伝説の家政婦・志麻さん直伝。適当でもおいしい料理のコツ
ESSE編集部
2019.07.05

ESSE2018年9月号で、レシピなしでつくれるごはんを紹介したところ「毎日がラクになった」との声多数。忙しい人が気負いなくつくれる料理が求められているようです。

今回ご紹介するのは、どんなキッチンでも、どんな材料でも、即興でおいしい料理をつくる伝説の家政婦・志麻さんによる、レシピなし料理への道です。タサン志麻さんの料理法はレシピなしの出たとこ勝負。そんな料理の極意を教えてもらいました。

伝説の家政婦 志麻さんに教わる “レシピなし料理”への道

志麻さん
伝説の家政婦・志麻さん

●少しのコツを覚えてしまえばレシピ本は手放せます

訪問先のキッチンにある食材と調理器具を使い、魔法のように次々と、絶品つくりおきを仕上げて鮮やかに立ち去る…そんな伝説をもつ家政婦の志麻さん。

「訪問先によって食材も環境もそれぞれだから、レシピどおりになんてまず無理。それにレシピがあることで、かえって『そのとおりにつくらなければ』と思い込んでしまうから、料理を気軽に楽しめなくなってしまう。家庭料理は、本来はもっとアバウトでいいはずなんです」

おいしいプロの味を家庭で再現してくれると話題の志麻さんですが、フランスの家庭料理の大らかさを知って、その調理法はどんどんシンプルになったとか。基本的な考え方さえ知っておけば、「細かな計量などは手放していい!」と断言します。

「今回お伝えする8つのポイントを活用してみて。どんな素材でも、レシピなしでおいしい料理をつくれるようになりますよ」

●調味料はごくシンプルでいい

和食なら、“しょうゆ・みりん・だし”、洋食なら“塩・コショウ・オリーブオイル・コンソメ”、中華なら“ニンニク・ショウガ・ゴマ油”が基本。

「洋食はニンニクや唐辛子を効かせればイタリアンに。中華は塩と顆粒鶏ガラスープを加えればあっさり、みそを加えればこっくりと仕上がります」

<和食なら、しょうゆ・みりん・だし>
しょうゆ・みりん・だし

<洋食なら、塩・コショウ・オリーブオイル・コンソメ>
塩・コショウ・オリーブオイル・コンソメ

<中華なら、ニンニク・ショウガ・ゴマ油>
ニンニク・ショウガ・ゴマ油

●調味は下味が肝心

肉に塩をふる様子
塩は普段の1.5倍量を!
「味が決まらない」と悩む人は、“薄すぎる下味”が原因であることが多いのだそう。

まな板に塩をふる様子
まな板に先に塩をふっておくとラク!
「下味をしっかりつければ、あとからいろいろな調味料をたさなくても、味が決まります。塩はいつもの1.5倍を目安にふってみて」

●肉と野菜は別々に調理すると失敗しない

肉と野菜を別々に調理する様子肉と野菜を同時に調理するのは本来とても難しいこと。

肉料理とつけあわせのゆで野菜「メインは肉に塩をふって焼くだけ、つけあわせはゆで野菜かサラダ、と考えれば簡単に。肉に塩をふる分、野菜は薄味でOK。肉は押しつけて焼き、焼き色をつけるとおいしい」

●ジャガイモ3変化!同じ食材でも調理法を変えるとちがう1品に

ひとつの素材でも、ゆでる、揚げる、焼く、と調理法を変えるだけで、印象がまったく変わります。
「日々の料理がマンネリ…」なんてときも、このワザを覚えておけば怖いものなし! 食材もムダにせず使いきれます。

<ゆでてマッシュポテトに>

マッシュポテト
マッシュポテト

<揚げてフライドポテトに>

フライドポテト
フライドポテト


<焼いてポテトガレットに>

ポテトガレット
ポテトガレット

●忙しい日こそ煮込み料理がラクちん

煮込み料理
ローリエとタイムを加えるとより本格的に!
「煮込み料理は、火にかけたら放っておけるので、忙しい日にぴったり」
肉に塩、コショウ、小麦粉をはたき、ひたひたの赤ワインで煮るだけ。水分量が1/3になるまで煮込み、アルコールを飛ばします。
「赤ワインのしぶみが気になるときは、はちみつを少し加えて」

●目分量が難しい場合は、まずマグカップで量ってみる

マグカップで注ぐ志麻さん計量の手間も料理へのストレスに。量の感覚がつかめない人は「いつものマグカップにここまで入れると1カップ」というように、身近な道具に代えてみて。
「自分なりのルールが身につけば、料理がいっそう楽しくなりますよ」

●いつもの味に飽きたらコンソメとトマト缶でアレンジする

トマト缶を入れて、洋風にアレンジする様子肉、ジャガイモ、タマネギ、ニンジンとなると、つい「肉ジャガでも」とワンパターンに。そこでおすすめなのが、トマト缶とコンソメを入れて、洋風にアレンジすること。
「“いつもの料理のアレンジ”から始めると、意外と簡単にメニューを増やせますよ」

●切り方を変えるだけで料理は見違える

「切り方に工夫を凝らすと、見た目や食感に変化がついて、新鮮なおいしさに出合えます。家族も驚きのひと皿に!」

トマトを薄く輪切りにして大皿に盛りつけた様子いつものトマトを、薄~く輪切りにして大皿に盛りつければ、なんだかフレンチの前菜みたいな雰囲気に。

<撮影/難波雄史、取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【タサン志麻さん】

国内外のフレンチレストランで修業を積んだのち、“より自由で簡単なフランスの家庭料理を伝えたい”と、家政婦に。「予約の取れない伝説の家政婦」としてテレビや雑誌で話題