ゴミ出しのルールを守らない住人…穏便な解決策とは?
ESSE編集部
2019.10.20

避けたくても、避けられないのがご近所トラブル。近所に住む人は選べないので、騒音やゴミ問題などが起きた場合、事態をどのように収拾すればいいのか弁護士の三輪記子さんに伺ってみました。

ゴミ出し、騒音、町内会…ご近所トラブルが勃発したら?解決までの3つのSTEP

隣人とのトラブルに悩む様子
隣人などによる頭を悩ませる問題はどうして避けられないもの…
まず、三輪さんはこのようにアドバイスしてくれました。

「社会では不特定多数の人が暮らしている以上、多少の不満を抱えているのは当然です。波風を立てないのが美徳とされる時代もありましたが、過剰に我慢していると爆発してしまうことも…。解決に向けての行動を起こすことも、ときには必要です。ただし、その場合、感情的にならず丁寧な対応を心がけ、段階を踏んで策を講じることが重要。いずれにしても1人で抱え込むことは避けて。まずは友人など身近な人からでよいので、信頼できる相手に相談しましょう」

客観的に状況を判断できるようになってきたら、解決へと進むようにしましょう。それでは、トラブル解決を導く3つのSTEPを紹介します。

●STEP1:相談できそうな機関を調べる

壁を叩く様子
直接、苦情を言うのはトラブルのもと(※写真はイメージです)
迷惑だと感じたら、まずは家族や友人などの身近な人に話し、迷惑行為の経過を録音、撮影するなど記録を。気持ちを落ち着けながら、相談にのってくれる機関を探すこと。

「賃貸物件や集合住宅なら大家さんや管理会社、戸建てなら町内会などの自治体など、どこに相談すべきか考えて。最初は名指しでの抗議はせず、“〇〇の行為が迷惑です”といったはり紙などをしてもらい、様子をみます。状況が変わらないようであれば、大家さんや管理会社から通知してもらえるか聞いてみてください。直接言いに行くのはトラブルの元になるのでおすすめしません」

<迷惑行為の相手に手紙を書くとき>

どうしても手紙を出す場合、文面は冷静かつ丁寧にすることが大切です。

「“決められた日以外にゴミを出すと、鳥があさりに来るのでやめてください”などと、具体的な要望を入れて伝えましょう。怒りのあまり、相手を侮辱したり、脅迫めいた内容を書くと、名誉棄損に該当するケースもあるので注意して」

●STEP2:相手と話し合いの場を設ける

トラブル行為についての通知などを行っても改善されない場合は、公正中立な第三者が当事者間に入るADR(裁判外紛争解決手続き)で話し合いすることを検討してみてください。

「ADRは、裁判などで白黒つけるのではなく、建設的な話し合いができる場です。意外と知られていないのですが、これは公正中立な弁護士が当事者の間に入り、互いのルールづくりをしていける場。ただし法的な強制力はないので、相手が呼びかけに応じない場合もありますが、訴訟を起こすほどの金銭的負担も必要ありません。有効な手段なのでぜひ活用してみてください」

<ADR(裁判外紛争解決手続き)の使い方>

ADRは暮らしのトラブルに幅広く対応し、手続きが簡便かつ迅速で、訴訟に比べて費用負担も少額の方法。裁判所が行う一般民事調停のほか、各弁護士会などの民間事業者が実施するものもあります。全国にある事業所は、『かいけつサポート』のホームぺージで。

●STEP3:“最終手段”としての裁判

相談をしている様子ADRや民事調停などの話し合い手続きでも解決できなかった場合は、法的な解決をはかる選択(訴訟)も。弁護士を探す場合には、自治体や法テラス、弁護士会などの法律相談を利用するのも手。有料相談は1時間につき1万円が相場で、実際に弁護を依頼するにあたり着手金などの弁護士報酬が必要となります。

「裁判は必ず判決がくだされ、終わりが来るものです。ただし、希望の判決が出るわけではないし、時間や費用の面で割に合わない場合も。その点も踏まえて、訴訟を起こすかを判断してください」

教えて三輪先生!読者のお悩み相談

ゴミを出す様子
マンションにゴミ出しのルールを守らない人がいたら…?(※写真はイメージです)

Q1:ゴミ出しのルールを守らない人がいます。

A:「直接の交渉は避け、第三者をとおして注意してもらうのがいいでしょう。ゴミ出しを管理しているのがどこなのかを調べて。私自身、管理会社に“●●の件について調査し、回答をください”と要望を出したことも」

Q2:子どもの足音がうるさいと階下から苦情が…

A:「多少なりとも自覚があるのなら、素直に反省し、菓子折りなどを持って謝罪に行くことをおすすめします。普段から挨拶などを心がけ、互いに譲り合える関係を築いておくことも大切。防音マットを敷くなどの対策をしても」

Q3:町内会の見回りが負担です。

A:「町内会の活動は、強制ではない場合が多いので、まずは強制かどうか確認を。子どもが小さくて参加できないなど理由があれば話し合いましょう。思いきって役員になり、不合理なルールを変えてしまうという手段も」

<イラスト/辻本真美 取材・文/ESSE編集部>

●教えてくれた人
【三輪 記子(みわふさこ)さん】

東京ファミリア法律事務所所属の弁護士。テレビのコメンテーターや番組の法律監修なども行う。夫は作家の樋口毅宏氏