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大事な着物が破損。友人間のまた貸しトラブル、弁償してもらえる?

2021.05.13

親しい友人からの頼みを断りきれず金銭問題にまで発展してしまうなど、日常でありがちな「貸し借りトラブル」。そのなかでも金額のつけにくい思い出のものなどを紛失されたり、破損されてしまった場合、法的な解決策はあるのでしょうか?

ここではライターが実際に体験したトラブルを例に、桜井総合法律事務所代表である桜井康統弁護士に対処法を教えてもらいました。

友人に貸した着物を破損された場合、責任の行方は?

スマホを見る女性
1通のメールから始まった知人との貸し借りトラブル、対処法は?(※写真はイメージです。以下同)

学生時代の友人から届いた1通のメール。そこには以前、私が同窓会で着用していた着物を貸してほしいとの内容が書かれていました。当時そこまでの交流はなかったものの、数年前からSNS上でつながって以来、お互いの近況を知り半年に一度、食事をする仲です。

着物は祖母から譲り受けたもので、現代ではなかなか手に入らない柄。おまけに素材は年月を重ねた正絹となり、その取り扱いはとてもデリケートであることを伝え、一度はお断りをしました。でも毎日のようにお願いメールが届くようになり根負けした私は結局、着物を貸すことに。でもそれが大きなトラブルとなってしまったのです…。

●渋々貸すことにした着物。つけた条件は妥当だった?

着物これまで家族や親戚間ですらものの貸し借りをしたことがなく、また大切な着物であることを伝え、お断りはしました。でも何度もお願いメールが届くうちに、私の着物の価値がわかってもらえたうれしさと、ケチだと思われたくないという見栄から、条件をつけて貸すことにしました。その条件とは…

・祖母から譲り受けた古い着物のため丁寧に着てほしい
・飲食の際は必ずハンカチなどで前かけ
・クリーニングは和装専門店で

このようにものの貸し借りをする場合、どんなに親しい関係でも条件や約束事を決めるのは正解だったのでしょうか。

<弁護士の見解は?>

桜井総合法律事務所・桜井康統弁護士
桜井総合法律事務所・桜井康統弁護士

「身近で起こりがちなトラブルですね。貸し出しの際に条件を決めておくのは大切です。ただ、上記の条件で気になったのは、返却期日がないことですね」(桜井弁護士)

明確な返却期日は伝えていません。パーティーに着ていきたいと聞いていたので、それが終われば返してもらえると勝手に思い込んでいました。

「たとえ親しい友人だとしても返却期日を最初に伝えることが大切です。これは親しさの度合いとは別問題。言いづらいかもしれませんが、先程の条件以外にも万が一壊れたときや、紛失したときにどうするかということも決めておいた方がより安心です」

●貸した大切な着物が見るも無残な姿で帰ってきた…

頭を抱える女性友人は条件を了承し、着物を貸すことになりました。ところが数日たって配送で返ってきた着物は胸の辺りには赤ワインによる大きなシミ。おまけにお尻の部分は大きく生地が裂けているひどい状態です。

同封された手紙には、実際に着用して汚したのは友人の親戚であり自分ではないこと、クリーニングは断られ、和装専門の古着屋で査定したところ破損を抜きにしても買取価格は3万円以下であったことから、お詫びとして3万円を弁償したいが、それ以上は経済事情からどうしても出せないといった内容でした。

「こういったケースでは返してもらえないまま、音信不通になってしまう可能性も少なくありません。大切な着物がボロボロの状態で返ってきたことはつらいですが、弁償金額を提案してきたのは唯一の救いとも言えます」(桜井弁護士)

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