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74歳、年金だけで暮らすひとり老後。それでも不安を感じない生き方

浅野裕見子
2021.06.07

老後の暮らしについて、ふと考える人も多いのでは? お金のことは? 楽しく生きられるの?
そんななか、話題になっているのが『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(すばる舎刊)です。その気になる内容についてご紹介していきます。

立つ女性
ミツコさんの掃除のときのスタイル。頭には手ぬぐいを。夏はハチマキにして汗止めにします

お金さえあれば安心ですか?年金だけで楽しく暮らす「ひとり老後」

公営住宅でひとり暮らしをするミツコさん。牧師でもある彼女の、清々しいまでに信念を貫いた暮らしぶりが話題です。初のエッセイ『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』に描かれた「不安のない老後」とはどんな境地なのでしょうか。

●たとえ家族でも、各自が自立

戦争直後、牧師の家庭に生まれ、自身も信仰への道を選んだミツコさん。牧師の夫とともに教会を切り盛りし、4人の娘を育て上げ、人々のため、社会のために尽くしてきました。
夫が他界した後は牧師の仕事も第一線から退き、現在は週2日の教会での仕事とシルバー人材センターでの家事補助の仕事にいそしんでいます。
月の生活費は年金の7万円ですが「それで十分」。

子育てにまい進した時代もありましたが、その教育方針は
「18歳までは面倒を見るけれど、あとは自分でどうにかして」
というもの。
お嬢さんたちはその教えのとおり、早くから独立しています。
子どもたちをそう言って育ててきた以上、ミツコさんも自立せねば。そう考えたからこそ、夫が他界した後もひとり暮らしを続けているのです。

もちろん、家族との関係は良好です。毎週水曜日は教会での「祈り会」に出席し、そのあとは四女の自宅でお食事会。日曜日の礼拝にはお嬢さんたち四家族が顔をそろえます。
ミツコさんのお孫さんは総勢16人! 成人した子もいれば、未就学児もいます。

著書には、
「主任牧師として働いていたころは、孫たちにお年玉を渡したり、お誕生日のケーキを買ったりしていたけれど、今は余裕がないのでしていません。16人もいて、だれかを特別扱いしたくないので、全員にあげないことにしています」

そして
「もし、おこづかいを渡さないことで孫から相手にされないとしたら、それはそれで仕方がない」とも書いています。

孫たちはおばあちゃん、とは呼ばず「ミツコさん」「ミッコちゃん」と呼びます。ミツコさんも本気になって、一緒に自転車に乗ったり、ブロックで遊んだり。いつでも子どもたちと遊べる体力をつけておきたい、という健康への意識にもつながります。

お金を与える(残す)よりも、はるかに大きな愛情が、お孫さんたちには注がれているようです。

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