2020年は新型コロナウイルスの影響でテレワークを導入する企業があったり、子どもの学校が休校になって家族で過ごす時間が増えるなど、仕事と家事、仕事と育児が密接に絡み合い、働き方や家事の分担について議論が活発になりました。

変わらず心配なのが子どもの教育費や老後に必要なお金。できることなら共働きして、その分のお金をローン返済や貯蓄に回したい…。
そんなきっかけから改めて働きたいと思ったときに、気になってくるのが育児や家事の負担のこと。

ここでは、株式会社リクルートiction!事務局の深尾奈々子さんと、キャリアカウンセラーの天田有美さんに、家事や育児と仕事の両立について不安なこと、わからないことを質問してみました。

登場人物

Q1:子どもの教育費が心配で、働きたいと思っています。そもそも教育費はどのくらいかかるのでしょうか?

A:大学まですべて公立に行ったとしても540万円、私立の場合は1700万円と言われています。ぜひ試算してみて!(天田さん)

●正社員の年収は下がっている!働くことで家族にポジティブな影響が

働きたいと思う理由は、人それぞれだと思います。
自分自身が輝きたい、子どもが成長して時間ができた、なかには経済的に仕方なく、と考えている方もいるかもしれません。

まず、キャリアカウンセラーとして多くの方々にお会いする中でいつもお伝えしているのが、ママが自分らしく働くということは、自分自身だけでなく、長期的に見て家族にとっても大きな意味がある、ということです。

そのうえで、夫婦二人で働くことで経済的な余裕も得られます。

教育費について見てみると、小学校から大学まで、すべて公立に行ったとしても一人540万円、私立の場合は1700万円かかると言われています(※出典:平成28年度「子供の学習費調査」文部科学省)。
「お金がないからあきらめて」と言うことなく、できるだけ子どもの夢を応援してあげたい、と考える方は多いでしょう。

ママが仕事をすることで、夫婦でもっと寄り添えるようになるかもしれません。
じつは、この10年間、正社員の年収が減ってきている、というデータもあるんです(※統計元:国税庁「民間給与実態統計調査」)。
働いていれば給料が自然に上がる時代ではない今、一家を支えるプレッシャーはかなりのもの。二人で働くことで、そのプレッシャーを分担することができますよね。

さらにもし、パパが夢を追いたい、と起業や留学などを考えたときにも応援してあげられたり、万が一健康上の理由などでどちらかが働けなくなっても、二人で働いていれば収入が確保できます。

家庭に専念する、というのもすてきな選択ですが、働くことで家族にもポジティブな影響がある、ということもお伝えしているんです。(天田さん)

●最初の一歩として、家計診断ツールで働き方をシミュレーションしてみて

家計診断ツール

iction!主催のセミナーでもご紹介している「iction!みらい家計シミュレーション」という家計診断ツールは便利ですよ。

現在の収入や家族の状況などを入力するだけで、将来の収支をイメージできます。

また、家族のイベントに合わせて条件を変えて、ご自身が働いてみると家計はどうなるか、何度でも働き方をシミュレーションすることもできます。

家計を把握するためのはじめの一歩として、多くの方に活用いただいています。(深尾さん)

Q2:家事や育児に加えて仕事も。どうやって両立すればいいの?

A:夫をうまく巻き込んで! 完璧を求めすぎず「あきらめる」ことも大切です。(天田さん)

家事シェア

●子どもとの生活に完璧はない!パパとはお互いに感謝の気持ちを伝え合いましょう

私のコツは、「あきらめること」(笑)です!
もともと几帳面な性格で、いわゆる完璧主義者でしたが、子どもとの生活に完璧はない! と潔くあきらめました。

すべての洗濯物をきちんとたたんでアイロンをかけなくても、子ども自身がどこにあるかすぐにわかって、自分で探し出せる方がはるかに効率的です。

それからパパを上手に巻き込むことですね。子どもは二人の子どもで、家庭は家族皆のもの。ママだけが頑張るのでも、パパだけが頑張るのでもなく、二人で一緒に頑張ろうね、と、子どもの誕生をきっかけに家事をいろいろシェアするようになりました。

たとえ自分のやり方と違ったとしても、そこは腹を立てたりせずに、感謝の気持ちを伝え合いながら工夫しています。(天田さん)

●完璧な家事より、子どもと一緒に時間を過ごすことの方が大事なんです

パパに家事をしてもらっても、ついつい「そうじゃない!」なんて言ってしまったら台無し。パパのやる気も萎えてしまいます。

私個人としては、そういう意味でパパに過度な期待をするのはやめにして(笑)、多少散らかっていたとしても、子どもと一緒に遊んだり、笑っていられることを優先するようにしました。

食事や衛生管理など、子どもの健康に気を使いすぎるあまり、神経質になりすぎてしまうママたちも多いと思います。
それでママがキリキリしてしまうようなら、ある程度手抜きすることをおすすめします。
完璧な家事より、子どもと一緒に時間を過ごすことの方がはるかに大切ですからね。

そしてママだけが頑張るのでも、パパだけが頑張るのでもなく、夫婦が協力しあっていくためには、夫婦のコミュニケーションが大切だと思います。(深尾さん)

Q3:ほかのママはどんな働き方をしているの?

A:時短や副業…。子どもが学校にいる間だけ働いたり、趣味や勉強と両立しながら働いているケースも。(深尾さん)

ママの働き方

●子どもの成長や家庭の状況に合わせて、「働くこと」とのつき合い方を柔軟に調整しましょう

「働く」と一口に言っても、今はさまざまな働き方があります。
リクルートでは、短い時間だけ働く、限られた日数だけ働くといった「時短JOB」という働き方もご紹介しています。
「子どもが学校にいる時間帯だけ働きたい」など、働く意欲はあるのに希望にあう仕事がみつからないと悩んでいる方にもマッチする仕事も。

ネットで仕事を検索してみたり、人材派遣会社などに登録してみたりすることで、働くことに対するいろいろな可能性が見えてくると思いますよ。

かく言う私も、「時短JOB」を実践している一人なんです。
会社員として週3日勤務しながら、自分の好きなアクセサリー作家としての活動もしています。

家族との時間、時短での勤務、作家としての制作時間。
今のバランスが自分に合っており、会社員としての仕事にも、作家としての仕事にも相乗効果を生み出していると思います。

子どもの成長や家庭の状況に合わせて、「働くこと」とのつき合い方を柔軟に調整していければいいなと思っています。(深尾さん)

私らしい働き方を考えるヒントに リクルート公式Facebookはこちらから みらい家計シミュレーションを試してみる

●コロナ禍だからこそ考えたい働き方や、今後の家族関係のヒントに

今回は、家事シェアにあたっての考え方、夫への伝え方のコツや、時短など柔軟な働き方についてのヒントをいただきました。

コロナ禍で家族の結束がこれまで以上に大切になっている今、今回の記事をご参考に、ぜひ家事や働き方について考えてみてください。