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子どもの騒音、スケボー事故…。「道路族」に苦しむ人の悲鳴

桜田容子
2020.07.15
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「道路族」という言葉をご存じでしょうか。「住宅街などの公道で、まるでそこが公園や自宅の庭であるかようの遊び、近隣住民に迷惑をかけてしまう親もしくは子ども」などを指す俗語です。

今、道路族の騒音などで心身に不調をきたすほど悩んでしまう人たちが増えており、ネット上でも話題になっています。ただし程度には差があり、道路族にははっきりとした定義はないようです。

そこでESSEonlineでは読者281人にアンケートを取り、外で遊ぶ子どもにどれだけ悩んでしまうことがあるのか、その実態を調査しました。

子ども2人
外で無邪気に遊ぶ子どもたち。悩んでしまう近隣住人も多いようです(※写真はイメージです。以下同)

子どもが外で大はしゃぎ。悩まされてしまう近所住民たち

●遅くまで遊ぶ子どもたち。ガマンするしかできず…

まずは、実際に近隣の子どもたちの騒音に悩んでいる方々の声を聞きました。

「夜9時頃まで公道で遊んでいる子どもたち。話し声もうるさければ、ボールを突く音もうるさくて仕方ない」(愛知県・主婦・40歳)

「隣人親子が、家の前の道路で遅い時間に野球の練習をしています。バットの金属音や大声での話し声がひどい騒音ですが、ご近所さんですので波風も立てられず、ガマンするしかありません」(千葉県・主婦・47歳)

「新型コロナウイルスの自粛期間中は夕方から近所の子どもたちが道路で遊び、とにかくうるさかった。コロナ対策で換気したいのに、ドアと窓は全部締めきっていました」(大阪府・主婦・38歳)

また、せっかく建てたマイホームですが、耐えられず実家に帰る日々を送る人も。

「郊外の新興住宅地に家を購入したのですが、新婚で専業主婦の自分には平日昼間の“道路族”に耐えられず、平日のみ自分の実家に避難するように過ごすようになってしまいました。家に帰るのが怖いです」(兵庫県・主婦・29歳)

●騒音だけでなく、自家用車の損傷リスクも…

車を触る女性被害内容で次に多かったのは、自家用車など所有物の損傷リスクです。

「家の前の道路を自分の家の敷地内とでも思っているのか。毎日、公道に駐車したまま、子どもたちを公道でサッカー、スケボー、自転車乗りなど思いのまま遊ばせている親がいます。挙げ句の果てには、野球のボールが私の車にぶつかったことも。ある日ついに堪忍袋の緒が切れて、地域の回覧板を通して注意すると、あろうことか相手は自治会を退会。直接言うのも角が立つのでもはやなすすべもなく、被害は続いています」(愛知県・主婦・38歳)

近隣トラブルが心配で注意できない人は多いようです。なかには、「愛車を守るために、ポールで囲むなどの対策を取らざるを得ませんでした。もちろん自費です」(千葉県・会社員・32歳)という人も。

この千葉県の女性は、保育園の送迎時にも、道路族がいて「わが子の頭にボールが飛んでこないだろか、自転車やスケートボードが突っ込んできて轢かれたらどうしよう、などと通園の際は常にピリピリしていました」と困惑を隠せない様子でした。

●自宅の敷地内にまで!完全なる迷惑行為も

自宅の敷地内やマンションの共有スペースにまでその魔の手が…。

「二軒隣の家の子どもがわが家の前の道路や間口でサッカーボールで遊んでいることがあります。ある日は自宅の敷地に入ってきたこともあります。いずれも大人がつき添っていましたが、謝罪されたことはありません」(北海道・アルバイト・36歳)

「マンションエントランスにキックボードを勢いよく乗ったまま入ってくる小学生たちにいつもイライラしてしまいます。ひどければエレベーターまでそのまま乗ってくるので、親が日頃から注意をしてほしい」(東京都・会社員・39歳)

「マンションの駐輪場に座り込み、地べたにお菓子を広げて食べながらゲームしている小学生を見かけます。駐輪場で座られると自転車を取り出しにくく、急いでいるときはとくに困ります。食べ終わったお菓子の袋もその場に放置するありさま…」(京都府・主婦・32歳)

この目撃者は、呆れながらも小学生の境遇を心配してしまうほどだそうです。

「小学生が、家の外でゲーム三昧で、おやつはスナック菓子。小学生の目はどこかさみし気で心ここにあらずといった様子。なぜこんな状況に至ったのか、家庭環境が気になりますし、見ていてせつない気持ちになります」

●一歩間違えれば自分が交通事故の加害者になるのでは…という不安

今年6月、東京都世田谷区で4歳の子が道路でスケートボードを腹ばいで乗り、自動車にはねられてしまうという痛ましい事故が起きたことは記憶に新しいです。このように自分が交通事故の加害者になるのではと不安を抱く人もいます。

「まさに、近所の小学生の子どもがスケートボードの上に腹ばいになって家の前の道路で遊んでいました。車で通りかかったとき、突然車の前にその子が飛び出してきて、肝を冷やしたことが何度も。『危ないよ!』と注意しましたが、本人はシレッとしていてあまり気にしていない。その様子に呆れつつ、車を通るたびにヒヤヒヤするのが不快です」(宮城県・アルバイト・38歳)

ボードに乗る様子「うちの自宅前ではブレイブボードで遊ぶ子どもたちが多数います。とても不安定な乗り物なので、こちらが自転車に乗っていて、子どもがよろめいてぶつかりそうになったことも」(埼玉県・自営業・40歳)

●「え?うちって道路族だったかも…」当事者たちの思い

今回のアンケートで、「“道路族”という言葉そのものを知らなかった。もしかしたらうちが加害者になっていたかも?」という声もチラホラありました。

「うちも道路で遊んでいます。公園は徒歩圏内にあるのですが、不審者情報もあり、目の届かない場所で遊ばせることができないのです」(岐阜県・会社員・43歳)

「近所の公園ではボール遊びが禁止。仕方なく、道路でサッカーをさせています。スケボーも道路でしているため、嫌がられていると思います。といっても、公園でも禁止、道路でも禁止となると、子どもたちはどこで遊べるのでしょうか?」(千葉県・会社員・45歳)

「自粛期間中、密を避けつつも外遊びの時間を設けたくて、マンションの駐車場で20分程度、子どもたちと縄跳びなどをしていました。大人の私も一緒で安全には十分気を配っていましたが、クレームが出て、マンション駐車場での遊びが全面禁止に。決して騒いでいたわけではないのですが…。子育て世代にもう少し寛容になってほしいと感じました」(東京都・フリーランス・46歳)

このように、道路族の保護者としては、「遊び場所がない」「目の届く場所で遊ばせたい」という切実な事情もあるようです。

ボール遊びができる公園が近くにない――といった都市環境下で、遊び場所がない子ども自身もきっとつらいものがあるのかもしれません。ただ、保護者としては、騒音や他家の自家用車の損傷など、迷惑行為まで及ばないよう、最低限の配慮は必要です。
「クレームが来たことがない」と思っていても、既述の通り、近隣の方は言いたくても言えずガマンしている可能性も…。お互いに想像力を働かせながら、心地よく暮らしていけるようになりたいですね。

<取材・文/桜田容子>