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「新型コロナは命のはかなさを知る病」。川上麻衣子さん体験談<後編>

磯 由利子
2021.01.31

1月頭に2回目の緊急事態宣言が発令され、新型コロナウイルス感染が収まりを見せないなか、自分たちの行動や考え方を見直し、いっそうの感染予防が求めらています。

ドラマや舞台で活躍する女優の川上麻衣子さん(54歳)は昨年11月上旬、仕事先の大阪で新型コロナウイルスに感染。大阪と東京で約2週間の療養後、12月に仕事復帰されました。

「私は幸いにも軽症ですみましたが、息切れや味覚・嗅覚異常などの後遺症には悩まされましたし、周りには重症になられたり、命を落とされた方もいらっしゃいます。私の体験談を共有することで、自分や大事な人をコロナから守ってもらえるきっかけになればと思います」

ここでは、川上さんが新型コロナ陽性になり、ホテル療養中の隔離生活~退院までを時系列で追いながら、そこから感じたことについてお話を伺いました。

女優の川上麻衣子さん
女優の川上麻衣子さん

保健所の「疫学調査」で自分の行動を振り返り、自責の念にかられた

川上さんが会食中に友人から「発熱した」と連絡があったのが昨年11月4日のこと。それから3日後の11月7日に、出張先の大阪で体調不良を感じた同様のタイミングで、保健所から「濃厚接触者なので2週間は外出を控えるように」と連絡が入り、その後PCR検査の結果「陽性」に。11月11日から、指定されたビジネスホテルに移動し、療養が始まりました。

2020年11月12日(木)
保健所と2時間近く電話で「疫学調査」を受ける。その後は、ホテルの部屋で療養。熱はなし。

2020年11月13日(金)
ホテルで療養。熱はなし。シャンプーの香りを嗅いだときににおいがわからず、嗅覚異常を認識。PCR検査をお願いしたクリニックに相談したところ、「治りかけの段階で嗅覚異常が出てくる人もいる」と言われる。

保健所が陽性者に行う「疫学調査」とは、どんなことをするのでしょうか?

「2週間近くさかのぼり、だれとどういう行動をしていたかを話す調査です。いつ、どこで、マスクの有無や換気のできる場所かどうか、食事の座る位置や直箸で食べなかったか、マスクなしで15分以上話していないかなどを、事細かに話します。

春の緊急事態宣言以降、私も感染予防に気をつけていましたが、疫学調査で振り返ると、“あのとき、向かい合って座っていたな”“食事のあと、しばらくマスクなしで話していたかも?”と、気が緩んでいたと思う行動が浮かんできました」

保健所の方いわく、発症日の前後2日間が他人にウイルスを感染させている可能性が高く、その後ウイルスは徐々に消滅していくそう。

「特に発症前の2日間は、自分でも感染の兆候すら感じていません。だからこそ、“今、自分は感染しているかも”と慎重に行動した方がいいと思いました。

ニュースを見ていると、“自分は元気だから大丈夫”と思って行動している人が多い気がします。一度、疫学調査を受けるつもりで、2週間の自分の行動を書き出して家族や友人と共有するのも、感染対策の見直しや危機感をもつという点で効果的だと思います」

ホテルで支給されたお弁当
療養先のホテルで支給されたお弁当の数々。「上が夕食で、下2枚は朝食。昼食も朝食に近いものでした」

「ホテル療養中の食事はお弁当が支給され、ロビーまで自分で取りにいきます。これ以外に食べたいものは、最初に自分で持ち込んだり、家族や友人に頼むなどして調達。

このとき、エレベーターが患者で密になるのが怖かったです。ホテル療養中の費用はすべて公費で無料でした」

たくさんのゴミ箱
「療養が終わると、使用したリネン類などはポリ袋に入れて戻しました」
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