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身近にいる苦手な人とのつき合い方。自分がつぶれる前にすべきこと

川本義巳
2020.08.21
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どんな人にも「苦手な人」や「嫌いな人」の一人や二人はいるもの。身近にそんな相手がいるとき、どうつき合っていけばよいのでしょうか。

うつ専門メンタルコーチで、さまざまな悩みを聞いてきた川本義巳さんに、実際の例から解説してもらいました。

スマホを持つ女性
身近にいる嫌いな人とどうつき合う?

苦手な人、嫌いな人とのつき合い方。他人を簡単に変えることはできないことに気づこう

「苦手な人」や「嫌いな人」とは近寄らないのがいちばんいいのですが、その人が身近な存在であったりすると悩みは深くなります。

川田百合さん(仮名・30歳)もそんな悩みを抱えていました。川田さんは教育関係の会社で事務職をされています。ほかのスタッフからの信頼も厚く、彼女自身も「やりがいもあるし居心地のいい職場」と感じていました。

●同僚の存在がストレスに…

そんな彼女の平和な日常が変わる出来事が起こります。会社の業績がアップし、次第に仕事量が増えてきたのを機に、派遣社員のAさんに来てもらうことになったのですが、このA子さんが彼女の悩みのタネになったのです。

年齢も近く、人当たりのよさそうなA子さんに最初は好印象を抱いていた川田さんでしたが、次第に本性が見えるようになりました。まず、会社に対する批判が始まります。
「このやり方ではうまくできません」「あの上司の指示はよくわかりません」「同僚のBさん(男性)がちゃんと働いてくれません」…そんな話をことあるごとに川田さんにするようになりました。

最初は「外部の人だから新鮮な視点があるかも」と耳を傾けていたのですが、どうもA子さんのやりたいように仕事ができないと、それについて怒りが生まれるらしく、それをぶつけていることがわかりました。当然仕事の方もムラがあり、川田さんやほかの同僚がカバーすることもありました。
それでも今の仕事量を考えると「いないと困る」面もあり、なるべくA子さんと摩擦を起こさないように心がけるようになりました。

もともと川田さんはとても優しい性格で、人に意見を言うようなタイプではありません。それもあって、A子さんのことがだんだん強いストレスになっていきました。
私のところに最初相談にみえたとき、「このままだと私がつぶれます」と切実な胸の内を話してくれました。

●嫌いな理由を深掘りすると、見えてくること

私は川田さんと一緒に、あることについて考えることを提案しました。
それは「そもそもなぜその人が嫌いなのか?」ということについてです。

川田さんの場合はA子さんが「他人の悪いところばかり指摘する」点や「自分が正しい」と主張する点がそもそも社会人として間違っていると感じるので、A子さんのことが嫌いなんだということがわかりました。
これは逆に考えると「川田さんの言うとおりに動いてくれないA子さんがいる」ということにもなります。
つまりA子さんに対する期待が裏切られているのと、「自分の思う人でいてほしい」という心理的なマウントが働いた結果起こっている感情です。

誤解のないように説明しますが、社会的にとか職場のルールとかそれを守るとか慮るというのは大切なことです。ただ人によってはそれを理解していなかったり、間違った解釈をしている人がいます。そのときにお互い「こうしてほしい・こうあってほしい」という希望にズレが生まれるため、苦手や嫌いという形になるのです。

他人を簡単に変えることはできません。川田さんもA子さんを自分の思うように変えることはできません。まずこのことに気づく必要があります。

これがわかれば「脳のメカニズム」がわかるようになります。NLP(神経言語プログラミング)では、「五感で感じたものを脳で意味づけした結果、ほぼ自動的に感情や反応が生まれる」とされています。つまり、嫌いな人を「嫌い」と感じるのは「その人を五感で感じた(姿を見る・声を聴く・匂いや雰囲気を感じる)あと、その体験を自分の脳に問い合わせた結果、過去の経験や学習から「嫌いな人だ」と認知し、そこから「嫌な気持ちになる」「緊張する」「距離をとってしまう」「黙り込む」という感情や反応が生まれるからなのです。

●苦手な感覚が出たとき、客観的視点をもつようにする

このことから私は川田さんにこうアドバイスをしました。
「A子さんのことで、嫌な気持ちや苦手な感覚が出たときに「あ、私今『嫌い』って反応したんだ」って思うようにしてみてください」
これは先ほどのNLPの理屈のなかに「そう感じたんだ」という客観的なポイントを差し込む形にするものです。こんな簡単なことでも私たちの「感じ方のプログラム」は変化していきます。その結果「さほど嫌じゃない」と感じることができるようになります。

嫌な人の言葉や行動を変えることは難しいですが、自分の感じ方をやわらげることはできます。川田さんはこの後、相変わらずA子さんに振り回されましたが、「前ほど深刻に嫌だと思わなくなりました。この人はこういう人なんだって。そして私は私でいいって思うようになったので、ずいぶん楽になれました」と報告してくれました。

ちなみにA子さんは予定よりも早く職場を去っていったそうです。理由はわかりませんが、A子さんのかわりに新しくきた人とはうまくやっているとのことでした。

●教えてくれた人
【川本義巳さん】

うつ専門メンタルコーチ。高校卒業後、SEとして20年以上メーカーに勤務。大手IT企業への転職を機にうつ病を発症、寝たきり状態になり、1年2か月の休職を余儀なくされる。職場復帰後も6年間うつ病に悩まされ、さまざまな方法を試すが失敗。2007年コーチングに出合い、うつ病を完全克服。その体験をきっかけに現職に。著書に『1日3分でうつをやめる。』(扶桑社刊)がある

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