「サーモンと鮭の違いは食べ方。生で食べても安全なのがサーモン、加熱して食べるのが鮭です」。そう教えてくれたのは、鳥取県琴浦町の小松弘明町長。町内でも、町の名を冠した「とっとり琴浦グランサーモン」の養殖をしているとか。そんなサーモンのおいしい食べ方を、人気料理人・笠原将弘さんが伝授します。

天然の鮭は生で食べると危険!

じつは日本で「鮭」と呼ばれるのは天然のもので、まれにアニサキスという寄生虫がいることから注意が必要。生で食べると腹痛などを起こす危険があるのだとか。一方、生食用に養殖したものを「サーモン」と呼びます。

とっとり琴浦グランサーモン

琴浦町の新名物として注目を集めている「とっとり琴浦グランサーモン」も、大山にほど近い立地のよさを生かし、発眼卵から成魚まで大山湧水系の良質な地下水を使用。水揚げ直後に活き締めにして急冷するため、マリネやカルパッチョなど生食でもおいしく食べられるそう。

ふんわり蒸したサーモンが優しい味わい

笠原さんが提案するのは、シューマイの皮で包んだサーモンをキノコの上でふんわり蒸し煮にした秋のごちそう。「間接的に火を入れることでサーモンがよりやわらかく仕上がり、キノコの風味も移って一石二鳥です」

●サーモンのラビオリ風 キノコあんかけ

サーモンのラビオリ風 キノコあんかけ

【材料(4人分)】


サーモン(とっとり琴浦グランサーモン)…200g
シメジ、エノキ…各1パック
シイタケ…4枚
長ネギ…1本
インゲン…4本
塩、コショウ…各少し
シューマイの皮…16枚
バター…10g
水…1カップ
A[だし汁1カップ 薄口しょうゆ、みりん各大さじ2]
B[片栗粉、水各大さじ1]

【つくり方】

(1) シメジとエノキは根元を除き、食べやすくほぐす。シイタケは軸を除いて薄切りにする。長ネギは斜め薄切りにし、インゲンは3等分に切る。

(2) サーモンはひと口大に切り(16等分)、塩、コショウで下味をつける。シューマイの皮の手前に1切れずつのせ、半分に折って縁を手で押さえてとめる。

サーモンをつつむ様子

(3) フライパンにインゲン以外の(1)を敷きつめて分量の水を注ぎ、(2)を重ならないようにのせる。フタをして中火にかけ、煮立ったら弱火にして5~6分蒸す。

(4) (2)だけを器に取り出し、(3)のフライパンにAとバター、インゲンを加え、ひと煮立ちさせる。Bの水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつけ、(2)にかける。

最先端技術が生むご当地サーモン

最先端の養殖技術である循環ろ過養殖システム(RAS)によって飼育された銀鮭が「とっとり琴浦グランサーモン」。養殖期間1年半~2年、出荷サイズ1~4kg。卵から成魚まで一貫して大山湧水系の地下水で育てていることから、立派なという意味の「GRAND」と地下水を意味する「ground water」の2つをかけ合わせて「グランサーモン」という名に。

グランサーモン

生産を一手に担う鳥取林養魚場では、カナダから輸入した銀鮭の卵を水温、水質など徹底管理された飼育環境のもとで、ふ化、育成させ、県内外に出荷しています。「無菌空間、無投薬など安全面にも最大限配慮しているので、安心して上質なサーモンを召し上がっていただけます」と、代表取締役の萩原岳人さん。最近は地元の飲食店で提供したりスーパーマーケットにも並ぶようになり、評判も上々とか。

笠原さん

実際に養殖場を訪れ、飼育の様子を見学した笠原さんも「養殖技術の進歩に圧倒されました。極上のサーモンになるのも納得です」としきりに感心。「身が締まっていて脂のりがよく、臭みがまったくないですね!」とその味わいにもすっかり魅了されたようです。

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【笠原将弘さん】

東京・恵比寿にある予約が取れない名店『

賛否両論』店主。朝の情報番組『ノンストップ!』内ESSE連動コーナー「笠原将弘のおかず道場」をはじめ、テレビや雑誌など幅広い分野で活躍中。『笠原将弘のプレミアムおかず100』(扶桑社刊)ほか著書も多数