)。

近隣トラブル・大坪さんのアドバイス
上の住人の過失ならその人に賠償してもらう

上の住人の蛇口の閉め忘れなどで起きた水漏れは、その人が賠償します。一方、配水管の接続不良など建物の構造的な問題で起きた水漏れは、管理組合に賠償責任が。ただし、支払われるのは原状回復の費用だけで、引っ越しても通常その費用は請求できません。

●ケース5 木が伸びて隣の庭に葉が落ちた

わが家の庭の木が、気づかないうちに育っていて、隣のお宅の庭に葉が落ちていました。この場合は、わが家に落ち度があるのでしょうか?(福井県・40歳)

・大坪さんのアドバイス
枝が越境したら切らないといけない

法律では、庭の木が境界線を越えて隣家に侵入したら、隣家の人はその木を切るように請求できる、と定められています。もし切るように言われたら、従うしかありません。でも、隣家の人が勝手に木を切るのはNG。その場合は、逆に損害賠償を請求できる可能性があります。

お隣さんと良好な関係が築ければ、わが家の住みやすさにもつながります。なにか問題が起きたときには、一度、相手の立場にたってみると解決の糸口が見つかることも。それでもどうにもならないときは、専門家を頼ってみましょう。

●教えてくれた人
【大坪和敏さん】

弁護士。東京弁護士会、馬場・澤田法律事務所所属。相続、借金、金銭トラブルなどに親身に答えてくれる。ご近所トラブルにも精通しており、雑誌などのメディアでも活躍中

【山田静江さん】
ファイナンシャル・プランナー。銀行や会計事務所などの勤務を経て、独立。安心して暮らせるプランニングをモットーに、執筆、講演、セミナー、相談業務などを行う。『相続のきほん』(オレンジページ刊)など著書多数

【岩下宣子さん】
マナーデザイナー。現代礼法研究所代表。企業、学校、公共団体などでマナーの指導、研修、講演と執筆を行う。近著に『DVDで身に付く美しい振る舞いとマナーがわかる本』(エクスナレッジ刊)など

<イラスト/山村真代 取材・文/ESSE編集部>

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