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40代になってやめてよかったこと。作家・小川糸さんの暮らし

ESSEonline編集部
2019.09.04
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●返事はすぐにしなくていい

返事はすぐにしなくていい友人との約束や仕事の依頼などは、すぐに返事をしなきゃと思うことが多いですが、小川さんは、返事をすぐにせず、あいまいな「グレー」の部分をもっておくそう。

「昔はいい顔をして、すぐにイエスと返事をしていましたが、焦って白黒つけようとすると、“やっぱりそうじゃなかった!”と後悔することも。結果的に自分を追いつめて、時間も体力も気持ちも余裕がなくなってしまうことが多くて…」

そうならないために、今は頭の片隅に「保留ボックス」をつくっておくのだそう。

「人からのお誘いでも“行けたら行きますね”と伝えて保留にし、ギリギリまで様子を見ます。仕事の依頼も、迷ったときはいったん自分に猶予を与えます。じっくり考える時間をもつことで、答えが見えてくることはよくあるし、自分にできるか、できないかを冷静に見極められるようになりました。“グレー”という言葉にあまりいいイメージがないかもしれませんが、この歳になって、そのよさを知りました」

●天井照明を卒業する

天井照明を卒業する小川さんの家の照明は、シーリングライトではなく間接照明が中心。読書用のデスクライトや壁づけのブラケットライトなど、一部の空間だけを明るく照らすものを使っています。

「シーリングライトは部屋中を煌々と照らして、なかなかリラックスできなかったんです。それが間接照明を使うことで、心が穏やかになり、気持ちがリフレッシュできるように。ときどきはキャンドルに明かりを灯して食事をとることも。最初は暗くて何も見えないけれど、その分、五感が研ぎ澄まされるんです。生活スタイルによっては、天井照明や蛍光灯の明かりをなくすことは難しいかもしれませんが、夕食のひとときだけキャンドルを灯すことはおすすめです。どんな空間が自分にとって心地いいか、自分の心の声に耳をすませて、その空間に近づけることは大切だなと思います」

●贈り物は自分の趣味で選ばない

贈り物は自分の趣味で選ばない「贈り物を選ぶのって、案外難しい。昔は雑貨など、自分の好きなものを贈っていたこともありました。でも、ずっと残って処分しづらかったり、相手に気を遣わせてしまったり、趣味の合わないものを贈っていたかもしれません…」

今は、いろいろと考えた末、もっぱら食べ物を贈るようにしているそう。

「よく贈り物に使っているのが、気負わずに渡せるチョコレートやお茶。それと、意外なほど好評なのが、卵。たいていの家では必需品だし、おいしい卵は、自分がもらってもうれしいもの。気の置けない友人には、近所の養鶏所などで買った新鮮な卵をパックのまま渡すこともあります。食べ物は、さぁっと消えていくけれど、そこに“おいしい”という幸せな感情は確かに残る。そういった贈り物が理想です」

必要のないものには手を出さない、無理していい人にならない、人生後半はそういった潔い選択が大切です。
小川糸さんの新刊『育てて、紡ぐ。暮らしの根っこ』(扶桑社刊)では、小川さんが試行錯誤してたどりついた、ものの選び方や時間の使い方、健康管理の工夫、家事や仕事のルールを紹介。軽やかに心地いい毎日をおくる暮らしのヒントが満載です。

<撮影/矢郷桃 取材・文/ESSE online編集部>

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