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熊本地震を経験した主婦が、台風10号の停電に備えて買った食材

松野久美
2020.09.13
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2020年9月頭に、特別警報級の勢力で沖縄・奄美・九州地方に台風10号が接近しました。「記録的な暴風や高波、大雨になる恐れがあるとして、連日ニュースでは最大級の警戒を呼びかけられました」と話すのは、熊本市中央区在住の主婦・ライター、松野久美さん。

今回に先立つ2016年、熊本地震で被災し、自宅と避難所や親族宅を行き来するなどして避難生活を経験している松野さん。
「当時の私は防災意識が低く、本当に困りました。幸い避難先で支援を受けられましたが、その後も買い物など平常時のようにできない生活のなか、味気ない食事が続くと活力が湧かないことも実感。改めて、普段の食事のありがたみを感じました」

台風10号の上陸に際し、いざライフラインが止まったときに活躍すると感じた食材を紹介してもらいます。

火が使えなくてもOK!停電を想定して準備した、すぐ食べられるもの

熊本県では、台風10号が上陸が予想された9月7日(月)は多くの幼稚園、小・中学校が臨時休校に、スーパーやコンビニも臨時休業するなど、早い段階でお知らせがありました。

九州は台風や大雨が多いのでほかの地域の方より慣れているものの、連日ニュースで警戒を呼びかけられたこと、長期の停電も考えられることから、改めて備蓄品をチェック。
カップ麺やレトルト食品などの非常食は備蓄していますが、わが家(夫婦2人暮らし)のコンロはIHヒーターのため、停電となると食べることができません。しかも、熊本地震後に購入したと思っていたカセットコンロが家じゅう探してもどこにも見当たらない…! 上陸予報3日前、スーパーではすでに売りきれ。

チルド麺やパウチ食材など
台風10号に備えて購入したチルド麺やパウチ食材など

そんな状況のもと、できるだけ手間がかからず、かつ、いつもの食事に近づけられるものはどれか、また熊本地震の際「サラダチキンなどのチルド総菜を買っておけばよかった」と感じたことを思い出しながら、食材を選び準備しました。

参考:熊本地震に被災してわかった「地震直後にしておけばよかった5つのこと」

●流水でほぐせるチルド麺

ゆでずに流水でほぐせば食べられて便利なチルド麺は、災害時の食事にもおすすめです。カップ麺や乾麺は400~500mlのお湯を沸かす必要がありますが、これなら少量の水でほぐすだけで食べられます。
水を大事にしなければならない状況でも、そこまで神経質にならずに調理できるのがよいと思いました。消費期限は1週間ほどと短すぎないので、いくつかあると安心です。

●加熱食肉製品や魚肉ねり製品、パウチ総菜

これらは加熱せずそのまま食べられるのが大きなポイントです。サラダチキンやカニカマ、ハムはサンドイッチや麺料理の具材に、タケノコ土佐煮は味つけされているので副菜としてはもちろん、混ぜご飯の具材になるなど、使い勝手は抜群です。賞味・消費期限はそれぞれ1週間~10日ほどあります。

●つくりおきおかず

たけのこ土佐煮などつくりおき上陸予報の前日には、ポリタンクに水をため、ご飯を多めに炊いてつくりおきおかずも準備しました。
ご飯は、それだけでも満足できるように具材多めの混ぜご飯にし、食べやすいようにおにぎりに。「たけのこ土佐煮」はもともとおかずの一品に考えていたのですが、濃いめの和風味とたけのこの食感は混ぜご飯にもぴったり。油揚げや枝豆を加え、めんつゆとゴマ油で味をととのえました。1つずつラップで包んでおけば、残っても冷凍して保存しておけます。

つくりおきおかずは、食べ慣れた味で冷めた状態でもおいしいものがよいと考え、きのこのペペロンチーノとナスのオイスターソース漬け、写真にはありませんが、春雨サラダもつくりました。

そうめん買っておいたサラダチキンは薄切りにし、まだ火が使えたので残り物のそうめんでつくったピリ辛豆乳そうめんのトッピングに。この麺をチルド麺にしてもおいしいと思います。野菜をたっぷりのせれば栄養バランスもばっちりですし、まだ蒸し暑い夜の食事に最適でした。

スーパー台風に備えて食事面の準備と対策をして気づいたこと

私の住む地域は幸いにも停電がなかったのですが、今後災害で停電・断水したらどうなるかを想定して行動することで、防災訓練になりました。

●自分に合った非常食のもち方がわかった

改めてパウチ惣菜などは買っておいてよかったと感じました。非常食は長期保存がきく分、つい消費期限ぎれに気づかず置いていたものもちらほら。上手に使いきっていければよいですが、ずぼらな私には乾物系、レトルト系の非常食に加えて、普段も無理なく食べられるパウチ総菜をバランスよく常備するのがよいとわかりました。

●無理のない範囲での食材のローリングストックを心がける

カセットコンロ事件により、すぐに食べられるものを買うのが直前になってしまったため、スーパーはすでに品薄状態。今回は新型コロナウイルス禍でもあるため余計にということもあると思いますが、やはり日常的に日ももちする食材やつくりおきを回していける方がいざというときに安心だと実感しました。また、火が使えない状況も考えられるので、すぐに食べられるものがあるだけで気持ちも変わります。

●SNSを活用して情報をチェック

買い出しに行ったスーパーのパンコーナーでは、からっぽの棚に補充されるとすぐに人だかりでレジは大行列に。そんななか、SNSではパンが必要な方のためにたくさん焼いて情報を発信している町のパン屋さんもありました。安全とお店への配慮は必要ですが、地域での助け合いの情報をチェックしておくと安心材料も増えます。

今回の体験で必要な食材の予想はできたので、まずはカセットコンロとボンベをネットショップですぐに購入しようと思います。
9月は防災月間。少しでも皆さんの参考になればうれしいです。

<取材・文/松野久美>

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