災害は、いつどこで起きてもおかしくありません。子連れでの被災はただでさえ大変ですが、その子が自閉症だったら…?
自閉症スペクトラムの6歳の娘「サンちゃん」の日常を描いたコミックエッセイ『つま先立ちのサンちゃん』を発表している、漫画家のたなかれもんさんは、災害が起きるたびに心配になってしまうと語ります。
今回、自閉症の娘との避難生活を余儀なくされた場合に想像されることなどをつづっていただきました。
サンちゃんはパニックになるかも…避難生活をしたときを思い描いたら
娘のサンちゃんを連れて避難したらどうなるのかを夫と話しました。
サンちゃんは楽しいときと同様、不安なときにも飛び跳ねたり、大きな声を出したりします。それを無理にやめさせようとすれば、パニックになりさらに騒ぐこともあります。
じっとしていること、待つことが苦手。家や療育園ではできることが、慣れない場所ではいつもどおりにできないこともあります。
避難所は多くの人たちと共同生活をすることになります。きっと周囲にすごく気を配りながら、四六時中サンちゃんの動きを気にしていなければいけない状況になるでしょう。
いざというとき…。考えれば考えるほど不安なことはつきませんが、配慮が必要な人のために「福祉避難スペース」というものもあるそう。
ご近所さんなど、サンちゃんのことをよく知る人たちと協力できる体制を整えておくのも、大事なことかもしれません。
とはいえ、あらゆる可能性を考えて準備をしても、想定外のことを起こす。それがわが娘。
いつ起こるかわからない、どんな状況になるかわからない災害時のことを考えて備えるのはとても難しいことですが、だからこそ、季節ごとに変化しがちな娘の状態を踏まえながら“いざというとき”について考え、周りの人と相談しながら準備することを習慣にしていきたいなと思います。
【たなかれもんさん】
漫画家。6歳のサンちゃん(長女)、4歳のワッくん(長男)、お父さんの4人暮らし。目立ちたがり屋のあがり性。「cakes」で不定期連載中。初めての著書『つま先立ちのサンちゃん』(扶桑社刊)が発売中