1. トップ
  2. ライフ

65歳、月12万円で小さく暮らす。コロナ禍でも穏やかでいられる理由

藤谷千明
2021.05.22

●コロナ禍での人間関係

――現在はコロナ禍ですが、ショコラさんご自身の生活に変化はありましたか?

「今働いている会社で、去年の4月から時短勤務にしてもらいました。2時間短縮されて、10時から16時になりました。2時間減ったのでその時給分、お給料は減っているのですが、その分は年金を充てたら大丈夫ですし、体力のことも考えたら満員電車も避けられる時短のほうがよかったとも思えます」

――お仕事以外のプライベートでの変化はどうでしょう? ご家族には会っていますか?

「横浜の実家には1年以上足を運んでないですね。母は高齢なので『来ないで』と言われています(笑)。毎月のように会っていた高校時代の友人たちとも、なかなか会えないので、LINEでやりとりしています。去年は友人たちとの旅行の予定もコロナで流れてしてしまったこともありました。仕方のないことですが」

――コロナ禍で精神的にまいってしまう一人暮らしの方の話も少なからず聞きます。

「私も一人暮らしですが、会社に行けばちょっとした会話があるんですよね。マスクはつけているけれど、なにかしら顔を見て話す機会はあるじゃないですか。これがリモートでずっと家に一人だったら、違ったのかもしれません」

棚――書籍を読んでいても、もともとショコラさんは、人間関係に対しての考え方がさっぱりしている印象があります。ご家族や友人とも適度な距離感を持っていて、コロナで会えない場合も割り切れているというか。

「本にも書きましたが、友人とは風通しよく、無理せずつきあうのがいちばんですよね。年齢を重ねてから、さらにそう思うようになったのかもしれません。たとえばあまり仲のよくない人たちに誘われても行かないとか」

――断わるときに勇気がいりませんか?

「そんなに勇気はいらないかな。この先もつき合わなくていいと思うから、断われるんですよね。単にスケジュールの問題でその日がダメな場合はそう伝えますし。この先続かなくてもいい関係の場合は、はっきり伝えるようにしています」

――気を使って時間を使うのは、相手にとってもよくないですよね。

「人間関係ってすごく難しいけれど、やっぱり無理はしたくない。若いうちはそういう試行錯誤もあっていいと思うんですけど、自分にとって大切な人かどうかって、だんだんわかってくると思っています」

――自然に今の形になってきたということですね。

「今の友人たちは、別れるときも『また次いつ会えるかな?』と楽しみなので、いい関係だと思います」

●人生を決めるのは最終的に自分

――ショコラさんはお話を伺っていても本を読んでいても、決断力があるように思います。

「自分の人生って、決めるのは最終的に自分じゃないですか。もちろん、相談もしますし、だれかの意見を聞き入れることもあります。でもなにかを決めるときに人のせいにしたくないですよね」

――そうですね。

「自分の問題を見ないふりをしたり、自分で決断するのが怖いという人もいますが、私はどちらかというと、不安を先送りにしていることのほうが、ほかのことを心から楽しめなくなってしまって嫌なんです。いつも心の中を軽くしていたいんです。そのためには、仕事にしてもお金のことにしても、先々のことを考えて行動したいですし、最後にバタバタして自分がつらい思いをするのは嫌だなって思うんです。

――前作の『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎)にあった、「老前整理」と称して自分にとって必要なものだけを残していくスタイルも、そういった考えからきているのですね。

「60歳を前にしていろいろなことを考えて、ものを整理することで、心の中も自分で整理がついたのかな。これから先も自分の生活が大きく変わるとは思っていなくて、多少仕事が減ったりはしていますが、その分体力的には楽になっていますし、月の予算を決めて生活することは、ずっと変わらずにやっていこうと思っています」

<撮影/ESSEonline編集部 取材・文/藤谷千明>

【ショコラさん】

60歳だった2016年にブログ「60代一人暮らし 大切にしたいこと」をスタート。小さい暮らしを大切にする姿勢が共感を呼び、月間60万PVの人気ブログに。著書に『65歳から心ゆたかに暮らすために大切なこと』(マガジンハウス刊)、『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎刊)がある

1 2
  • この記事を
    シェア