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6歳のうーちゃん。全裸になるほどの怒りの原因は、星占い?<古泉智浩の養子縁組やってみた>

2020.10.12
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51歳の漫画家・古泉智浩さん。古泉さん夫婦と母(おばあちゃん)、里子から養子縁組した6歳の長男・うーちゃん、里子の2歳の長女・ぽんこちゃんという家族5人で暮らしています。
今回は、怒りんぼのうーちゃんのお話です。

うーちゃんは怒りんぼ。「10月の星座は何位?」で全裸になるまでの大騒ぎに

イヤイヤ期の魔の2歳児・里子のぽんこちゃん同様、6歳の養子のお兄ちゃん・うーちゃんも怒りんぼです。
なんでもないようなことですぐ怒るので困ります。

うーちゃんは朝のテレビのデータ放送が好きで、毎朝占いをチェックしているのですが、そんな朝の出来事です。
「10月は何位だった?」
うーちゃんが、ママに聞きました。10月生まれの星座は月の前半と後半で2つあります。
「10月じゃ分からないよ」
ママが答えました。
「10月は何位?」
うーちゃんが語気を強めて聞きます。
「10月は前半と後半で順位は別々だよ」
ママのその答えがうーちゃんには気に入らないようでした。ムスッとした顔になって怒鳴声を上げました。
「もう脱いで洗濯機に入れる!」

「ふくぜんぶぬぐ」うーちゃんは、着ていた長袖Tシャツとズボンと肌着とパンツを脱いで全裸になって部屋を出て行って洗濯機に入れてしまいました。洗濯機はちょっと前から回っていてすすぎの行程に進んでいる時間で、まだ着たばかりだからいいかとも思うのですが、正直やめて欲しいです。

ママはアルバイトの準備があるので自分の部屋に行ってしまって、リビングには全裸で怒ったうーちゃんがいます。
「いいからさ、玄米フレーク食べなよ。ほら見てごらん、10月はてんびん座とさそり座だよ」
そう言ってみましたが、うーちゃんはパンツをはいてズボンを頭に被って裾から腕を伸ばそうとしていました。なにをやっているのでしょう。今まで怒っていたのに急にふざけられても困ります。

ズボンを頭にかぶっている子どもそれを見たぽんこちゃんが、
「おサルさんみたい」
と言いました。

どこがおサルさんなのかさっぱり分からなかったのですが、うーちゃんがズボンを頭に被りながら声を殺して肩を揺らして笑っていました。ぽんこちゃんの変な感想のお陰で和んだのか、その後は服を着て玄米フレークを食べてくれました。

ママはなにひとつ間違ったことを言っておらず、うーちゃんの質問方法が悪いのです。それで自分の思いに沿わない返答があったとしてもしかたのないこと。
怒って服を洗濯機に入れられるとこちらの仕事が増え、うーちゃんも改めて服を着なければならず、保育園に行く時間も後ろ倒しになります。それに、そんなに怒るほどのことではありません。

だからと言って「いい加減にしなさい」などと叱ったとしても余計に怒り、さらに面倒を起こすことが火を見るよりも明らかです。うーちゃんの怒りがぽんこちゃんに飛び火でもしたら目も当てられません。
今回はぽんこちゃんに救われましたが、朝からちょっとうんざりした気持ちになりした。もう来年は小学生になることだし、うーちゃんにはもうちょっと怒りんぼを直してほしいところです。

●親子の絆・ポケモンGOでもうーちゃんの意地っぱりが炸裂

また、ポケモンGOをしていたときのことです。
「チラーミィの“アメ”があと一つで進化できるから、チラーミィ交換して」
うーちゃんがポケモン交換をしたいと言ってきました。

ポケモンを1匹捕まえると3つアメがもらえて、捕まえたポケモンを博士に送るとさらにひとつアメがもらえます。そのアメを50個とか100個とか集めるとそのポケモンを進化させることができます。
しかし、ポケモンを持つ数に制限があるので、僕は選びに選んだ個体だけを持つようにしています。つまり、僕が今持っているのは、飴のために博士に送るのはもったいない、エリートのチラーミィだけなのです。

「パパ チラーミィこうかんして」「アメひとつのためだけに交換なんてしないよ。チラーミィなんていくらでも出てくるんだから待ってなよ」

チラーミィは全然珍しくないポケモンなので、すぐ捕まえることができるのだけど、日によって出現するポケモンが違うので出ない日はまったく出ません。うーちゃんは「今」、チラ―ミィのアメがほしいのです。

うーちゃんはほしいポケモンがあったらなんでもあげるからチラーミィをよこせと言います。そのとき、僕はとくにほしいポケモンがありませんでした。しかも僕はうーちゃんよりずっと熱心にポケモンGOをしているので、うーちゃんよりずっといいポケモンをたくさん持っています。
強いて言えばピカチュウの雄がほしいけど、それでも自分で捕まえるから楽しいので、うーちゃんからもらいたいとは思いません。

そうして交換を断っていると、うーちゃんはすっかり気分を害してしまいました。

「ポケモンぜんぶはかせにおくる」「ぼくもう、もっているポケモンぜんぶ博士におくる!」
大きな声をはり上げて、うーちゃんはそんな宣言をしますが損をするのは自分です。
「おー送れ、送れ。どんどん送れ」
つい煽ってしまいました。

「サンダース3匹ともおくったよ」
かわいくて人気のイーブイから進化させたサンダースを本当に博士に送ってしまったようでした。サンダースは電気タイプなので、相性のいい水タイプと戦うときに困るのではないでしょうか。
怒りんぼのうーちゃんらしい、とんでもない意地のはり方です。

せっかく子どもとゲームをしているのだから楽しくすればいいのに、僕も大人気なかっただろうかとあとから反省しました。しかし子どもと一緒とはいえゲームは真剣にやってこそ楽しいものでもあり、ゲームとの向き合い方の根本に関わる問題と思いました。

【古泉智浩さん】

漫画家。1969年、新潟県生まれ。93年にヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。里子を受け入れて生活する日々をつづったエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』、その里子と特別養子縁組制度をめぐるエピソードをまとめたコミックエッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』など著書多数。古泉さんの最新情報はツイッター(@koizumi69)をチェック!

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