<甲斐みのりの地元パンめぐり>神戸っ子が愛する昔ながらのメロンパン!
2018.08.09

今、パンがブームです。全国各地のその土地・その店ならではパンが人気を集め、遠くから買い求める人も。

「地域に根づいた、昔ながらの懐かしい雰囲気のあるパンを“地元パン”と名づけ、食べ歩く日々を送っています」と語るのは、エッセイストの甲斐みのりさん。

今回は、兵庫県神戸市長田区の「麦酵舎 はらだ」を紹介していただきました。3種類のメロンパンのお味とは…?

3種類のメロンパン

関西・神戸の「麦酵舎 はらだ」では、2つのメロンパンが大人気!

大学進学をきっかけに静岡から関西に引っ越したとき、文化の違いがあまりに多く、日々驚くことばかり。とくに食べものは、見たことのない料理や食材だらけで、呼び名や形まで違っていたりします。

その1つが、メロンパン。関西でメロンパンといえば、ラグビーボール型が当たり前。そのうえ中に、白あんや、店によってはクリームなどが入っているのです。

メロンパンでは、私がそれまでメロンパンと呼んできた、表面がビスケット生地で網目模様がついた、あの丸いパンは、関西ではなんと呼ばれているのか?

その答えは「サンライズ」。昔ながらの町のパン屋さんには、「メロンパン」と「サンライズ」、その2つが当たり前に並んで置かれているのです。

●ラグビーボール型メロンパンは、オムライスの型から生まれた!?

先日、名古屋の大手パン会社に勤める、パンの歴史に詳しい方から聞いたのが、関西独特のメロンパンの話。
ラグビーボール型メロンパンの発祥は神戸で、オムライスのケチャップライスの型でパンを焼いたところ、瓜やメロンに似ていたためメロンパンと呼ぶようになったそう。

その店のメロンパンは、中に白あんが入っていたため、神戸を中心とした関西では、メロンパンに甘いあんやクリームを入れるのが定着。

抹茶メロンパン今回取り上げた「抹茶メロンパン」は、あんこの中に栗が入っています。

そのあと、丸くて網目がついたもう1つのメロンパンが入ってきたとき、同じ名前だと都合が悪いだろうと「サンライズ」と名前をつけて、区別して販売したという説があるそう。
サンライズという名前は、丸く線がついた姿が太陽のようだからとも言われていますが、由来ははっきりしていません。

地元パンにはこんな風に、どうしてこの形? どうしてこの名前? などと不思議なパンがたくさんあります。はっきりとした歴史がわからないからこそ、探求する楽しみがあるのです。

ラグビーボール型メロンパン発祥の地の神戸で人気なのが、「麦酵舎 はらだ」のメロンパン。昭和21年に創業し、地域の学校給食パンを手がけてきたため、神戸っ子には「ハラダのパン」「原田パン」と呼ばれ親しまれています。

あんこの中に栗が丸々1粒!メロンパンを食べ比べ

3種類のメロンパンなど、ハラダのパンを食べてみました。

●ラグビーボール型メロンパン発祥の地で大人気!「神戸のメロンパン」

神戸のメロンパンハラダのパンのラグビーボール型のメロンパンは、表面はこんがり、中身はふかふか。
ビスケット生地は使っておらず、手でぎゅっと真ん中を割ると、中にはたっぷりの白あんが入っています。

これぞ、神戸っ子のメロンパンの味。牛乳やコーヒーと合わせて、朝におやつに部活のあとに、空腹を満たしてくれる頼もしい存在です。
 
●中身は抹茶あんに栗の粒!「神戸の抹茶メロンパン」

神戸の抹茶メロンパンハラダには、生地にもあんにも抹茶を練り込んだ、抹茶味のメロンパンもあります。あんこの中には、ゴロンと大きな栗の粒が!

「神戸のメロンパン」よりさらにぜいたくで、奥行きがある抹茶味。和菓子のようにほっと一息つける大人の味わいで、日本茶にもよく合います。

●関西ではこの呼び名。サクサクの表面の「サンライズ」

サンライズ今も昔も、子どもにも大人にも、不動の人気を誇るのが、表面をビスケット生地でおおって焼いた、甘い菓子パン。
他地域ではメロンパンと呼ばれているものが、関西では「サンライズ」として親しまれています。

●チャーミングな姿のアイドルパン!「シャーベットクリーム」

シャーベットクリームふんわりとした生地の中に、懐かしい味わいのバター風味のクリームがたっぷり。そこにちょこんとのっているのが、チェリーのゼリー。
洋菓子のような味わいで、午後のお茶の時間も優雅に彩るアイドルパンです。

●パンを抱えた子どもたちのデザインがかわいい袋

パンを抱えた子どもたちのデザインがかわいい袋ハラダのパンのキャラクターは、パンとお菓子を抱えた、男の子と女の子。昔の自分と重なるような懐かしいイメージです。

●今回の地元パン

・店名 麦酵舎(ばくこうしゃ)はらだ(ハラダのパン、原田パン)
・住所 兵庫県神戸市長田区六番町7丁目2
・電話 078・577・2255
・営業時間 7:30~20:00
・定休日 1月3日のみ
・web http://harada-pan.com

【甲斐みのり】
静岡生まれのエッセイスト。大阪、京都と移り住み、現在は東京にて活動。旅、散歩、お菓子、地元パン、手みやげ、クラシックホテルや建築、雑貨などを主な題材に、書籍や雑誌に執筆。まち歩きや手みやげ講座など、カルチャースクールの講師もつとめる。著書は『地元パン手帖』(グラフィック社刊)、『歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ』(エクスナレッジ)、『全国かわいいおみやげ』(サンマーク出版)など40冊以上。ホームページ「loule」で情報発信中

<撮影/三浦まきこ(ロル)>

地元パン手帖

著者が全国各地を旅するなかで集めた、その土地で長年愛される「地元パン」を200点超紹介。思わず手に取って味わいたくなるものばかり!


歩いて、食べる 東京のおいしい名建築さんぽ

クラシックホテルや美術館から、百貨店、ビヤホール、学食まで。中に入って、「おいしいものが食べられる」とっておきの名建築ガイド!


全国かわいいおみやげ

おみやげとして求めやすい「うれしいポイント」をしっかり押さえた、47都道府県のおみやげ全194点を紹介!!

このライターの記事一覧