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30~40代で始める「プレ終活」。自分の葬儀に呼びたい人は?

2020.08.28
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自分の葬儀についての希望や資産について書き残したり、自宅や身の回りの品々を処分したり、自分の人生の終わりを考える「終活」。お金のことでもめがちな資産家だけではなく、今やだれにとっても身近な活動へと変わってきました。

「親世代、自分たち、子どもたちの老後を見据えて、3世代で終活を考える時代です」というのは、葬儀サービス会社役員で終活ガイド上級の資格を持つ秋山芳生さん。今回は、30〜40代から考えておきたい「プレ終活」のポイントを教えてくれました。

書きものをする女性
30〜40代からエンディングノートを書き始めよう(※写真はイメージです。以下同じ)

30〜40代からエンディングノートを書き始めて「プレ終活」を意識しよう

財産がどこにあるのか。亡くなった際、だれに連絡してほしいのか。だれもがいつか「死」を迎えるのに、「終活」と言われるとすごく遠い未来のことのような気がしてピンとこないもの。

「人生を振り返り、残りの人生のあり方を考え、大切なものの管理をする“エンディングノート”。書いておくと、いざというときに残された家族の助けになります。しかし、実際エンディングノートを書き上げられる人は1%ほどしかいません。書きやすいところだけでもOKなので、まず書いてみましょう」(秋山さん)

30〜40代の働きざかりでは、生前整理にはなかなか着手できません。でも、それは年をとっても同じこと。未来の自分や家族を助けると思って、今のうちから少しずつエンディングノートを書き始めて、終活を意識しましょう。

30秒間目を閉じて、自分のお葬式の場面を想像してみるのも有効です。
そうすると、具体的に家族や親族のだれに、どんなことを知らせたり頼んだりしておいた方がいいのか、イメージしやすくなります。エンディングノートも書きやすくなりそうですね。

●デジタル終活のすすめ。SNSのアカウントも整理を

スマホと花スマホの普及により、高齢者の間でもSNSが普及している現代は、アカウントデータを整理しておくことも重要です。

「亡くなってから通帳や印鑑が見つからず、口座が凍結。お金をおろせず家族が金欠に…。そういう事態ももちろん怖いのですが、家族がスマホで遺影写真を探していたら、浮気していて秘密の写真が出てきた…なんてこともあり得ます。そうすると、故人の想いに反してだれかを傷つけたり、家族の気持ちが離れてしまうことにもなりかねません」と、秋山さん。

見られたくない写真は秘密のアカウントに、パスワードを知らないとアクセスできない場所をつくっておくなど、秘密は秘密のままにできるよう整理しておきましょう。

●コロナ禍でお葬式も過渡期へ。「現時点」での希望をまとめておく

お葬式には平均で約200万円かかると言われています。これは大きな出費ですよね。できれば今から準備しておきたいもの。
全国には約7000の葬儀会社がありますが、病院指定の葬儀社で高額な費用を請求されたり、ネットや広告で安く見えた会社に葬儀を頼んだら、接客が雑で嫌な気分になったなどの実例も。葬儀会社には特別な認可制度や資格もないので、なかなか選ぶのも難しいところ。

「最近は葬儀自体も縮小傾向にあり、コロナ後はとくに一日葬や家族葬など、こじんまりとした式をあげて、費用もなるべく抑えられるような形式をとり入れる人も増えてきました」と秋山さん。

残された人に余計な気苦労や後悔をさせないよう、お葬式の希望もエンディングノートにまとめておきましょう。自分はどのように見送ってほしいのか、自分の葬儀にはだれに来てほしいのか。
とくに人間関係は働く場所や関わり方によっても変わってくるので、これからもアップデートするつもりで、「現時点」での希望をまとめておくといいですね。

海外では、生前に自分の葬儀を予約することも多くなってきました。30〜40代でなかなか自分のお葬式を予約する気分になれないかもしれませんが、どういうオプションがあってどのくらい費用がかかるのか調べ始めるのもいいかもしれません。

●親の終活の手助けは、未来の自分を助けることにもなります

話し合っている様子30~40代の人にとっては、むしろ親の終活の方が気になるでしょう。しかし親と言っても、「死んだあとのこと」について話し合うのは難しいもの。
親が突然の病気や事故で倒れたり、認知症になる前にしっかり話し合いをしておきたいと思っても、「今から葬式の話をするなんて縁起でもない」とか「遺産目当てか」などと険悪な雰囲気になってしまう人も多いそう。具体的なところまで、話し合える人は少ないかもしれません。

秋山さんは「『ご近所の人がすごく大変だったんだよ』とか『友達が苦労したみたい』と、身近な人たちの例を挙げて、親のことを思っているからこそ終活を一緒にはじめようという話し方をすると、比較的受け入れてもらいやすいですよ」とアドバイス。

身近な人の体験談は、自分のことに置き換えやすいので、話し合いのきっかけづくりによさそうですね。
もし親が終活をせずに倒れたら、介護から葬儀までが子ども世代にのしかかることに。元気なうちに聞き取りをしておくことが、未来の自分の手助けになります。

●教えてくれた人
【秋山芳生さん】

インターネットで葬儀や供養のサービスを提供する「株式会社よりそう」執行役員CMO。ファイナンシャルプランナー(FP)と終活ガイド上級の資格を持つ。FPとして年間1,000件以上の相談にのった経験を活かし、YouTuberとしても活動中。

<取材・文/朝岡真梨>

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