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うーちゃん最強伝説。その様子を観察する51歳の父親の心境は…?<古泉智浩の養子縁組やってみた>

2020.11.09

51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の2歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、引き続きダッシュの練習をするうーちゃんと古泉さん、そしてうーちゃん最強伝説(?)についてのお話です。

ダッシュ練習の挫折と、「前世で最強」伝説。51歳の古泉さん、なにを思う?

来年入学予定の小学校で入学前検診があって、6歳の養子・うーちゃんと一緒に行きました。とても感じのいい先生ばかりで、なんだか安心しました。

うーちゃんが教室に上着を忘れて取りに戻るときに先生が案内してくださったので、窓から見えるグランドのどこからどこまでが50mなのか聞いてみたところ、マークの位置を教えてくださいました。

じつはその前に、50mを測るために50mのトイレットペーパーを持って行くと、強風でちぎれてまったく測れなかったことがあったのです。

教えていただいたマークの位置で、50mダッシュの練習をしました。するとうーちゃんは50m15秒くらいで、しかしまだゆるく走っているのでタイムは伸びそうです。

もっと手足を大きく振って「両手をもっと大きく振って、足も大きく動かして走ってごらん。ゴールで止まらないで、その先まで走り抜いてごらん」

再びダッシュを並走しながら測ります。しかし、まだまだ全力で走っている感じがせず、さっきよりもタイムが落ちてしまいました。

「全部の力を出し切るみたいにして走ってごらん」
「ぜんぶのちからをだしたらしぬでしょ」
「死なないよ。50m走ったくらいで」

そんなやりとりをしていると、うーちゃんの顔がどんどん曇ってきます。うーちゃんは、あれこれ言われるのが大嫌いなのでした。
そうしてとうとう走ることを拒否してしまい、その後はサッカーのゴールでPK合戦をして遊びました。

最後に一回だけダッシュして帰ろうと言うと、すごく嫌がって結局走らず一緒に帰ろうと言ってもついて来なくて、別の道を歩いて行こうとします。

帰宅してママに言うと「あなたの言い方がきついせいだ」と話し方を批判され、本人がそれほど走る練習をしたがっていないのに押しつけているようだし、本人が走るのが速くなりたくて練習をしたいと言い出すまで止めることにしました。

保育園に行く車の中でうーちゃんが言います。
「ぼくは大昔の恐竜時代、ポケモンのルカリオで最強だったんだ」

「ダッシュの練習もできないのに最強? うーちゃんが勝てるのはぽんこちゃんくらいなのに!」と言いたくてムズムズしました。
ここから、うーちゃんの最強(?)伝説についての観察日記をお送りします。

●お風呂に浮かぶワザで2歳児にはり合ううーちゃん

お風呂にて。
2歳の里子のぽんこちゃんがお風呂の湯船の取っ手をつかんで、後ろから前に体をふわっと泳がせるのを見ると、6歳の養子のうーちゃんが言います。

ぼくはもっとすごい技ができるよ「ぼくはもっとすごいのができるよ」

ぽんこちゃんをどかせて、同じような動きをします。同じことをより上手にできたとしても、相手は2歳児。
ぽんこちゃんの目も心なしか冷たい気がします。

●ひざのやわらかさに関してはほかの追随を許さないうーちゃん

朝、階段を下りているときのことです。
「パパー、てえつなごうよ」
ぽんこちゃんが一緒に手をつないで階段を降りたがります。

階段でジャンプ「いっしょにじゃんぷしようよ」
最後の一段は手をつないだまま二人同時でジャンプで降ります。

「ぼくはもっとすごいぞ」
うーちゃんが4段目からジャンプをします。
「パパはこんなジャンプできる?」

たしかに見事なジャンプです。僕は51歳なので、変にジャンプするとひざの故障が心配です。
「パパにはできないよ。うーちゃんすごいじゃないか」

これはうーちゃんの若さとひざ関節のやわらかさに完敗です。

●夜、トイレに行きたくなったうーちゃん。連れて行ったのは…?

「パパ、トイレに連れてって」
うーちゃんが寝る前にもう一度トイレに行きたいと言います。しかし、僕はすっかり眠っていたので体が動きません。
「うーちゃん、パパはここで音を聞いててあげるから大丈夫だよ。一人で行っておいで」

にいにいといっしょにトイレいこう「ぽん子、にいにいと一緒にトイレに行こう」
なんと、僕がついて行かないので、代わりにぽん子ちゃんを伴ってトイレに行ってしまいました。6歳の男の子が2歳の女の子に守ってもらっている!

最強のはずなのに、なかなか情けない姿でした。
果たしてうーちゃんは今生でも本当に最強の存在たりえるのか。引き続き見守っていきたいと思います。

【古泉智浩さん】

漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69)をチェック!

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