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56歳夫が突然死。 緊急事態宣言中でもあえて一般葬にした理由は…

2020.12.05

昨日まで普通に会話した夫が突然亡くなる。
「まさか」のことかもしれませんが、普段想像もできない事態はだれの身にも起こり得ることです。

ライターの佐藤由香さん(52歳)は、新型コロナウイルス禍で緊急事態宣言措置が実施されていた今年の5月に、当時56歳の夫が突然死で亡くなるという経験をされました。

突然の夫の死に、どう対処し、どう向き合ったのか。今回は、コロナ禍で執り行うことになった葬儀での最後の見送りについてつづっていただきました。

緊急事態宣言中で葬儀はできるのか。会社員の夫に花道をつくりたかった

会場
夫の葬儀は一般葬でとり行うことに(※写真はイメージです)

単身赴任先の自宅で夫が突然死(死因は致死性不整脈の疑い)した5月は、緊急事態宣言真っ最中。葬儀を執り行うつもりでしたが、葬儀はクラスターをつくる危険があると報道で言われており、菩提寺の住職からも、ご時世をふまえて通夜の読経はしない旨、告げられていました。

●定年を迎えられなかった夫を、少しでもにぎやかに見送りたい

800km離れた地から夫の棺を飛行機で東京まで運んだものの(わが家は夫婦2人家族。私は東京でライターの仕事を続けながら、月に一度夫の住む街に通うという二重生活を10年間送っていました)、どんな葬儀ができるかは未知数です。家族葬しか無理といわれたら仕方ないと思っていたのですが、葬儀社はしっかり対策を講じたプランを考えていました。

「換気が十分にできる施設で、通夜ぶるまい(通夜後、参列者の会食)はなし。マスク着用で焼香のみ、来られる方だけ、ということであれば問題ありませんよ」というので、私は迷わずお願いしました。

参列する方は、焼香して顏を見るだけですが、それでも一般葬にしたのは夫が現役会社員だったからです。友人、知人、お世話になった方が大勢いて、その方たちにもお別れの場は必要だと思いましたし、定年を迎えられなかった夫のために「花道」をつくってあげたかった。

お疲れさまといってお祝いできない代わりに、少しでもにぎやかに見送りたかったのです。

●夫の好きなゴルフをイメージした祭壇に

ゴルフ場
祭壇はゴルフ場をイメージしてもらうことに(※写真はイメージです)

緊急事態宣言中ということもあり制限はありましたが、そのほかの対応は柔軟でした。参列者の方には通夜ぶるまいの代わりのものを用意したり(今回の場合はお米でした)、カタログにない祭壇もお願いできました。

祭壇は大きく分けて白木か生花の2種類から選ぶのですが、夫のイメージから考えると白木はちょっと仰々しい。かといってピンクや紫の花祭壇も違うので、もう少しナチュラルにできないかダメ元でリクエストしてみたのです。

「たとえば、ゴルフコースのフェアウェイを気持ちよく歩いているような感じにできませんか?」

スポーツが大好きだった夫。とくに単身赴任で地方に住んでからはゴルフ場が近くなり、よく行っていたと部下の人に聞いていました。ふとそのことを思い出して言ってみると、葬儀社の人も心得たもので、「わかりました。考えてみましょう」と即答。プランの価格の範囲でできる要望には応えてくれるので、妥協や遠慮は不要なのだと思いました。

●コロナ禍でも夫らしい見送りの場にできた

ゴルフ場をイメージした、実際の祭壇の一部
ゴルフ場をイメージした、実際の祭壇の一部

通夜当日。葬儀会場には、まさにゴルフ場のような緑いっぱいの祭壇がつくられていました。山やグリーン、池に見立てた祭壇の真ん中に遺影があり、横にはたくさんの方からの供花が並んでいます。弔電も、山のように積まれていました。それを見たとき、夫らしい葬儀ができそうだという安堵感でいっぱいになりました。

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