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婚約指輪を売って入学費用に…借金まみれの夫と離婚して

ESSE編集部
2019.09.20
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厚生労働省の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査」によると、母子世帯の平均年間収入は243万円。
母子家庭のおもな雇用形態は、半数以上がパート・アルバイトなどの非正規。子どもが小さくて時間の融通が利かず、フルタイム勤務が難しいという事情が伺えます。また、元夫から子どもの養育費や学費が払われないというケースも。

ここではESSE読者のリアルなエピソードと、専門家のアドバイスをお届けします。

苦悩する女性の様子
離婚調停の席で、「マンションか子どものどちらかを選べ」と迫られ…(※写真はイメージです)

借金トラブルばかりの夫と調停で離婚。生活はギリギリで、長男は大学進学を断念

<吉田さやかさん(仮名)プロフィール>
神奈川県・47歳
年収 216万円
養育費 0円
同い年の夫と離婚。長女の児童手当を月額1万円、児童扶養手当を月額5000円受給。親と同居しているため、家賃負担はないが、生活費は折半。貯蓄する余裕はなく、貯金額は0円

「吉田さんの奥さんですね? ご主人と連絡が取れなくて困っているんですよ。奥さんの金づかいが荒くて借金返済が追いつかないと泣きつかれ、彼には400万円近く用立てているんですがねえ」

夫の勤務先の社長からの突然の電話に、辺りの空気が凍りつきました。私がつくった借金? 冗談じゃない。夫は、その数日前から、家にも帰ってきていなかった。うそを重ねてあちこちからお金を借りまくり、首が回らなくなって、雲隠れしたということなのでしょう。
転がり込んだ先は察しがつきました。おそらく彼の実家。私と義父母とは何年も絶縁状態が続いていました。というのも、結婚当初から夫は金銭トラブルを繰り返し、「妻の浪費癖が原因で借金が膨れ上がった」と親を言いくるめてお金を借りていたから。

まったくなにやってんだか――結婚して12年、2児の父になってもなお、過去の失敗からなにひとつ学べない夫。封筒に小分けし、タンスの奥に隠しておいた子どもの習い事の月謝まで、夫に持っていかれてしまったときの絶望がまざまざとよみがえります。
「子どものため」とずっと我慢し続けてきたけれど、もう、ここまでにしよう。私の心が、カチッと音を立てて離婚に向けて切り替わりました。

●子どもかマンションのどちらかを選べと迫った夫

その後、離婚をきり出しましたが、私という“借金返済のあて”を失いたくなかったのか、夫は断固拒否。結婚生活への未練や子どもたちへの愛情ゆえに離婚したくないのであれば私も少しは救われたのに、そんなものはカケラも感じさせてくれなかった。

もつれ込んだ離婚調停の席で、「マンションか子どものどちらかを選べ」と迫る夫の顔は醜くゆがんでいました。私が子どもを選ぶのを承知のうえでそんなことを言う。あなたはマンションを売って借金を返したいのね、どうぞそうしてくださいな。とにかく一刻も早くこの関係にケリをつけたくて、私はマンションを夫に渡し、慰謝料ゼロ、養育費の取り決めもせず、シングルマザーになることを選びました。

今思えば、せめて養育費だけは支払ってもらうよう取り決めて、公正証書に残しておくべきでした。ただ、こちらに非がなくても、持っていない相手からはなにも取れないという話を聞かされていたし、ここでなにか約束したところで、夫がそれをきちんと守るとはとても思えなかった。

●婚約指輪を売って入学費用をなんとか捻出

婚約指輪のイラストもしもあのとき、まとまったお金が必要になる子どもの大学進学のことまで私が見据えていたら、たとえムダに終わることになろうとも、公正証書を取っておいたと思います。でも、当時は私もいっぱいいっぱいで、目先のことしか考えられませんでした。

さて、シングルマザーになってどうやって生きていくか。問題は住まいと仕事ですが、幸いなことに私には身を寄せる実家がありました。ただ、両親の収入は年金だけで、生活は2人で生きていくだけでカツカツ。経済的に頼ることはできず、家賃こそ払わないものの、生活費は完全折半です。

仕事の方は、事務職の正社員になることを目指して就職活動をしたけれど、ことごとく不採用。そこで初めて私は自分の甘さに気づかされました。アラフォーのシングルマザーが高望みしてどうするの? 子どもたちにご飯を食べさせるために、なんでもいいから、すぐにできる仕事を探さなくては――。

こうして、見つけたのが、学校給食のパートの仕事です。求人広告の「家事の延長でできる仕事」という言葉に引かれたのですが、実際は、体力勝負の仕事でした。にもかかわらず、お給料は安い。ただ、学校が休みのときはパートも休み。子どもの時間に合わせられるので、それがなにより魅力でした。

離婚してからこれまで、生活していくのに必死で、貯金をする余裕はありませんでした。
もっとも大変だったのは、上の子が高校に上がるとき。県立高校ならそんなにお金はかからないだろうと思っていたのですが、なんと制服や教科書などで、なんと20万円もの予定外の出費が必要になってしまったのです。

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