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60代一人暮らし。人と比べるのをやめたら、生活が楽しくなった

藤谷千明
2020.03.05
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日々の生活をシンプルに小さく、だけど節約ばかりでなく、さまざまなアイデアで一人暮らしを充実させていく。そんな姿をつづった『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎)が10万部のベストセラーになっている、ブロガーのショコラさん。

同世代だけでなく、若い世代にも大きな共感を呼ぶショコラさんの暮らし。日々の工夫や人間関係について、詳しく伺いました。

水やりをする女性
シンプルな暮らしが話題のショコラさん

シンプル暮らしを楽しむショコラさん。コツは「自分の基準」を見つけること

●ものを減らすとムダがなくなった

――40代で離婚され、以降は1LDKのマンションで一人暮らしをしているショコラさん。60歳になり、パートと年金での生活も安定してきた頃から、「老前整理」としてものの整理を始めたそうですね。

「ちょうどその頃、“断捨離”や“ミニマリスト”ブームを紹介するテレビ番組を見て、衝撃を受けたんです。とはいえ、とてもじゃないけどあそこまではできないので、自分のペースでゆっくりと、2年近くかけて減らしていきました。

ものを減らすと、掃除がラクになったり、ムダ買いが減って節約になったりします。今の暮らしに合っている、そうした方が便利だからこそ、手放すことができました」

プラセンタ美容液――ブログでも書籍でも、100円ショップのグッズなどで節約しつつも、楽しく生活していることが伺えます。最近気になったグッズを教えてください。

「ダイソーのプラセンタ美容液ですね。最初は、妹に“すごくいいから”と言われてもらったんです。100円だから気軽にたっぷり使えますし、これで4本目かな。普段はムダづかいしないように、100円ショップに行っても、あんまり売り場を回ったりしないんですけど、たまには“探検”してみないとダメだなって思いました。

お財布2つ
右がダイソーの食費用財布

お弁当箱も1年以上、セリアのものを使っています。細長いので通勤バッグの中にも入るし、100円で1年以上使えるのもすごいですよね。食費用のお財布も、ダイソーで150円のものですし。この値段でも中に仕きりもあるし、しっかりしたつくりなんです。ほかには、レンジフードなんかも、ダイソーのものを3枚重ねにして使っています」

――お部屋はものが少ないですが、絵が飾られていたり、お花や観葉植物があったりして、寂しい印象を与えません。

「観葉植物は、17年前に引越し祝いにいただいてからずっと育てているお気に入りです。かなり大きくなりました。お花も絶対に飾りたくて。これは花ビンに見えますが、じつは100円ショップのゴマ油のあきビンなんですよ(笑)」

瓶にお花――消費税の増税は、生活に影響しましたか?

「もの自体をあまり買わないので、普段の生活では影響はとくにないですね。食料品は8%ですし、たまに買う洋服はヤフオクやメルカリなので、増税はあまり意識していないかもしれません」

コーヒーとケーキ――プチプラグッズを駆使する一方、本当に気に入ったものは、少し高くても大事に買いそろえる姿も、共感を得るのだと思います。今日出していただいた食器もすてきですね。

「ケーキを乗せている器は、北欧食器のアラビアです。3年前に二男と鎌倉散歩に行ったとき、カフェで出されたコーヒーカップに一目ぼれしたのがはじまり。次の誕生日に息子がプレゼントしてくれたのをきっかけに、プレートやボウルなどを少しずつ集め始め、代わりに以前の食器は思いきって処分しました。

簡単で質素な食事でも、気に入った食器だと、おいしく豊かな気持ちでいただけるのがいいですね」

●息子たちとは友達のような関係

――ブログや書籍に頻繁に出てくる、2人の息子さんとの関係も微笑ましいです。親元を離れて独立しても、仲よくいられる秘訣はありますか?

「お互いにこまめに連絡をとっているわけではないのですが、長男は2週間に一度、ここで一緒に食事をとるのが習慣になっています。私の方から息子たちに『遊ぼうよ』と、声をかけて外出することもあります。
昔から息子たちとは、友達のように接してきたんです。夫との会話が少なかったこともあってか、毎日私を笑わせようとしてくれて。私の記憶では反抗期らしい反抗期もなかったですね。

長男が高校生の頃、『金髪にしてみたい』って、家で髪を脱色しようとしていたんです。一回やったら気がすむんだろうと思ったので、止めることはせず、『ムラなくやらないとみっともないよ』って手伝ってあげて(笑)。ちょうど連休の最初の日だったんですが、気がすんだらしく、最後の日には黒く染め直していましたね」

壁に絵
ベッドサイドには、息子さんが描いた絵を

――ショコラさんの暮らしを拝見してると、とても身軽で、自立されていると感じます。そんなふうに暮らすには、どうしたらいいのでしょう。

「ものがたくさんある生活に満足してる人もいますし、それはそれですごくすてきなこと。逆にミニマリストのような生活も、満たされているならいいと思う。人それぞれというか、自分の基準があるかどうかですよね」

――それをつくるのが難しいんですよね。インスタグラムなどですてきなお部屋をみると、いいなと思う一方でプレッシャーになったりもします。

「私に限らず、ブログでいろいろなことを書いている人は多いですが、そういう人と比べすぎてしまうと“私はちゃんとしていない”と、悩んでしまうのではないでしょうか。家事もそうですよね。人と比べたり、人を気にしたりして、“こうしなくちゃいけない”と思ってしまう。

取材でこういうことを言うのもよくないかもしれませんが、今の人は情報に囲まれているので、あえて情報を入れすぎない方がいいかもしれません。

私も若い頃は他人と比べてしまうことがあり、ストレスになっていました。でも自分で自分を養っていかなければいけない状況になったとき、人と比べることは不幸になる無意味なことだと思ったんです。そうやって比べる気持ちが徐々になくなり、自分の基準を見つけられたのだと思います」

情報が溢れかえっている現在ですが、一旦スマートフォンを閉じて、「本当に大事なものはなんだろう?」と、自分にとっての基準を確認することが大切なのかもしれません。

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<撮影/ESSEonline編集部 取材・文/藤谷千明>

【ショコラさん】

60歳だった2016年にブログ「60代一人暮らし 大切にしたいこと」をスタート。小さい暮らしを大切にする姿勢が共感を呼び、月間60万PVの人気ブログに。2019年、著書『58歳から日々を大切に小さく暮らす』(すばる舎刊)を出版