秋の味覚といえば栗。料理に使いたいけれど、皮むきが面倒…。そんな人におすすめなのが、加熱するだけで渋皮がぽろっとむける新しい品種の栗「ぽろたん」です。人気料理人・笠原将弘さんがその味わいをチェック! 鳥取県のブランド豚「大山ルビー豚」と合わせた絶品レシピも紹介します。

ほっくり甘い大粒の栗は、笠原さんもびっくりの手軽さ

大粒の栗

1個30gにもなる大粒のぽろたん栗。見た目は普通の栗ですが、じつは鬼皮に切れ目を入れて加熱すると、渋皮まで簡単にむける画期的な新品種なのです。加熱はゆでても電子レンジを利用してもOK。

渋皮をむいている様子

「修業時代に苦労して渋皮をむいていましたが、こんな簡単にむけるとは! 栗むきのハードルがぐっと下がりますね」と、笠原さんもその手軽さにびっくり。いちばん風味が強いといわれる皮の近くを無駄にすることなく、食べられるのも大きなメリット!

大山ルビー豚と味わう、秋ならではの栗レシピ

箸でほろっとくずれるほどやわらかな大山ルビー豚のバラ肉と、ほっくり甘い栗が
至福の組み合わせ。甘辛味に粒マスタードでアクセントをつけて。

●大山ルビー豚とぽろたん栗の煮込み

大山ルビー豚とぽろたん栗の煮込み

【材料(4人分)】


・大山ルビー豚バラかたまり肉 600g
・ぽろたん栗 12個
・ショウガ 20g
・インゲン 4本
・A[水4カップ 酒1/2カップ きび砂糖、しょうゆ、みりん各大さじ4 昆布5g]
・粒マスタード 適量

【つくり方】

(1) 栗は底と側面に切り目を入れ、水から10分ほどゆで、鬼皮と渋皮をむく。ショウガはごく細い千切りにする。インゲンはヘタを除いて半分に切る。

(2) 豚肉は鍋に入れて水をひたひたまで注ぎ、火にかける。沸いたら弱火にしてフタをし、1時間ゆで、水で洗ってアクを除く。

(3) (2)を3cm幅に切って洗った鍋に戻し入れ、Aと栗を加えて火にかける。沸いたらアルミ箔をかぶせ、弱火で1時間煮る。インゲンを加え、さらに2~3分煮て火を止める。

(4) 器に盛ってショウガと粒マスタードを添える。

おいしくて手間がかからない、ぽろたん栗

簡単に皮がむけるだけでなく、香りがよくて甘いと評判のぽろたん栗は、10年ほど前から鳥取県琴浦町でも栽培されています。地元では焼き栗や栗おこわにして食べるほか、お菓子などの加工品にも広く使われているとか。

栗園

笠原さんが訪れた福井和嗣さんの栗園では、約300本の栗の木を栽培。「樹高を低くして日光をまんべんなく当てる低樹高栽培を行っているので、害虫の管理や剪定がしやすく、育てやすいのもぽろたん栗の特長です」と福井さん。「茶色く熟れたいがの部分がパカッと割れて実が落下すると、今年も立派な栗ができたと安堵します。栗栽培の醍醐味ですね」

大山ルビー豚の味わいを支える快適な飼育環境

一方、「今まで食べた豚肉のなかでも、上品な甘味とやわらかな食感が際立っています」と、笠原さんが絶賛するのが「大山ルビー豚」。うま味成分のオレイン酸を豊富に含む「大山赤ぶた」とやわらかな肉質で知られる「バークシャー種(黒豚種)」の血統を受け継いだ、鳥取県を代表するブランド豚です。肉質のすばらしさもさることながら、特筆すべきは上質な脂。臭みやしつこさがまったくなく、口に入れると繊細な甘味がふわっと広がります。

大山ルビー豚

そんな大山ルビー豚を求め笠原さんが訪れたのは、琴浦町の生田養豚場。約1000頭の豚が飼育されている豚舎は掃除や消毒が徹底され、のびのび育つ環境が整っています。「おいしい豚肉を食べてもらうため、なるべくストレスを与えない飼育を心がけています」と、オーナーの生田孝信さん。独自に配合しているエサにもこだわりがあるそうで、「脂肪の質を高めるために、消化吸収のよいパン粉やEMぼかし(発酵資材)を混ぜています。こうすることで腸内環境が整って臭みが軽減され、甘味のある脂になるんですよ」。大山ルビー豚のおいしさの理由に、大いに納得した笠原さんでした。

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【笠原将弘さん】

東京・恵比寿にある人気日本料理店『

賛否両論』店主。朝の情報番組『ノンストップ!』内ESSE連動コーナー「笠原将弘のおかず道場」をはじめ、テレビや雑誌など幅広い分野で活躍中。『笠原将弘のプレミアムおかず100』(扶桑社刊)など著書も多数