実家の片づけの出費が50万円超!親の執着にはこう対処
烏丸莉也
2019.06.29
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年をとると広い家での生活は意外と不便が多く、「小さい暮らし」に向けて住み替えなどを検討するケースも増えています。その際に課題となるのが、過ごした年月の分だけ家の中にたまった荷物。

「シニア世代は、私たちが思っている以上にものへの執着が強く、手放せない人が多いのです」と語るのは、今回は実家を売却するにあたり、老親の荷物の整理に取り組んだライターの烏丸莉也さん。読者の皆さんのご参考になるよう、体験談を語っていただきました。

荷物の整理をする様子
親世代が納得して荷物を整理するのが理想です(※画像はイメージです)

ものがあふれかえる親の家…!ガラクタ撤去の体験談

4LDKの1戸建ての実家の売却をすることになり、地元の清掃業者に費用を見積もってもらったところ、「65~70万円くらいです」と言われてびっくりしました。まさかゴミを捨てるだけで、そんなにお金がかかるなんて…。お恥ずかしながら、自分の世間知らずぶりにも唖然。

家財の処分費用は、一般的にトラックの積載量と作業負荷(分別の有無や作業に必要な人数など)で決まるそう。また近ごろは、中国が環境汚染対策としてプラスチックゴミの受け入れを禁止したことが、ゴミ処理費用の急激な高騰に繋がっています。自分が国際問題の影響をもろに受けるなんて夢にも思っていませんでした。

●先に買い取りしてくれそうな業者を探そう

不動産屋さんに「少なくとも3社は見積もりをとったほうがいい。あと買い取ってもらえるものもあるかもしれないから、リサイクル業者にも来てもらったほうがいい」とアドバイスをされ、廃品回収業者や便利屋のほか、リサイクルショップや中古家具店など、さまざまなところへコンタクトしてみました。

すると、洗濯機や電子ピアノなどの電化製品をはじめ、衣類を収納していたプラスチックケース、本や着物など、いずれもキレイとは言えない状態にも関わらず、けっこう幅広く買い取ってもらうことができたのです。

ただ母の嫁入り道具だった高さが2m近くある大型家具は、傷もなく状態もよかったのですが、需要が少ないという理由で売ることも引きとってもらうこともできませんでした。処分する際にも解体するための作業費用が別途上乗せされてしまう結果に。
それでも最終的に4社に見積りをしてもらい、65~70万円くらいと言われていた処分費用は54万円にまで下がったので、少々時間と手間はかかりましたが、大きな節約になりました。

●親の価値観を尊重してあげよう

価格交渉の次にネックとなったのは、年老いた親の説得です。いざ片づけようとすると、思い出がつまった品々を見つめ、手が止まってしまうのです。
そして「これ捨てていいよね?」と聞くたびに「ゴミじゃないんだから!」と怒り出す親。

私たち子どもサイドからは、ガラクタにしか見えないものでも、親にとっては宝物のような品だったりするのです。そこのギャップを埋めるために、ひとつひとつ「これは使っているの?」と問いかけながら、「もう必要ないね」という会話を繰り返し、本人が納得しながら処分できるように配慮してあげることが大事なのだと気がつきました。

精神的にも骨が折れる作業でしたが、結果的に親と良好な関係を保ちながら片づけをすすめられたのでよかったなと思います。

●トラックの積載は隙間なくつめてもらおう

清掃業者の作業のイメージ必要なもの、処分するもの、分別ができたあとは、清掃業者の人たちが手際よく作業を進めてくれます。整理を始めたときは、すごい荷物の量に何度も途方に暮れそうにもなりましたが、搬出が始まってしまうとあっという間でした。

ただ注意しなければならないのが、トラックの積載。事前に見積もりをしていても、トラックに乗らなかった分は追加で費用が発生するケースもあるのです。きちんと隙間なく積み込んでもらえるように、家族が写真を撮りながらチェックするように対応しました。

●支払い時はこんなトラブルも…!

作業が終わり、支払いはクレジットカードでお願いしようとしたところ、手数料が3%プラスでかかると言われてしまいました。しかし、事前にカード払いを伝えていたにも関わらず、見積もり時に説明がなかったことなどを伝えて交渉してみたところ、「今回は特別に…」ということで追加の費用を回避することができました。

高額な現金を、知らない人がたくさん出入りする作業日に準備しておくのも心配です。後日振込にしてもらうか、カードを使う場合は事前に手数料の有無まで確認しておくほうがよさそうです。

ものに対する執着度合いや親の性格など、それぞれのご家庭によって事情も異なると思います。
今回私たちの家族は、「家が散らかりはじめるのは、認知症の入口にいる状態でもある」と医者に言われて、実家の処分という決断に至りました。
たまにしか帰らない実家の様子がちょっとおかしいなと思ったら、早い段階で話し合いをしておくといいかもしれませんね。

<取材・文/烏丸莉也>